写真:長瀬友哉/フォート・キシモト
もともとプロツアーやコンテストが世界のスノーボードシーンでは主流となっていますが、同時にFIS(国際スキー・スノーボード連盟)におけるスノーボードも基盤整備が進められ、カテゴリーとして大きな規模と注目度を誇るまでになっています。オリンピックで行われる種目は5種目(男女計11種目※北京2022冬季大会時)で、エアの高さや技の難易度、スピードを競います。
スノーボードには、「ハーフパイプ」「ビッグエア」「スロープスタイル」「スノーボードクロス」「パラレル大回転」の5つの種目があります。また、北京2022冬季大会から、スノーボードクロスにおいて「混合団体」が実施されています。
ハーフパイプ
この種目では、パイプを半分にカットしたような斜面を滑りながら、左右の壁を利用してトリックを披露します。選手たちはジャンプの高さや繰り出す技の難易度や完成度を競い合います。特に魅力的なのは、華麗なエアトリックの連発であり、回転数の多いトリックや斜め回転を連続で行う3Dトリックなど、各選手の個性や戦略が異なります。
ビッグエア
平昌2018冬季大会から追加された新たな種目で、巨大なキッカーでのエアトリックの高さや難易度、完成度を競います。シンプルながらもダイナミックな競技性が最大の魅力です。ジャンプの飛距離が大きいため、着地時の一瞬の緊張感も非常にスリリングです。スロープスタイルの有力選手がこの競技にも参加することが多いのも特徴です。
スロープスタイル
約700mの斜面にはジャンプ台やレール、ボックスなどのジブアイテムが連続的に配置され、選手はトリックを組み合わせてパフォーマンスを行います。審査は全体の印象、ジャンプの高さやトリックの難度、完成度などを総合的に評価して採点されます。ジブセクションでのコース選択や、特に見せ場であるジャンプセクションでの高難度なトリックが勝敗の鍵となります。
スノーボードクロス
複数の選手が同時にスタートし、キッカーやウェーブ、バンクなどの障害物が配置されたコースで先着を競う競技です。高速で滑り降りながらアイテムやジャンプをクリアし、順位が瞬時に入れ替わる様子が最大の魅力です。接触や転倒が頻発するため、「雪上の格闘技」とも称されています。
スノーボードクロス混合団体
1チームは男女各1選手の2人で構成され、最初に男子選手が同時にスタートします。その後、1着でゴールしたチームから順に女子選手がスタートし、最初にゴールしたチームが優勝となります。
パラレル大回転
スキーのアルペン競技と同様に、斜面を速く滑り降りることを競う競技です。決勝トーナメントでは、赤と青の2つのコースが並行に設定され、選手は同時に滑って1対1で対戦します。シンプルでエキサイティングな1対1の競り合いや駆け引きが、観客にとっての最大の見どころです。
長野1998冬季大会から加わった新しい競技ですが、これまでに7つのメダルを獲得しています。ソチ2014冬季大会と平昌2018冬季大会で、男子ハーフパイプで2大会連続で銀メダルを獲得した平野歩夢選手が、ついに北京2022冬季大会で金メダルを獲得しました。これは日本のスノーボード競技における唯一の金メダルとなります。なお、平野選手は東京2020大会ではスケートボード(男子パーク)にも出場し、これにより日本で5人目の夏冬五輪出場選手となりました。
競技初回実施大会 | 長野1998冬季大会 |
---|---|
TEAM JAPAN初出場大会 | 長野1998冬季大会 |
競技別累計メダル数 |
|
2024年1月1日時点
TEAM JAPAN記録を見る