北京2022冬季大会のスノーボード女子ビッグエアで銅メダルを獲得した村瀬心椛選手が16日、記者会見に出席し、メダル獲得の心境を語りました。
■「出るからには絶対メダルを獲得したい」
――メダルを獲得し、一夜明けた感想をお願いいたします。
最初に(銅メダル獲得が)決まった時はあまり実感がなくて夢のような感じでしたけど、一夜明けて皆さまからたくさんのメッセージをいただいて、それで実感したというか、メダルもこうして下げているのですが、重たいというか、本当にメダルをとれて良かったなと思いました。
――たくさんメッサージがあったということでしたが、反響もすごく大きかったのかなと思います。どんな言葉があったか、どのくらい反響の大きさを感じたか教えてください。
(メダル獲得が)決まった時は、家族とか学校の友達から「今まで頑張ってきて良かったね」、「けがとかしたけど諦めずここまで来られて良かったね」といったメッセージをたくさんいただきました。SNSでも結構な数をいただいて、すごい反響があったのかなと思いました。
――夏のオリンピックでも同じ横乗り競技のスケートボードが盛り上がりを見せて、今回同じようにスノーボードでも盛り上がっていると思います。昨日、競技中に他国の選手と抱き合って喜んだりする姿もありましたが、村瀬選手はどう感じていますか?
讃え合う姿は横乗り競技では昔からあって、誰が何位であっても、みんながここに出られたこと、ここに来られたのがすごいことで、その讃え合う姿が自分の中でも心に残っています。アンナ・ガッサー選手が1位をとった時も最初に駆け寄って、「おめでとう」という気持ちを心の底から伝えたかった選手なので、そういうところで讃え合う文化は横乗り競技にはあるのかなと思います。
――ちなみにアンナ・ガッサー選手は幼少期から憧れていた存在だった思いますが、改めてどのように思っていますか?
アンナ・ガッサー選手は小さいころから憧れていた選手で、日本の富山KINGSという施設に練習しに来ていたのを見て、海外の選手のレベルは本当に高いんだなと知りました。憧れの選手と一緒に表彰台に乗れて夢のようでした。
――憧れの舞台であるオリンピックの舞台に立った時の感想と、実際に滑っている時どのような気持ちだったか教えてください。
(銅メダルが)決まった時は、私は3本目3位ということに気がついていなくて、コースから出ようとした時に、「いや、心椛3位だよ」と教えてもらって気がつきました。小さいころからの夢だったオリンピックの舞台に出て、出るからには絶対メダルを獲得したいという思いがあったので、夢を叶えられたことがすごく嬉しいです。滑っている時は、スノーボードは着地した時も最高だなと思って、スノーボードをしてきて本当に良かったなと思いました。
■「次は自分一人ではなく妹と一緒にオリンピックに出場したい」
――高校の先輩である堀島行真選手に続いてのメダル獲得となりました。その点について何か思いがあれば聞かせてください。
岐阜第一高校の大先輩として、最初に北京オリンピックでメダルを獲得して、本当に素晴らしいなと思いますし、本当にかっこいい大先輩で、岐阜としても皆さん嬉しいと思います。自分も岐阜出身なので、そこでメダルがとれなかったらちょっと恥ずかしいというか、やはりここは一緒に行真くんとメダルをとりたいと思っていました。スロープスタイルはちょっとだめで、やばいかもと思ってしまいましたが、周りの人とか家族と話して気持ちを切り替えて、絶対ビッグエアではメダルをとって笑顔で帰るというのを意識しながら挑めてこのメダルだったので、行真くんと一緒にとれたメダルで本当に良かったなと思いました。
――昨日、高校の同級生の皆さんが集まって声援を送られたと聞きましたが、クラスメート、友人の方にメッセージがあれば聞かせてください。
高校に入ってからたくさん応援してくださったので、感謝しかないですし、日本に帰って隔離から明けたら学校に行くと思うので、その時にはこのメダルを持ってみんなに掛けてあげたりとかしたいなと思います。
――小さいころからの夢を叶えたというお話でした。終わったばかりで恐縮ですが、次に考えている夢があれば教えてください。
次のオリンピックですけど、自分は銅メダルでは終われないと思っているので、その銅メダルではなく一番てっぺんを目指して金メダルをとって、自分一人ではなく妹(村瀬由徠選手)と一緒にオリンピックに出場したいなと思います。
――一方でスノーヴァが閉鎖されたりしています。日本のスノーボードの環境はなかなか厳しいものがあると思いますが、今回の銅メダルをきっかけに日本のスノーボード界がどうなってほしい、どういうふうにスノーボード界が盛り上がってくれたらという思いがあれば教えてください。
スノーヴァ羽島が閉鎖されたことは、小さいころからそこで練習をしていたので本当に悲しいです。でもこうやってスノーボードが盛り上がってきていて、ビッグエアでも初めてメダルを獲得できて、日本中に自分の種目を広められたと思うので、スキー場とかに誰でも飛べる、けがしないようなジャンプ台とかを置いて、自分の種目を楽しんでほしいと思いました。
――先ほどオリンピックがずっと夢の舞台だったということで、そこでのメダル獲得が本当に嬉しかったと思います。これまで国際大会、W杯も出てこられたと思いますが、そういった舞台とオリンピックはどう違ったと思うか教えてください。
オリンピックとW杯を違うふうに考えてしまったら、いつも通りの自分の滑りを発揮できないと思ったので、自分のいつも通りかっこいい滑りをするために気持ちはW杯のような感じでオリンピックに挑んだので、気持ちの面ではいつもとあまり変わりませんでした 。
――W杯から、昨年の11月から海外遠征が続いていて久しぶりに今度地元に帰られるのでしょうか。先ほど学校に行ってメダルを掛けたりしたいというお話でしたが、地元に帰ってどんなことがしたいという思いですか?
そうですね、岐阜の空気とか吸いたいですし、あと妹、家族とかと一緒に、自分はたこ焼きが好きなので、たこ焼きパーティーとか、お話だったりご飯食べたりとか、そういう普通のことを家族と一緒に楽しく過ごせたらいいなと思っています。
――初めてオリンピックに参加されて、オリンピックという大会を通して、競技以外でも何か思い出に残っていることはありますか?
ピンの交換とか、他の国の選手たちと一緒に交流ができたことも思い出になりました。あと日本棟とかで他の選手にたまにすれ違うことがあるので、その時に「お疲れ様です」と声をかけたりして、そういうのがちょっと嬉しくなってすごくいい思い出になりました。
――この選手に会えた、みたいなことはありましたか?
夜、日本棟でご飯を食べに行くときに羽生結弦選手を見かけて、「やばい、本物だ」と思いました(笑)
――昨日、求められる理想として「かっこいいライダー」とおっしゃっていたと思いますが、村瀬選手が思い描く「かっこいいライダー」というのはどういうライダーなのか、また憧れの選手がいるのか教えてください。
誰が見ても印象に残るような、自分だけが体で表現できる格好良さやスタイルを目標にしています。選手ではスノーボード以外でも、スケートボードの(西村)碧莉ちゃんや、堀米雄斗選手、(白井)空良選手を見て、服装や見た目も気にして、自分がかっこいい滑りをしたい、日本の人たちにかっこいい滑りを届けたいと思ったので、そういうものを目標としてやっていました。
――先ほど、次のオリンピックは妹さんと一緒に出場したいと話されていましたが、昨晩何かやりとりをされたりとか、一緒に行こうという話をされたりだとか、そういうことはありましたか?
オリンピックに出る前、会見に来る前にもたくさん電話をしていて、妹も一生懸命頑張っている姿を一番近くで見ているのが私だと思うので、その姿を見て、一緒にオリンピックに出たいねというやりとりをして、「由徠ならいけるよ、一緒に行こうね」という話をしました。
――メダルを獲得されて、憧れの舞台で夢を一つ叶えて、何か自分にご褒美を買ってあげるとか、そういうのがもしあれば教えてください。
ご褒美はアイスが好きなのでアイスとか、あと梅干しとか、イカの天ぷらとかが好きなので(笑)、そういうものが食べたいです。あと、さっきも話しをしましたが、たこ焼きとかを家族で一緒に食べられたらいいなと思っています。
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