OLYMPIAN2019
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Atsunori 17自分がいる。オリンピックが自国・東京で開催されるのですから、野球に限らずどのスポーツ関係者も絶対金メダルをとりたいと思っているはずですよね。このプレッシャーというのは、私が出場した北京オリンピックとはまた違うのかなと思っています。それを味わえることはすごく光栄に思いますし、やってやろうという強い気持ちを持っています。(つづく)※このインタビューの全文はJOC公式ウェブサイトでお読みいただけます。作るためにはバッテリー、特にピッチャーが一番大事になる。だからこそ、バッテリーには特に気を使っています。自分が経験したポジションではないため、なかなか気持ちを分かってあげづらいからこそ、ピッチングコーチや選手たちとコミュニケーションをしっかりとるように意識しています。ワクワクする気持ちを大切に——対戦相手は自分を倒そうとする人だけれども、その相手がいるからこそスポーツを楽しむことができる。そして相手と理解し合うことで、国際平和につながっていく。このようなオリンピズムに通じる精神を、できる限り理解し伝えていこうとする稲葉監督の思いを感じます。稲葉 当然ライバルを倒さなければ勝てないわけですが、試合が終わると、いいゲームだったとお互いリスペクトする気持ちが生まれます。だから国際大会や強化試合を含めて、試合が終わったら必ずみんなと握手するようにしています。ライバルだからと憎むのではなく、勝っても負けてもお互いをたたえ合い、さらなるレベルアップにつなげていくことこそがスポーツの素晴らしさです。オリンピックでは競技の垣根を越えて、「この選手を見た」「あの選手と会話した」というようなコミュニケーションが生まれますよね。それも、まさにオリンピックの素晴らしさだと思います。——東京2020大会で野球競技が行われるということでますます注目を集めています。プレッシャーや喜びを感じていますか。稲葉 最初に侍ジャパンの監督要請を受けた時、野球を始めた時と同じような気持ちで、すごく楽しみでワクワクしました。それが、日が経つにつれてプレッシャーに変わっていくわけです(笑)。でも、一番忘れてはいけないのがワクワク感だと思っています。われわれがワクワクした気持ちで試合に臨まないと見ている方たちに野球の楽しさが伝わらないですし、見ている方も苦しくなってしまいますよね。緊張感もあるし、負けられないプレッシャーもあるし、真剣勝負も見せなければいけない。そして同時に、スポーツの楽しさや素晴らしさを伝えていかなくてはいけない。「初心忘るべからず」という言葉がありますが、ワクワク感を自分の中で持とうとしている稲葉 篤紀(いなば・あつのり)1972年8月3日生まれ。愛知県出身。小学1年から野球を始め、中京高校、法政大学と進学。94年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。3度の日本一に貢献。2005年に北海道日本ハムファイターズへ移籍。4度のリーグ優勝に貢献し、06年には日本一になった。08年北京オリンピックでは4位入賞を果たし、09年ワールドベースボールクラシック(WBC)では日本代表の連覇に貢献した。14年現役引退。15年より野球日本代表「侍ジャパン」のコーチに就任、17年7月より同監督就任。北海道日本ハムファイターズスポーツ・コミュニティ・オフィサー (SCO)を務める。 つづきはこちらから▼

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