オリンピックデー・フェスタの10年
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19︳オリンピックデー・フェスタの10年ることができそうだな、となってきた夏頃だったと思います。オリンピックデー・フェスタのお話をいただきました。避難所では運動することなどまったく考えられない状況でしたので、そろそろ体を動かしたいという欲求が住民のみなさんの間で高まっている時期でもありました。私の仕事がスポーツ関係ということから、スポーツを通して町を元気にしていきたいと考えていたので、このお話を聞いたときは即答でお返事させていただいたと記憶しています。同時に、避難所を見回る生活から、本来のスポーツ業務に携われるということで、震災後の生活もハードからソフトへの移行を感じました。 運営につきましては、デー・フェスタのスタッフのみなさんがほとんどやってくださったので、私は楽しんでいましたね。一度、参加者として楽しみたいとちゃんと応募して参加したのですが、結局、スタッフをやらされました(笑)。 人を笑顔にすることはパワーがいることです。しかしながら、その笑顔がなにより大切である、ということを教えてくれた場所がこのデー・フェスタでした。私にとって、笑顔の大切さの原点を感じさせてくれた。デー・フェスタでみなさんが見せた笑顔は、忘れられない思い出です。本当に子どもからお年寄りまで、みんなが楽しみにしていました。 また被災地訪問では、1年前の町の姿、今年の姿と、オリンピアンのみなさんに復興の歩みを見ていただき、風化しがちな震災のことをみなさんの手で発信してくださっていることにも感謝しています。 デー・フェスタを振り返ると、『感動〜感情を動かしてくれるもの』だったと思います。被災直後はみな、感情が止まった状態でした。そんなときにみなさんがやってきて元気を送ってくれ、止まった感情を動かしてくれた。それが1年1年積み重なって、心震える喜び、大きな感動につながっていったと思っています。本当に素晴らしい企画、素晴らしいイベントでした。それを10年続けたくださったことに感謝していますし、またなんらかの形で続けていただけたらと願っています。笑顔の大切さを教えてくれた場所大槌町役場 元担当RAY LAB合同会社CEO 平舘 豊 仮設住宅ができ、そろそろ避難所生活から移開催地から岩手県

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