日本オリンピック委員会(JOC)は11月30日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の第3回アスナビ交流会を行いました。
アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに内定者を含め64社/団体91名(2015年12月1日時点)の採用が決まりました。
今回の交流会は、平成24年度、26年度に続き3回目の開催。今後のアスナビの発展に向けた連携を図るため、「アスナビ」採用実績企業の担当者(33企業56名)と、JOC加盟競技団体の関係者(20団体28名)らが参加して、アスリート採用企業の取り組み事例の共有と課題解決に関する情報交換が行われました。
はじめに、ナショナルトレーニングセンター委員長を務める星野一朗JOC理事が主催者を代表してあいさつを行いました。アスナビを通じて複数の選手が就職をしたラグビー7人制女子日本代表が、前日にリオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得したニュースに触れた星野理事は、採用企業に感謝を述べるとともに交流会の趣旨を説明。「本日お集まりいただいた皆様はチームジャパンの一員だと我々は思っています。5年後に控えた東京2020大会を成功裏に収めるには、チームジャパンの皆様の総力を結集させていく必要があります。是非とも皆様のご理解とご協力をお願い致します」と更なる支援を呼びかけました。
続いて、八田茂JOCキャリアアカデミーディレクターが採用企業における選手の活用事例を紹介。入社した選手がどのような仕事を任されているか、販促、人事、広報などの職種ごとに説明するとともに、大会時の応援風景など選手のサポートについても具体的な事例を挙げました。
その後参加者は5つのグループに分かれ、「応援する力をどうまとめ、社内を盛り上げるか」「アスリート活用の今後の可能性」「競技団体から採用企業への要望」といったテーマをメインに分科会で情報交換を行いました。
分科会では採用の経緯や基準、所属部署や担当業務、勤務体系などの基本的な部分から、けがをした場合のフォロー、選手の活動をどのように社員に認知させるか、企業名や企業ロゴの露出がどこまで可能か、といった深いところまで、企業の担当者同士でさまざまな情報提供が行われました。また「海外での試合が多く社員が応援に行けないので、国内で同様の機会を作ってほしい」、「試合結果がすぐに伝わりにくいので、競技団体から積極的に情報発信してほしい」といった競技団体への要望も聞かれました。
一方、競技団体の担当者からは「選手が企業の支援や社員の理解を得るには、まず結果を出すことが大事」という意見が出たほか、「多くの企業に支援をいただき本当にありがたい。次のオリンピックではメダルを取れるチームを作る」という感謝の声も。リオデジャネイロ、平昌、東京と続くオリンピックを目指す選手たちの競技環境を整えるべく、各グループで活発な議論が交わされました。
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