ロンドン2012オリンピックで銀メダル、東京2020オリンピックでは2個の銅メダルを獲得した古川高晴選手。失いかけていた自信を取り戻した杭州アジア大会、そしてパリ2024オリンピックへの想いを語る(インタビューは杭州アジア大会期間中に実施)。
アジア競技大会も総合大会で、オリンピックと似ているところがあると思うので、来年のパリ2024オリンピックに向けた前哨戦というか、準備のための大会だと思っています。前回のジャカルタ・パレンバンアジア大会ではミックス男女混合で金メダルを獲ることができ、自信をつけて東京2020オリンピックに臨めたので、今回も今年得た経験を、しっかり自信を持って、来年のパリ2024オリンピックに繋げたいと思っています。
もうだいぶ他の選手と年齢が離れてきてしまっているのですが、年齢差というものは僕は特に意識していなくて、特に野田紗月選手(杭州アジア大会混合リカーブ団体で古川選手と共に銀メダル獲得)は一緒に普段練習している仲間ですので全くやりづらいとかはなく、むしろそんな年下と組めて、僕自身がまだ日本の第一人者というか、一番でいられることに自信を持っています。
目指すものはパリ2024オリンピックで金メダルを獲得することなのですが、その前にもたくさんの国際大会や国内の大会があるので、一つひとつ課題と目標を決めて、その目標を達成していけば来年のパリ2024オリンピックに良い形で繋がると思いますので、来年だけ見るのではなくて、目の前の試合を一つひとつやっていきたいと考えています。
変わらない部分もありますし、変わる部分もあります。変わらない部分というのは、僕はアーチェリーが大好きで、誰よりも好きで、誰よりも向上心を持って誰よりも努力している自信がありますし、だからこそここまで来ているのかなと思います。
変わる部分といえば、やはり僕もたくさん経験していって歳も重ねていって、身体が衰えていくと思うのですが、経験というものはどんどん増えていて、そのバランスで、昔はこうだったからその通りやればということが全く通用しなくなってきています。今回の杭州アジア大会も予選が悪くて自信を失くしかけていたのですが、大阪にいるコーチと話をしたりなどする中で『自信を持つ材料は自分の中にある』と感じました。今までたくさん経験してきた中で、その材料は全部持っていたので、本当にちょっと心を切り替えるだけで自信を持つことができたので、そういう意味では常にアーチェリーに向かう姿勢というものも変化していると思います。
東京2020オリンピックのとき、予選が本当に悪く、そこからでも銅メダル獲得まで行けたので、予選が悪くても結果を出せるという自信はありましたが、今回で『自信を失くしかけていたものが、また180度変わって自信を持つことができるんだな』というような自信になりました。
4年に一度の一番大きな大会で、アーチェリーで言えば世界選手権の方が規模は大きいのですが、メディアの注目度や応援していただけることなどが全く違います。オリンピックの方が遥かに注目度が高いので、その中でしっかり結果を出すことでたくさん注目していただいて、アーチェリーをやってみたいなとか、応援してみたい、もっと見たいという方が増えて、アーチェリーの普及に繋がればいいと思って頑張っています。