スポーツと環境に関するトリノ決議
スポーツと環境に関するトリノ決議
2003年12月2日−3日イタリア、トリノ
第5回IOCスポーツと環境世界会議に出席した80以上の 国内オリンピック委員会、20の 国際競技連盟、2006年トリノ・オリンピック組織委員会を含む8のオリンピック組織委員会、オリンピック立候補都市、IOC代表、パラリンピック委員会、国連環境計画、スポーツ・リクリエーション催事組織者、環境団体、研究機関、政府機関とオリンピック運動推進者、メディア、これら参加者は今世界会議のテーマに則り、オリンピック運動と世界のスポーツ界がスポーツとレジャー活動において環境保全の持続的手法を実施するため、特に「持続可能な開発に向けての協働体制(Partnerships for Sustainable Development)」の確立、維持、育成を通じて次の8つのステップが鍵であることを確定する。
1. 持続可能な開発(環境保全活動)と連帯の手法としてのスポーツ
- 発展途上国のNOCにはスポーツを介して持続可能な開発(環境保全活動)が促進される機会であることを明らかにして、NOCを援助し、各国が最優先のその努力を表明し、適正に開発された行動計画を手引き一覧として提供すること。
- オリンピック連帯プログラムを通じてIOCスポーツと環境委員会は各国NOCにスポーツと環境計画の規定と実施を援助すること。
- IOCはパートナーと共に、国レベルの実施可能な計画のガイドラインを開発し提供すること。
- スポーツが世界社会経済の優先事項である貧困救済とHIV/AIDS拡散阻止;社会正義、人類の生活向上、男女平等などの促進に役立つ事を表明する
2. 選手の役割:選手による環境メッセージの展開
- 持続可能性や環境保護の重要性の促進や連携によって教育や啓発に選手や選手団体の有効な役割を最大化すること
- 地域社会へ向けての環境保全メッセージの発信活動に参加する模範として選手は招待され励まされるべきである
3. 環境に配慮したスポーツ・イベント:コミュニティーレベルの協働
- 計画当初から組織委員会と都市や国の機関や市民社会との有効なパートナーシップがスポーツ・イベントの環境保全の成果には重要である
- 協働を確立するために模範としての選手の役割は安全で健全な環境の促進のため開発されること
4. 競技場の環境配慮デザイン
- 環境を尊重した競技場デザインはオリンピック・パラリンピックの持続可能な開発を引き継ぐために不可欠な要素である
- 競技場の持続可能な開発を環境の改善とともに進めるため地域社会の人々との相互理解を強化すること
5. イベントの後:環境活動の引継ぎ
オリンピックを始めコモンウェルスやFIFA WCのような大規模なスポーツ・イベントの環境活動に関する引継ぎは大会ごとにより確実に向上しつつある
- 組織委員会は地域社会、地域の政府機関、民間機関を含む全ての関係者との強力な関係を構築すること
- 環境保全に関する全ての知識・手法は開催都市間で引継がれ、また大会後もその都市で継続されること
6. スポーツと環境のマーケティング・パートナーシップ
社会やオリンピック開催にとって環境問題は大変重要な要素になってきている中、環境に配慮した事業推進やスポンサーのイメージを向上にオリンピックはユニークなショーケースになりうる
- サービス提供者やスポンサーが、後で問題が起こることを避けるために最初の段階から環境方針や環境保全活動の支援を保証することは絶対に必要である
- 強力な環境プログラムや環境に配慮した製品やサービスを構築する機会を作るために組織委員会とスポンサーの間の緊密な関係は不可欠である
7. スポーツ・イベントの環境保全実効性の測定と監視
- スポーツ・イベントの環境会計や環境報告はIOCと開催都市両者の大きな挑戦であることを表明する
- 環境、社会、経済の統合された情報が影響する経営手法や意思決定手法は全オリンピック大会の有効な引継ぎに重要である
- このような状況下でIOCのOGGIプロジェクトの更なる発展はスポーツ・イベントの全ての環境保全実効性に重要な意味を成す
8. スポーツ・イベントに関わる製品やサービスの環境配慮の促進
環境保全実効性は強化されてスポーツ・イベントや施設に関連する提供物、製品やサービスなど全ての「プロダクト・チェイン」が促進された時に最大の成果が得られる
- 組織委員会は環境保全実効性の目的や優先性を明確に規定しそしてそれらが内部・外部に周知徹底されなければならない。適切な指示と意思決定システムが環境保全に強い効果を上げるためにパートナー(特に製品やサービスの提供者)を先導すること
- グリーン調達の方針と手法はスポーツに関わる公共機関や全てのパートナーに広く行き渡らせる事