22スケートボードを愛する仲間たち今大会、追加種目として採用されたスケートボード。女子パーク決勝でのワンシーンが世界中を感動に包む大きな話題となった。世界ランキング1位で臨んだ15歳の岡本碧優選手は、予選を1位で通過しメダルへの期待も高まったが、最終ランで最後のトリックを決めることができずに転倒、4位という結果になった。転んでしまい悲しげな表情を見せる岡本選手のもとに、ともに戦った選手たちが声をかけながら次々に駆け寄る。そして、最後まで果敢に攻めの滑りを続けたその姿勢をたたえると、ポピー・オルセン選手(オーストラリア)とブライス・ウェットスタイン選手(アメリカ)が彼女を抱え上げたのである。勝敗や順位を超え、スケートボードを心から愛する仲間たちによる熱き友情が生み出した美しい光景がそこにはあった。 日本代表選手団のメダルラッシュに湧いた東京2020大会。私たちの心を動かしたのはメダリストばかりではない。オリンピックの理念・オリンピズムは、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でより良い世界の実現に貢献すること」とされる。勝敗や記録を超えたところにあるスポーツ本来の価値を感じさせるアスリートたちの美しきふるまいに世界が心打たれた。オリンピック・パラリンピックのもう一つの名場面を写真で振り返る。心も美しきアスリートたちThe Beauty of OlympismEpisode 1オリンピズムに彩られた東京2020大会、メダルを超えた名シーンPhoto/PHOTO KISHIMOTOPhoto/PHOTO KISHIMOTO
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