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2023.01.17 選手強化

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
「令和4年度JOCインテグリティ教育事業 第6回基礎研修プログラム」を開催

 日本オリンピック委員会は12月26日、TEAM JAPANシンボルアスリートの阿部詩選手(柔道)をゲストにお招きし、初めてオリンピック強化指定選手に認定された選手を対象にオンラインで、「令和4年度JOCインテグリティ教育事業 第6回基礎研修プログラム」を開催しました。
 本プログラムは、オリンピック強化指定選手としての資質、インテグリティ(誠実さ、真摯さ、高潔さ)を高め、自らの価値、オリンピックの価値を守る知識と手段、正しい倫理観や道徳心を有するアスリートを育成し、アスリート自らがあるべき姿に気付き、なりたい姿を描き、必要なスキルを求め習得し、自ら行動変容を起こすことを目的に実施します。第6回目のプログラムには、今年度から初めて強化指定選手に選ばれた68名が参加しました。

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
尾縣貢JOC選手強化本部長からビデオメッセージ

■尾縣貢JOC選手強化本部長からメッセージ

 プログラム実施に先立ち、尾縣貢JOC選手強化本部長から「スポーツは決してアスリートだけでできるものではなく、様々な人の支えの上に存在します。この事実をしっかりと胸に刻み、感謝の気持ちのもと、日本を代表する選手としての行動が求められています。本研修を通じて、改めて自分の人間力と向き合っていただき、日本を代表する選手に求められているものを手に入れていただきたいと思います」と、激励のビデオメッセージが寄せられました。
 続いて、オープニングセッションとして本研修の司会を担当する上田大介JOC選手強化本部インテグリティ教育ディレクターが、研修の目的やインテグリティの意味、日本代表選手団の編成方針など解説。「人間力を向上して社会から信頼されるためには、既に社会から信頼を得ているアスリートの言動から学び、そこからヒントを得て行動に移していくことで達成できると思います」と呼びかけました。

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
ゲスト出演の阿部詩選手
【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
集合写真を撮影

■阿部詩選手「自分を見失わず、自分を信じて」

 次に、「Chat with Champions」と題し、TEAM JAPANシンボルアスリートで2020年東京オリンピック金メダリストの阿部詩選手(柔道)がゲスト出演。
 阿部選手は兄の阿部一二三選手の影響で柔道を始め、「中学1年生の頃、東京オリンピックの開催が決定した時、初めてオリンピックに行き、メダルをとりたいという目標ができました」と語りました。この目標を達成するために練習で意識したことについて問われると「13歳の時に東京オリンピックから逆算してあと7年間で自分をどうしていくか考えて、限界を超えるためのトレーニングを始めました。今まではこれぐらいでいいかと考えていた部分もあったのですが、それをなくして自分を追い込んで試合を意識しながら練習することです」と答えました。
 学生時代の誘惑とはどのように向き合ったのかという質問では「もちろん今日は練習したくないと思う日もあったのですが、それよりも練習して強くなりたいという気持ちの方が強かったです」と答え、乗り越えるコツについて「柔道着を着てやらざるを得ないようにすること」と話しました。
 オリンピックで金メダルを獲得した時について「今まで感じたことのないような思いだったことを覚えています。両親やずっとそばで応援してくれた方々の顔が浮かんできました」と心境を話しました。
 講演の最後にはオリンピックを目指す選手たちに向けて「日々苦しい練習をしていると思いますがしっかり自分を見失わず、自分を信じてパリオリンピックまで突っ走りましょう。私も頑張ります」とメッセージを送りました。

 続いて、アスリートディスカッションと題し、各グループに分かれて、「(1)どんなアスリートになりたいか」「(2)それをどうやって実現するか」「(3)それはなぜか」をテーマに、選手同士のディスカッションを実施しました。

 最後に、クロージングセッションと題し、上田JOCディレクターが社会からの信頼を確保するための行動として、アンチドーピングへの意識向上や、成人年齢の引き下げに伴う注意点を説明。さらに、リスクマネジメントの徹底として「自分の判断基準を持つ」ことの重要さを述べた上で「いつか皆さんがその競技に憧れたように、また皆さんを通じてその競技に憧れを持つ人を生み出していかなければなりません。それがトップアスリートに求められる一つの大きな使命です。その行動は夢を与えられる行動かをしっかりと考えながら判断していただきたいと思います」とアドバイスを送りました。

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
阿部詩選手
【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
川口莉子選手

■研修を終えた感想

 基礎研修プログラムの終了後、阿部詩選手に本日の感想や研修に参加した選手に向けてのメッセージ、また研修に参加した3名の選手に本日の学びや今後の目標を語っていただきました。

■阿部詩選手(柔道)
「数年前は聞く立場でしたが、今回は喋る側に回ったことで少し緊張しましたが、新鮮な気持ちで話すことができました。2022年は怪我から復帰し、世界選手権で優勝して5月の世界選手権の内定を決められたのですごく成長できた一年になったと思います。2023年はパリオリンピックに繋がる一年にしたいと思います。今後はJOCが掲げるスローガン、『人間力なくして競技力向上なし』ということを体現しながら、誰からも応援されるようなアスリートになりたいと思います」

■川口莉子選手(アイスホッケー)
「阿部詩選手のお話を聞いて、毎日の練習量や競技に対する考え方が参考になりました。また、オリンピックに出るためにアスリートとしての考えや自覚を持って練習に励んでいかなければいけないと感じ刺激を受けました。これからは周りの人から応援されるような選手になって、アイスホッケーをメジャーなスポーツにしていきたいと思います」

【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
原田周大選手
【JOCインテグリティ教育】令和4年度第6回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:阿部詩選手)
吉沢恋選手

■原田周大選手(ボクシング)
「グループディスカッションで異なる競技の方と話し、競技ごとの特徴やシーズン中の気持ちの作り方などいろいろな考えを聞くことができて刺激を受けました。2023年はアスリートとして自覚を持ち、日常の発言やSNSとの向き合い方をしっかり考えながら行動して、将来は人から憧れられるような選手になりたいと思います」

■吉沢恋選手(スケートボード)
「いろいろな競技の方と話して、競技をすることの素晴らしさや競技をするにあたって周りの方々に感謝するということはどの競技も共通しているんだな、と感じました。2022年は初めて強化選手に選ばれ、海外遠征や強化合宿を通じていろいろな選手と意見を共有しながら多くのことを学べた一年でした。将来的には世界大会で優勝することを目標にして練習に励んでいきたいと思います」

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