【メダリスト会見】スピードスケート男子の森重航選手「日本男子が強いと言われている種目でメダルをとれたことはすごく誇りを持っています」

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メダル獲得の心境を語る森重航選手（写真：アフロスポーツ）

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34秒49で銅メダルを獲得（写真：アフロスポーツ）

　北京2022冬季大会のスピードスケート男子500mで銅メダルを獲得した森重航選手が19日、記者会見に出席し、メダル獲得の心境を語りました。

■「もっともっと自信を持ってレースに臨めるように頑張っていきたい」

――メダルを獲得した感想をお願いします。

　率直に嬉しいなという気持ちでいっぱいです。また、このオリンピックという舞台でこの成績を出せて良かったなという思いでいます。

――メダルを獲得した後やレースが終わった後、お父様と何かお話をされましたか？

　昨日レースが終わった段階で家族と電話はしました。その際に「オリンピックお疲れ様」ということと、地元でたくさんのメッセージや応援をいただいていたので、「応援すごかったよ」という話をしました。

――改めて、お父様やご兄弟の存在は、競技生活や今回戦っていくうえでどのような力になったと感じていますか？

　今までたくさん支えてもらいましたが、オリンピックを通して、また改めて兄弟や親が支えて下さったありがたさを感じられて、一番に応援してくれていたので本当に力になりました。

――もう少し大会は続くと思いますが、シーズンが終わったらやりたいことや自分へのご褒美など、何か考えていることがあったら教えてください。

　そうですね、シーズンが終わればまずは個人的に美味しいものを食べたいということと、 あとは家族みんなで集まってオリンピックの話をゆっくりできればと思っています。

――男子500mは日本のお家芸ともいわれている種目ですが、日本勢として3大会ぶりにそのメダリストになったことは、ご自身の中でどう捉えていますか？

　3大会ぶりというのは自分の中であまり想像はできていませんが、日本男子が強いと言われているこの種目で、4年に一度の舞台でメダルをとれたというところはすごく誇りを持っていて、これからもこの誇りをもってスピードスケートに取り組んでいきたいなと思っています。

――これから4年後も、その先も期待される立場になっていくと思いますが、その辺りご自身の中で気持ちの変化は何かありましたか？

　今回オリンピックに出場して具体的な目標や雰囲気とかも味わえたので、まずは1年1年自分の力をつけていって、4年後、8年後にはなりますが、またこの舞台でもっともっと自信を持ってレースに臨めるように頑張っていきたいなと思っています。

――今回のレースを振り返って、500mと1000mで結果に差が出ましたが、ご自身の中でどのような違いがありましたか？

　両種目とも臨む気持ちは同じで、全力で取り組むことはしていました。500mは得意種目ということもあり、上位に食い込めましたが、1000mはまだまだ通用する練習が必要だったのではないかと終わってみて思います。

――森重選手は中学生のころから1500mでも非常に良いタイムを出していたと思うのですが、今後も基本的にはスプリントでいくのか、それともオールラウンダーという視野もありますか ？

　オールラウンダーというのは考えていなくて、1500mをやるにしてもまずは1000mで戦えるようになってからになってくると思います。まずは500m、1000mを世界の上位で戦えるようになっていかなければと思っています。

――先ほど「4年後、8年後のオリンピックでも」というお話がありましたが、メダルの色にこだわりはありますか？

　今回は、表彰台や金メダルを目標にしていましたが、実際にとってみると本当に驚きばかりで、また4年後、8年後にはこれ以上の成績を期待されると思うので、その期待に応えられるように4年間かけてやっていければなと思っています。

――山形中央高校のメダリストとしては加藤条治さん以来、そして専修大学としては短距離だと黒岩彰さん以来だと思います。それぞれどのような存在なのか教えていただけますか？

　加藤条治選手はずっと日本を引っ張ってくださった人なので、ずっと憧れというか、すごいなと思っていて、そういう選手に続いてメダルをとれたというところで本当に嬉しく思っています。黒岩彰さんも今でもチームのサポートをしてくれているので、そういう人たちに追いつけたという意味ではすごく嬉しいメダルとなりました。

――加藤条治さんから、具体的に何かかけていただいた言葉があれば教えていただきたいです。あと黒岩彰さんと今回同じチームでずっとやってきて、少し役職的には違うかもしれないですが、かけていただいた言葉などはありますか？

　加藤条治選手からは、「後輩としてよく頑張ってくれた」という言葉をいただいて、500mでは「ちょっと納得してなさそうな表情だったけど、こういう大舞台でよく頑張った」という言葉をいただきました。黒岩彰さんからは「こうしてメダルをとれて本当によくやった」という言葉ですね。

――日本選手団では髙木美帆選手が金メダルをとりましたが、あのレースはどこでご覧になっていて、それを見てどのように感じられましたか？

　全部のレースの中継を部屋で見ていました。本当にオールラウンダーで、ほとんど全種目入賞以上、表彰台をとっていて本当にすごいなというか、自分には到底できないなと思っています。その中でも、自分はオールラウンダーはできないかなとは思っていましたが、500mと1000mの2種目では頑張っていきたいなと思っていたので、本当に目標とするというか、2種目とも頑張っていきたいなという心にさせてくれました。

――（髙木選手が）金メダルをとったインパクトというか、仲間に勇気を与えたと思いますが、そのあたりはどう感じますか？

　金メダルって本当に難しいものだなとこの舞台に立ってみて思って、その中でもあれだけのパフォーマンスができていて、自分も勇気というか感動を与えてもらったので、自分もそういう存在になりたいなという気持ちになりました。

――高校時代の3年間で培ったもので、今回のメダルにつながっていることがあれば教えてください。

　高校時代には「常に考える」ということを教わってきました。今年1年間を通して、夏場のトレーニングでも自分には何が必要なのかというのを常に考えてやってきたので、それがこういう滑りに生かされているのではないかなと思っています。

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日の丸を掲げ笑顔の森重選手（写真：アフロスポーツ）

■「札幌オリンピックに決まったら嬉しいです」

――昨日、小田（卓朗）選手のシューズを真似されたという話もありましたが、条治選手も含めて先輩たちをどういう存在として捉えていますか？

　山形の先輩は本当に活躍されている人が多くて、高校時代はずっと目標にしていた選手だったので、今でもですけど、みなさん尊敬しています。

――今後に向けてという部分で、ヨハン（・デビット）ヘッドコーチや、デニス（・ファンデルガン）コーチから、レースが終わってから「こういうところを頑張っていこう」みたいな期待や言葉を受けていれば教えてください。

　来年の話は特にしていませんが、まだシーズン残り2戦、海外大会が控えているので、そこに向けて今シーズン最後までやりきるぞという話をデニスコーチからされました。

――4年後、8年後という話がありましたが、8年後については札幌が招致に乗り出しています。その点についてはどう思っていますか？

　札幌オリンピックに決まったらそこに向けて、そこまでスケートを続けたいなと思っているので、札幌に決まってくれれば嬉しいです。

――残りのシーズンにかけて何か特別な計画はありますか？ また、メダルを獲得したお祝いはしましたか？　もう一つ、500m金メダルの高亭宇選手、銀メダルのチャ・ミンギュ選手のパフォーマンスについてコメントお願いいたします。

　残りのシーズンの目標は世界選手権が初出場となるので、その舞台で今回課題となった1000mをしっかりと今シーズンのうちに克服できるようにと考えています。また、W杯ファイナルもあるので総合ランキング上位を目指して頑張っていきたいなと思っています。
　メダル獲得のお祝いはまだ特にしていません（笑）。最後に高亭宇選手、チャ・ミンギュ選手については二人とも速いタイムで、ベストパフォーマンスだったなと思っています。

――500mに出場した日本の3選手は一緒に切磋琢磨してプレッシャーを分け合って戦ってきたと思います。レース後に3人でレースを振り返ったり、話をする時間はありましたか？

　1人1人と話す機会がありました。新濱（立也）選手は「おめでとう」ということを言ってくださって、「日本の中で誰か1人でもメダルをとれて良かったよ」という話をしました。村上（右磨）選手も同様に「おめでとう」と言ってくださって、レースはいろいろなことがあったんですけど、それも含め良かったねと言ってくださいました。

――今回のオリンピックでのメダル獲得はもちろん嬉しいことだと思いますが、それ以外でご自身が印象に残っていることや、楽しかったことがあれば教えて下さい。

　選手村での生活が結構楽しくて、部屋も1人1人の個室になっていたりしたので本当に過ごしやすい選手村でした。サポートも手厚くしてくださったので、そういう面で何不自由なく生活できて、ありがたみを感じられたオリンピックになりました。

――今シーズンが終わったら美味しいものが食べたいとおっしゃっていましたが、具体的に食べたいものはありますか？

　焼肉が食べたいです（笑）。