オリンピック憲章 Olympic Charter 1996年版 (財)日本オリンピック委員会
19.法的地位
- 1- オリンピック聖火とは、IOCの権限の下にオリンピアで点火される火をいう。
- 2- オリンピックのトーチとは、聖火のたいまつ、もしくはその上でオリンピックの聖火が燃えるレプリカを指す。
- 3- オリンピック聖火、およびオリンピックのトーチの使用に関する権利は、いかなる種類の権利もすべてIOCが所有する。
20.委員
1- 選出
- 1.1 IOCは、その資格をもつとIOCが判断した人物のなかから、委員を選出する。委員は、IOCが公認したNOCが存在する国の国民であり、なおかつその国に法律上の住所もしくは活動の中心をおく者でなければならない。さらに、このような人物は、IOCの会議で使用される言語のうち少なくとも1か国語を話せなければならない。
- 1.2 1つの国からは1人しか委員を選出することはできない。 しかしながら、IOCは、オリンピアード競技大会またはオリンピック冬季競技大会を開催したことのある国においては、2人目の委員を選出することができる。
- 1.3 さらに会長は、総会において国籍、所住地を問わず10名以内の委員の選任を提案できる。その選任にあたっては、以下の点を遵守する。
- 1.3.1 該当する人物の役割によるもの、或は、
- 1.3.2 特別な資格によるもの
選任されたいかなる委員も、以下の状況においては投票への参加を慎まなければならない。
-オリンピック競技大会開催都市の選定に関する投票を行う時、その委員の国籍の国の都市が候補となっている場合
-総会、オリンピック・コングレス、あるいは他の会議、イベントの開催地の選定に関する投票を行う時、その委員の国籍の国の都市又はその他の公共企業体が候補となっている場合
-国際オリンピック委員会の委員の選出に関する投票を行う時、候補者がその委員と同じ国籍の場合
-IOC理事会の役職或いはそれ以外の役職への選出に関する投票を行うとき、候補者がその委員と同じ国籍の場合
-それ以外の事項で、その委員の国籍の国のこと、或いはその国のNOCに関する投票を行う場合
不確かな場合には、会長が当該委員が投票に加わるかどうかについて決定を行う。
どのような場合でも委員の数は11人以上であってはならない。
- 1.4 IOCは、セレモニーにおいて彼らを委員として承認する。 委員は、セレモニーの間に下記の宣誓をおこなうことによって、委員の義務を遂行することに同意する: 「国際オリンピック委員会の1員となる名誉、および、わが国・・・・・・で国際オリンピック委員会を代表する名誉をあたえられた私は、IOCの委員としての自分の責任を自覚し、力のおよぶかぎり最善をつくして、オリンピック・ムーブメントのために働くことを約束し、オリンピック憲章およびIOCの決議─これは、私の方から異論をとなえる対象となるものではないと私は考えます─のすべてを尊重すること、および尊重させることを確約し、いかなる政治もしくは営利上の影響力からも左右されず、さらにいかなる人種もしくは宗教上の考えからも自分を自由に保ち、どのような状況においてもIOCおよびオリンピック・ムーブメントの利益を守ることを誓います。」
- 1.5 IOC委員は、それぞれの国においてIOCを代表する者であって、IOC内では自国を代表するものではない。
- 1.6 IOC委員は、政府、団体、もしくはその他の法人、または自然人などから、自らを拘束する恐れ、もしくは自らの行動および投票の自由を妨げる恐れのあるいかなる権限の委託をも受諾してはならない。
- 1.7 少なくとも10年間IOCの委員をつとめたのち、年齢、健康、その他IOC理事会が認めるなんらかの理由によって引退する委員は、すべて名誉委員になるものとする。 名誉委員は、IOCを代表して、それぞれの活動をつづけることができる。もはや投票権をもたなくなること以外には、彼らの身分は変わらない。オリンピック競技大会、オリンピック・コングレス、IOC総会に出席するように招待され、そこでは各自のための場所が確保される。IOC会長からの要請があった際には、名誉委員は助言をおこなう。 名誉委員には、オリンピック・オーダー(勲章)が授与されることもある。
- 1.8 IOC委員は、IOCの債務や義務に対して個人的に責任を問われることはない。