アスリートメッセージ
自分にとってスキーとは、楽しさや幸せなどの快楽を求めるための手段、という佐々木選手。彼にとってオリンピックの目標とはどんなものなのだろうか。
「オリンピックは勝つことのみです。ワールドカップではポイントが取れる中に確実に入って、勝つタイミングがあれば勝ちにいきますが、オリンピックは勝つことしか興味ないです」
イタリアで行なわれた第7回オリンピック冬季競技大会(1956/コルティナ・ダンペッツォ)で銀メダルを獲得した猪谷千春さん以来、オリンピックのアルペンスキー種目で日本人は表彰台から遠ざかっており、佐々木選手には50年振りのメダルが期待されている。
「今はオリンピックというものを、とても大切に考えています。猪谷さん以来、日本のアルペンスキー界はメダルとは程遠い存在でしたが、佐々木明は違うぞと言いたい。せっかく自分がメダルを狙える立場にいるのだから、ガツンと行きたいです。そして見ている人に感動してもらいたいです。僕も世界水泳やアテネオリンピックをアスリートとしてではなく、一般の人たちと同じ目線で見てとても感動し、燃えました。アテネオリンピックを見て以来、僕自身のマインドもあがりましたし。見てくれる人、取材してくれる人と一緒に勝利を喜べて、盛り上がれたら最高です」
と自信に満ちた口調できっぱりと答える佐々木選手。
彼の発言は決して大口ではない。確固たる実績と佐々木選手ならではの哲学によるものだ。
「僕にとって形って大事です。道具選びもかっこいいものにこだわります。格好や形から入って自信がついていくと思うんです。ブランドショップに行く時に、だらしない格好をしていたら買い物もしづらいけど、きれいな格好をしていたら堂々と買い物できるでしょう?そんな時の気持ちとよく似ていると思います」
彼が常に心に刻んでいる言葉がある。
「for the glory(栄光のために)です。それは人生において、常に上を目指したいからなんです」
1981年9月26日北海道亀田郡大野町生まれ、23歳。身長181cm、体重81kg。小樽北照高等学校1年生でナショナルチーム入り。インターハイ、FISジャパンシリーズなどで数々優勝。2001年サンアントン世界選手権で世界デビュー(結果19位)。第19回オリンピック冬季競技大会(2002/ソルトレークシティー)に出場。2004年ワールドカップ種目別回転総合11位、2005年ワールドカップ種目別回転総合14位。ガーラ湯沢所属。