ロンドン2012
概要・説明
オリンピックでの実施スタイル
男子フリースタイル、男子グレコローマン、女子の3スタイル。男子フリースタイルと女子は同じルールで、全身のどこを攻め、どこを使って守ってもいいスタイル。男子グレコローマンは、上半身の攻防のみで戦うスタイル。脚を使って攻撃したり、守ったりすることは禁止されている。
試合時間・勝敗の決定
試合時間は2分間3ピリオドで、ピリオド間のインターバルは30秒。各ピリオドで勝敗を決め、2ピリオドを勝った選手が試合の勝者となる。男子グレコローマンの場合は、スタンド・レスリングとグラウンド・レスリングによって試合が進行する。各ピリオドの最初の1分30秒がスタンド・レスリング、続く30秒がグラウンド・レスリング。
ただし、フォール(相手の両肩をマットに1秒間つけること)が決まった場合は、どんなシチュエーションであってもフォールした選手が試合の勝者となる。また、試合を通じて警告(コーション)を計3度受けた場合も、その段階で警告失格で負けとなる。
各ピリオドの勝者の決定
各ピリオドはポイントの多寡による判定等によって勝敗が決まる。ポイントは技ごとに1点、2点、3点、5点と分かれており、3審判(レフェリー、ジャッジ、チャーマン)のうち2審判の同意で決定される。
フォール、あるいは3度の警告のないまま2分間のピリオドが終了した場合、ポイントの多い選手がそのピリオドの勝者となる。ただし、
1)6点差がついた時
2)5点の技を決めた時
3)3点の技を2度決めた時
はテクニカルフォールとなり、その段階でピリオドが終了する。
同点で2分間のピリオドが終了した場合、下記の方法によって勝者を決める。
1)相手に警告を与えていた選手がいた場合、その選手が勝者。
2)警告の数が同じ場合は、ビッグポイントの多い選手が勝者。
3)ビッグポイント、警告によるポイント数が同じ場合は、最後のポイントを取った方が勝者
0-0で2分間のピリオドが終了した場合、クリンチと呼ばれる体勢から試合を再開し、最大で30秒の延長戦を行って勝者を決める(フリースタイルのみ。グレコローマンではありえないケース)。クリンチは、ボールピックアップによって、シングレットの色と同じボールの出た選手が攻撃権を獲得。相手の右足か左足を指定し、片足へのタックル状態から試合を再開。ポイントを取った選手がピリオドの勝者となる。攻撃側の選手が30秒の間にポイントを取ることができなかった場合は、防御側の選手が1点を獲得し、ピリオドの勝者となる。
3スタイル共通のルール
・あらゆる打撃技、関節技、かみつき、指を折り曲げる等は反則。
・直径9メートルの円形試合場から足を踏み出した場合は1点を失う。明らかに逃げて飛び出した場合は「場外逃避」という警告(コーション)が課せられたうえで、相手選手に1点が入る。逆に、場外へ押し出すことのみを目的とした攻撃(相撲の突き・押しのような技)を仕掛けた場合は、仕掛けた側の反則となり、その技は無効となるか、相手選手に1点が入る場合がある。
・場外へ飛び出さなくとも、相手の攻撃から逃げ回っている場合には、「技術回避」という警告(コーション)が課せられたうえで、相手選手に1点が入る。
・警告には、上記のほか、グレコローマンで脚を使って技を防いだ場合、グレコローマンのグラウンドにおける試合再開時のフライングなどがある。