8月21日で閉幕したリオデジャネイロオリンピック。今大会では連日多数のメダリストが誕生し、日本代表選手団は、過去最多となる計41個のメダルを獲得しました。そうした選手団の好調の要因のひとつに、今大会から日本オリンピック委員会(JOC)が設置した「JOC G-Road Station」の存在があります。
ロンドン大会から実施しているハイパフォーマンスサポートセンター(旧マルチサポートハウス)の機能を補完するものとして、選手たちからの要望を受けて、いつでも好きなときに和軽食が食べられる施設としてJOCが設置。ビクトリープロジェクトの調理スタッフと管理栄養士が常駐し、味の素ナショナルトレーニングセンターにいるときと同じような栄養面のサポートを受けることができます。
特筆すべきは選手村からの近さ。歩いて10分程度の立地で、1時間程度あれば、食事を済ませて選手村に帰ることができるため、多くの選手が訪れ、8割程度の選手が一度はここを利用していたそう。
メニューは、ごはんものや鍋、スープに温麺などの炭水化物とサプリメントがメイン。日々の食事で足りない栄養素を補う補食を主目的としているため、軽めのものが多くなっています。タンパク質などメインの食事は選手村の食堂で取り、足りない栄養素の摂取やカーボローディングのような試合に向けたピーキングのために「G-Road Station」を使う選手が多かったようです。
また、「G-Road Station」は、栄養面のサポートだけでなく、日本を感じられる場所、リラックスする場所としての役割も期待されていました。主な食材は現地調達をしていましたが、例えば日本人の主食である米についてはスタッフがさまざまな種類の米を試食し、もっとも日本米の食感に近いものを提供。スタッフも「おかえり」や「いってらっしゃい」などの声かけを意識しており、リオデジャネイロにおける“我が家”のような雰囲気を作り出していました。
部屋の中には同施設を利用した選手たちによる寄せ書きがあり、そこには食事面だけでなく気持ちのこもったおもてなしに対する感謝の言葉がつづられていました。こうした心身両面へのサポート。日本のメダルラッシュの裏には、こういった影の努力があるのです。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS