OLYMPIAN2019
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07——瀬戸選手はポジティブシンキングのスペシャリストですね。瀬戸 そうですね(笑)。ポジティブシンキングについては、かなり上の方にいるとは思います。——リオデジャネイロオリンピックの後、ご結婚もされてご家族も増えました。瀬戸 家族の存在は大きなパワーになりますし、人間としての覚悟もできました。最近は通信環境も良いので、離れていてもコミュニケーションがとれるのはありがたいですね。先日は、家族で伊豆旅行をしてきたのですが、すごく充実感がありました。自分の選んで来た道が正解だと信じて生きていして、いい話題を作れるように頑張ります。全ては金メダルのため——瀬戸選手が感じる競泳の魅力とは何でしょう。瀬戸 自分が練習した分だけ自分に返ってくるところです。相手がどうこうではなく、自分が努力することでタイムが速くなり、良い結果に結びついていく。本当に単純ですが、すごく気持ちいいスポーツだと思います。——日本代表選手団として日の丸を背負って戦う重圧はありませんか。瀬戸 プレッシャーは全くありません。自分たちは泳ぐのが速いからこそ代表に選ばれるわけですし、選ばれた以上、精いっぱい全力で泳ぎきればばいいだけだと思っています。——一方で、つらい練習から逃げ出したくなることはないですか。瀬戸 それはあります(笑)。リオデジャネイロオリンピック前までは、今日はつらいからサボって、明日また頑張ればいいと思うことがありました。だからこそ、金メダリストの器ではなかったと思っています。今では、逃げたいと感じた瞬間、「ここが強くなるところだ」と考えるようにしています。東京オリンピックで金メダルをとるために、思いつくことは全てやり尽くしていきたいですね。——リオデジャネイロオリンピックは、瀬戸選手が飛躍するきっかけだったのかもしれませんね。瀬戸 本当にその通りだと思います。結果がいい時はそれを勢いにしたいですし、ダメな時は原因を考えることで成長につながるヒントも得られます。結果が良くても悪くても、アスリートとしていいとこ取りをする気持ちで進んでいきたいと考えています。 そして東京オリンピックで金メダルをとれた時、「あれは全て金メダルのための土台だった」というふうに感じると思います。今、自分が考えている通りに全て準備できれば、必ず金メダルがとれると信じているので、自分でも楽しみです。ますし、本当にいい環境を作れているので、いいパフォーマンスにつなげていきたいですね。——東京2020大会、そしてその先に向けて意気込みを聞かせてください。瀬戸 目標にしているオリンピックの金メダルにはお金で買えない価値があると思っています。自分自身、そこに向けて「やり尽くした」と思えるように準備していきます。東京オリンピックが終わった後のことは、その時に感じた気持ちでまた考えたいです。自分の夢をかなえてこそ真の男、東京オリンピックで燃え尽きるつもりで全てを捧げたいと思います。瀬戸 大也(せと・だいや)1994年5月24日生まれ。埼玉県出身。小学生から水泳/競泳の全国大会に出場し、個人メドレー、バタフライ、自由形、平泳ぎ、背泳ぎと全泳法で全国大会の優勝を経験。2008年全国JOCジュニアオリンピックカップ水泳競技大会男子400m個人メドレーでは日本中学新記録(当時)でライバル・萩野公介選手を破り優勝。世界選手権では13年、15年と連覇を達成。16年リオデジャネイロオリンピックでは男子400m個人メドレーで銅メダルを獲得、200mバタフライ5位入賞を果たす。JOCシンボルアスリート。ANA/JSS毛呂山スイミングスクール所属。
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