日本オリンピック委員会(JOC)は6月12日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「平成29年度JOCナショナルコーチアカデミー開講式」を開催しました。
JOCナショナルコーチアカデミーは、オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を育成・指導する真のエリートコーチや各種スタッフの養成を目的としており、平成29年に策定された「第2期スポーツ基本計画」に明示され、JOCの長期的国際競技力向上計画の一環として位置づけられています。今年度のアカデミーは各競技団体から49名の指導者が受講します。
主催者を代表して挨拶に立った星野一朗JOC選手強化担当理事は、本アカデミーの位置付けや概要を説明。そして、「ぜひ皆さんにはこのプログラムを通じて指導ということが人材育成の一環であると意識していただきながら、競技力の強化に当たってほしいと思います。『アスリートファースト』という言葉がありますが、実際には指導者の皆さんには選手たちの半歩、一歩、二歩でも先を行く指導を研究いただき、実践していただきたいと思います」とメッセージを送りました。
続いて、来賓代表として登壇したスポーツ庁の籾井圭子競技スポーツ課長は、昨年10月に競技力強化のための今後の支援方針「鈴木プラン」を策定し、ワールドクラスのコーチを育成するハイパフォーマンス統括人材の支援強化など、東京2020大会以降も見据えた持続可能な支援体制の構築を目指した支援方針を打ち出したこと、また3月には実施に当たっての事業計画をまとめたことを報告。その上で、「このアカデミーに参加される皆さんには、ご自身のコーチング能力を磨いていただくのはもちろんのことですが、それぞれの競技においてそれぞれ違った立場での悩みや戦略的な思考をお持ちですので、この機会にぜひ他の競技のコーチ、スタッフの皆さんとチームジャパンの絆を深めていただきますようお願い申し上げます」と呼びかけました。
受講者を代表して、日本ソフトボール協会選手強化本部会強化育成部委員の宇津木麗華女子TOP日本代表チームヘッドコーチが所信表明を行い、「私自身がこのような素晴らしい指導者の方々と一緒に講義を受けられることに大変感謝しております。日本のために東京オリンピックで金メダル獲得を目標に、このアカデミーで私たち指導者がレベルアップし、その一つ一つを選手たちに伝えていけるように努力していきます。この8週間、ここにいる皆さまと力を合わせて日々向上し、挑戦していきます。ご指導のほどよろしくお願いいたします」と意気込みを語りました。
本アカデミーは、(1)オリンピック日本代表選手団の一員としての品性・資質を兼ね備えた真のトップコーチを育成する『エリート(elite)』、(2)職業観・倫理観・社会的責任において、専門家としての誇りを持つコーチを養成する『プロフェッショナル(professional)』、(3)日本としての戦い方を追求するとともに、「国際基準」を踏まえた戦略、強化指導を行うことができ国際舞台で勝負ができるコーチを養成する『インターナショナル(international)』、(4)知識や情報の一方通行ではなく、受講者と講師、受講者間の双方向による情報交換を主体とし、また指導現場において選手及び指導者間との双方向を意識できる指導者を養成する『インタラクティブ(interactive)』、(5)競技及びスポーツの枠を超えた交流・連携を通し、日本スポーツ界及び日本社会の発展を目指す『チームニッポン(Team NIPPON)』の5つのコンセプトを掲げており、今年度は同日から7月6日及び9月4日から9月29日の期間、実施されます。
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