17︳オリンピックデー・フェスタの10年オリンピアンとのふれあいで夢や希望が持てるようになるそれがこの活動の力NPO法人いーはとーぶスポーツクラブゼネラルマネージャー 村里 洋子 震災直後から、被害を受けた県内沿岸部にスキーウエアなどの物資を届ける活動をしていました。それが少し落ち着いた頃、〝一時でも心の癒しになるようなことがスポーツを通じてできたら〟と考え、震災の年、総合型地域スポーツクラブを立ち上げました。 これから活動していこう、というちょうどそのとき、日本オリンピック委員会から『オリンピックデー・フェスタ』という素敵なお話をいただきました。なんともありがたく、これはぜひ頑張らせていただきたい、と思うと同時に、子どもたちの喜ぶ顔を想像し、思わず〝ニヤニヤ〟してしまいました(笑)。 初のデー・フェスタは年が明けた2月4、5日に行われ、大船渡や陸前高田など沿岸部の被災地から約300人の子どもたちが集まりました。会場となったのは、雫石スキー場。ここは1993年、アジア初となるアルペンスキー世界選手権が開催されたスキー場ということもあり、なんと海外から2人のメダリストが参加。日本人オリンピアン6人と共演するという、盛大なものとなりました。どれほど豪華なメンバーが一緒に時間を過ごしてくれているのか、子どもたちはまるでわかっていない様子でしたが、どの子も目をキラキラさせ、笑顔を見せていました。被災地の厳しい現実からしばし離れ、子どもらしく振舞っている姿に救われる思いでした。 この雫石スキー場では、合計3回のデー・フェスタを開催していただきました。2020年夏季大会の開催都市を決定する国際オリンピック委員会総会では、このときの映像が流れたと聞き、とても誇りに感じております。デー・フェスタのおかげで、競技の枠を超えた新たなネットーワークも築くことができました。 そしてなにより、世界で活躍された素晴らしいアスリートと子どもたちが実際に触れ合うことで、子どもたちが目標や夢、希望を持てるようになる―そこにこの活動の力を感じました。手県岩開催地から
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