JOC OLYMPIAN 2023
9/28

――東京2020オリンピックでは、初のオリンピック挑戦でしたが、2個の金メダルと1個の銀メダルを獲得され、このOLYMPIANでもお話を伺いました。あらためて当時を振り返ってみて、オリンピックという舞台をどのように感じましたか。 橋 本 ――オリンピックを含めていろいろな経験を積み重ねてきた中で、成長を感じていることはありますか。オリンピックはスポーツ界の中でも最も大きな祭典といわれていて、注目される度合いも大きいです。毎年日本代表に選ばれて世界大会に出場しますが、オリンピックでは応援されていることを特別に強く感じました。僕は日頃プレッシャーをあまり感じることがないのですが、試合が終わり、オリンピックチャンピオンになってホッとした感覚があり、実は意外とプレッシャーを感じていたのかもしれないと思いました。結果を出したことで、周囲の変化  9たり、取材をしていただくことも増を感じました。本当に大事にしてもらっている感じがするので、逆にそれで僕もつい気を遣ってしまうということもあります(笑)。たくさんのメッセージをいただいたり、いろいろなことに挑戦する機会をいただいえました。これは、体操競技やスポーツを広めることに貢献できるのでうれしいこと。これがオリンピックチャンピオンになるということなのだと実感しています。 橋 本 ――いよいよ、パリ2024オリンピックが開催されます。橋本選手の意気込みを聞かせていただけますか。 橋 本 の演技に自信がついてきたとは感じています。東京2020オリンピック以前は、挑戦者という立場で挑んでいました。オリンピックをはじめ、数多くの試合で結果を出せるようになったからこそ、少しずつ心の余裕が生まれ、演技だけでなく精神的な面でも成長できていると思います。ンピックはもう2年前の出来事で、パリ2024オリンピックはもう来年に迫っています。時の流れをものすごく早く感じます。ただ、1年1年焦らずやっていこうと思っていますし、今さら焦ってもかえってケガなどにつながりかねないので、代表選考まで落ち着いて競技と向き合っていきたいと思っています。パリ2024オリンピックでは、個人総合と種目別鉄棒での金メダルを獲得して連覇を実現し、そして東京2020オリンピックで逃した団体総合での金メダルを確実にとって3冠を達成したいと思っています。とくに、個人総合と団体総合は絶対金メダルをとる気持ちで、今後も練習に取り組んでいきたいです。数々の試合を経験して、自分気づけば、東京2020オリオリンピック後の周囲の変化REUTERS/AFLO全文はこちら※本インタビューは2023年5月2日に行われたものです。はしもと・だいき/2001年8月7日生まれ。千葉県出身。兄の影響で6歳から体操を始める。18年、全日本ジュニア選手権団体で優勝。19年、世界選手権団体総合で銅メダル獲得。同年、体操個人総合スーパーファイナル個人総合で優勝を果たす。21年、全日本個人総合選手権で初優勝。同年、全日本体操種目別選手権鉄棒決勝では内村航平選手を抑え優勝。東京2020オリンピックでは史上最年少で個人総合を制覇、種目別鉄棒でも金メダル、団体総合では銀メダルを獲得した。22年6月、TEAM JAPANシンボルアスリートに選出される。同年、世界選手権では個人総合金メダルを獲得。オリンピックとの個人総合2冠達成は、日本では内村選手に次ぐ2人目の快挙となった。順天堂大学所属。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る