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日本の家事時間の男女比

018

調査結果

男性の育児

ユニセフのイノチェンティ研究所は2019年6月に、経済協力開発機構(OECD)と 欧州連合(EU)のいずれかに加盟する41カ国について2016年時点の状況を調査し、「家族にやさしい政策」を基準に順位づけした報告書を発表した。

その結果、日本は父親が取得可能な有給育児休暇期間が他国と比べて圧倒的に長く、育児休業制度では1位であったが、実際の育休取得率は1割には到底及ばず、制度はあっても実態がともなっていないことが指摘された(Chzhen, Y., Gromada, A., & Rees, G., 2019)。

一方、内閣府男女共同参画局が厚生労働省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査結果」をもとに作成した表によると、育児休業を取得したいと思っている男性は3割を超えている。

このことから、男性が育児に積極的に関わり、育休の制度を取得しやすい環境づくりを進めることは、企業のみならずスポーツ分野においても必要であろう(内閣府男女共同参画局, 2009)。

男性の家事

女性の活躍の促進と並行して、男性も子育てができる働き方を目指し、政府は「6歳未満の子どもを持つ夫の育児・家事関連時間」の数値目標(2020年までに150分)を行動指針のなかで設定している。

男性の家事・育児時間は増加傾向で推移しているものの、2016年では83分(1日あたり)と数値目標には遠く及ばず、諸外国と比べても低水準にとどまっている。

一方、日本の妻の家事時間は諸外国よりも長い傾向にある(内閣府男女共同参画局, 2018)。

解説

インタビューのなかで中川さんは、女性のセーリング大会にキッズルームを設置することに尽力されてきたことがわかった。母親の育児負担が大きい日本において、母親となった女性たちにもスポーツの機会を提供するために、キッズルームの設置は先進事例だったといえる。

一方、今後は父親の育児を積極的に促進するために、「女性のトイレにしかおむつ交換台がない」、「母親が参加できるイベントにだけ<託児つきサービス>がある」といった状況も変えていかなければならない。たとえば、男性の選手・コーチ・審判・運営スタッフ・役員なども練習・試合・合宿に子どもを連れていきやすい環境を整備したり、啓発したりしていくことが必要であろう。

文献