ソチ2014
アルペン競技は、滑降(Downhill)、スーパーG(Super-G)、回転(Slalom)、大回転(Giant Slalom)、複合(Super Combined)の5種目が行われる。スピード系の滑降、スーパーGの2種目は1本のタイムで競い、回転、大回転の技術系の2種目は2本の合計タイムで競う。バンクーバーオリンピックから採用された複合は、スピード系(滑降かスーパーG)1本、回転1本の合計タイムで競うが、オリンピックでは「滑降と回転」の組み合わせになる。
スピードを競う競技で、ワールドカップでは全長4200mというとてつもない長い距離を誇るコースもあり、最も過酷な競技である。会場によって異なるが時速110km〜120kmのスピードがマークされ、恐怖との戦いでもある。
それだけ危険な競技であるため、出場するすべての選手は公式トレーニングに参加することが義務付けられており、基本的に3日間の公式トレーニングを行う。ただし、ジュリー(技術代表、競技委員長、アシスタント技術代表)は、トレーニング数の削減、またはトレーニング数を最小である1本にすることができる。
男子 | 標高差(Vertical Drop) | 800m〜1100m |
女子 | 500m〜800m |
滑降と異なるのは、ターンする箇所が多く、ハイスピードの中でのターンは多くのGがかかり、アルペン種目の中で最も難しい種目と言われている。ワールドカップでは、滑降のスペシャリストが出場しているが、同じスピード系でも滑降とは上位の顔ぶれが変わることが多い。これは、滑降のスペシャリストの中にはハイスピード下でのターンを苦手とする選手が多いからである。
男子 | 標高差(Vertical Drop) | 400m〜650m |
女子 | 400m〜600m |
約60〜65本セット(1本)されたポール(旗門)をクリアしながら2本滑走して合計タイムを競う競技。日本選手が最も得意としている種目で、1956年コルチナ・ダンペッツォオリンピックで猪谷千春が銀メダルを獲得したのも、2006年トリノオリンピックで皆川賢太郎(4位)、湯淺直樹(7位)が入賞したのも、すべて回転。
競技は、ワールドカップでは2本目に進出できるのは1本目30位以内の選手に限られるが、オリンピックでは1本目の完走者はすべて2本目に出場できる。2本目のスタート順は1本目30位からで、1本目1位だった選手は30番に滑る。31番以降は1本目のタイム順にスタートする。旗門数は、標高差で決定される。
男子 | 標高差(Vertical Drop) | 180m〜220m |
女子 | 140m〜220m | |
旗門数(方向転換数) | 標高差の30〜35% |
競技方法は、回転と同じポールをセットされたコースを2本滑り、2本の合計タイムで競う。回転と同じように、ワールドカップでは1本目の30位のみ2本目に出場できるが、オリンピックでは1本目の完走者全員が出場できる。
ポールのセットは、回転よりインターバルが長く、そのためスピードが出る。スピードが出る中で、いかにズレのないターンができるかがポイント。トップシード選手になると、滑走ラインが2〜3mズレただけで表彰台に立てないと言われるほどシビアな競技である。回転と同じ旗門数は標高差で決定される。
男子 | 標高差(Vertical Drop) | 250m〜450m |
女子 | 250m〜400m | |
旗門数 | 標高差の11〜15% |
複合は、スピード系と技術系の複合競技で、滑降またはスーパーG(オリンピックでは滑降)と回転を行うが、滑降1本、回転1本での合計タイムで競う。これまでオリンピックで行われていた複合は、滑降1日、回転(2本)1日で2日間に分けて行われていたが、複合は回転が1本になったことで1日で行う。
- スキー幅(センターの最も細い部分)
滑降 男女とも67mm以上 スーパーG 男女とも65mm以上 大回転 男女とも65mm以上 回転 男女とも63mm以上 - スキーの長さ(最小値)
滑降 女子210cm 男子215cm スーパーG 女子200cm 男子205cm 大回転 女子180cm 男子185cm 回転 女子155cm 男子165cm - スキーの半径(ラディウス)
滑降 男女とも45m以上(準備許容差マイナス1m) スーパーG 男女とも44m以上 大回転 女子23m以上 男子27m以上 - ビンディングの高さ
最大高(スキー滑走面の下側からブーツソールまでの間隔) 男女とも50mm以下 - スキーブーツのソールの厚さ(インナーブーツの底部からシェルの底部)
男女とも43mm以下