日本オリンピック委員会(JOC)は2日、「平成29年度JOCエリートアカデミー入校式」を味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。
JOCエリートアカデミー(以下、エリートアカデミー)は、将来オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を育成するための事業。味の素トレセンを生活拠点に「競技力」の向上はもちろん、コミュニケーションスキルや語学力などの「知的能力」、共同生活をおくることでの「生活力」を身に付け、スポーツを通して社会の発展に貢献できる人材を育成することを目的としています。
今年度入校した10期生はレスリングの髙橋海大くんと眞柄美和さん、卓球の木原美悠さん、ライフル射撃の佐藤琳さん、今年度からの新規加入競技であるボートの松田京子さんと青木洋樹くん、同じく新たに加わったアーチェリーの渡邉麻央さん、髙見愛佳さん、髙見朋夏さん、園田稚さんの10人で、アカデミー生の合計は7競技34人になりました。入校生は1人ずつ名前を呼ばれて元気よく入場。家族や関係者、JOC、スポーツ庁、競技団体、学校関係者、エリートアカデミー在校生らに見守られ、新しい生活をスタートさせました。
主催者を代表して挨拶に立った平岡英介JOC専務理事はトレーニング、栄養面や生活面での指導、英会話など、競技者として必要な様々なスキルを学ぶ上で「スタッフの方々と相談しながら、何事にも積極に取り組んでもらいたい」と述べました。そして「最初は不安なこと、うまくいかないこと、いろいろあると思いますが、日々を大切にして、同じ志を持った仲間たちと助け合いながら、目標に向かって歩んでいってほしいと思います」と激励しました。
続いて、来賓を代表してスポーツ庁競技スポーツ課の平井明成スポーツ統括官が祝辞を述べ、「東京2020大会をはじめ、多くの国際大会で活躍されることをわれわれをはじめ、多くの方々が期待しています。ぜひ、ここでの一日一日を大切に過ごしていただきたいと思います」とエールを送りました。
その後、在校生を代表して今年度のキャプテンを務める上田ゆいさん(ライフル射撃)が歓迎の言葉を送りました。上田さんは、入校当初は慣れない集団生活に不安を感じていたものの、仲間の活躍に刺激を受け、行動を変える努力ができるようになったという経験談を共有しました。そして、「時には深く悩み、迷うこともあるかもしれません。そんな時は私たち先輩に聞いてください。一人で抱え込まず、競技を超えて切磋琢磨し、34人で絆の強いチームを作っていきましょう」と呼びかけました。
最後に、10人の入校生が自己紹介と決意表明を行いました。名前を呼ばれた入校生は、緊張した面持ちながらも、将来の目標やアカデミーで学びたいことをそれぞれの言葉で力強く発表し、出席者から温かい拍手が送られました。
【第10期生一覧】
■髙橋 海大(たかはし こうた)
競技:レスリング
出身:静岡県
学校:北区立稲付中学校
学年:2年
「エリートアカデミーに入った理由は人間力を鍛え、レスリングではオリンピックという大きな舞台に立ち優勝するという夢をかなえるためです。そのために練習では先輩方についていき、たくさんの練習を重ねていきたいです。挨拶や返事がしっかりとできる選手になりたいです」
■眞柄 美和(まがら みわ)
競技:レスリング
出身:三重県
学校:北区立稲付中学校
学年:1年
「私がエリートアカデミーに入って一番学びたいことは練習を通じてレスリングで強くなることです。たくさんの技のコツや基礎を教わり、磨いていって得意技にしたり自分のレスリングにしたいです。そして、先輩のようなオリンピックに出て優勝できるほどの強い選手になり、家族やコーチの方々に恩返ししたいです」
■木原 美悠(きはら みゆう)
競技:卓球
出身:兵庫県
学校:北区立稲付中学校
学年:1年
「私がエリートアカデミーに入って頑張りたいことは、人間力を上げることです。生活面では、先輩に教えてもらったルールをしっかりと守り、アカデミー生としての自覚を持ち、人間的に成長していきたいです。最終目標はオリンピックに出場して金メダルを獲得することです。そのためにはオリンピックや世界選手権のような大きな舞台をイメージして、毎日意識を高く持って練習していきたいです」
■佐藤 琳(さとう りん)
競技:ライフル射撃
出身:山形県
学校:北区立稲付中学校
学年:3年
「私はオリンピックで金メダルを獲得するという目標のために、エリートアカデミーで考える力をたくさん吸収して、文武両道を目指します。そして支えてくださる方々への感謝や競技の楽しさを忘れず、世界で活躍するアスリートを目指します」
■松田 京子(まつだ きょうこ)
競技:ボート
出身:福岡県
学校:成立学園高等学校
学年:1年
「私は、競技力の向上だけでなく人として成長し、たくさんの方に応援していただけるようなアスリートになるためにここに来ました。ボート競技は今年から加わった新しい競技で分からないことも多く、不安はありますが、何事にも積極的に挑戦し、ボート競技で初めてのメダリストになれるよう頑張ります。関わってくださるすべての方々への感謝の気持ちを忘れず、結果で恩返しができるよう、頑張ります」
■青木 洋樹(あおき ひろき)
競技:ボート
出身:東京都
学校:成立学園高等学校
学年:1年
「今、ここに立てていること、ボート競技ができていることに誇りを持ち、支えてくださる家族、コーチ、スタッフの皆様に心から感謝しています。『小さなことを積み重ねることが、とてつもないところへ行くただひとつの道だ』というイチロー選手の言葉があるように、自分に厳しく、一日一日の小さな成長を積み上げていき、世界で戦える選手になれるよう精いっぱい頑張っていきます」
■渡邉 麻央(わたなべ まお)
競技:アーチェリー
出身:静岡県
学校:北区立稲付中学校
学年:3年
「私は、この素晴らしい環境の中で、アーチェリーだけではなく英会話や挨拶も頑張ります。そして将来は世界で活躍できる選手になり、オリンピックで金メダルを取れるよう努力していきます」
■髙見 愛佳(たかみ あいか)
競技:アーチェリー
出身:長崎県
学校:東京都立足立新田高等学校
学年:1年
「エリートアカデミーでは素晴らしい環境とコーチのもと練習ができるので、とてもワクワクしています。これからは今まで以上に苦しい練習になると思いますが、仲間とともに切磋琢磨しながら競技力を向上させていきたいです。また、挨拶やマナーなどを徹底することで一人の人間としても成長し、周りからも応援してもらえる、感謝の気持ちも忘れない選手になりたいです。将来オリンピックでメダルを取れるよう日々努力していきます」
■髙見 朋夏(たかみ ともか)
競技:アーチェリー
出身:長崎県
学校:東京都立足立新田高等学校
学年:1年
「私は、3年間で勉強や日常生活で努力を怠ることなく過ごし、競技力を高めていきたいと思っています。小学校5年生の時からアーチェリーを始め、決まったコーチがいない環境下で今まで練習してきました。しかし、自分たちだけでやるには限度があり、限界を感じていました。エリートアカデミーには素晴らしいコーチの方々がいらっしゃる上に、環境が完璧に整っています。この3年間で人間力を高め、オリンピックに出場できるように努力していきます。まだ未熟ですが人間的にも、競技の面でも成長できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします」
■園田 稚(そのだ わか)
競技:アーチェリー
出身:大分県
学校:北区立稲付中学校
学年:3年
「私は、誰からも尊敬される選手になりたいです。そのためには競技力だけでなく、毎日の勉強では苦手教科の克服に取り組み、規則正しい生活を送れるよう、早寝早起きを心がけ、日常生活にも力を入れて人間力を高めていきたいです。そして、世界で活躍できる選手になれるよう頑張ります」
※この活動はスポーツ振興くじの助成金を受けて実施されています。
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