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2019.06.21 イベント

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
「オリンピックコンサート2019」を開催(写真:アフロスポーツ)
東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
これまでのオリンピックの名場面がスクリーンに映し出された(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月14日、東京国際フォーラムで「オリンピックコンサート2019」を開催しました。

 オリンピックコンサートは全世界で行われているオリンピックデーイベント(オリンピックデーは6月23日)の一環として日本独自に開催しているイベント。感動的なオリンピック映像と壮大なシンフォニーオーケストラの共演は、毎年多くの方にご好評いただいています。
 今年は「輝く夢に向かって」をテーマに、指揮は粟辻聡さん、演奏は「THE ORCHESTRA JAPAN」が担当。オリンピアンで俳優の藤本隆宏さん(水泳/競泳、1988年ソウルオリンピック・1992年バルセロナオリンピック出場)が8年連続でナビゲーターを務めました。

 1964年10月10日の東京オリンピック開会式で高らかに鳴り響いた今井光也作曲『オリンピック東京大会ファンファーレ』で幕が上がった今年のオリンピックコンサート。続いて、同じく東京1964大会開会式の選手入場行進の際に演奏された古関裕而作曲『オリンピック・マーチ』で、小林陵侑選手(スキー/ジャンプ)、喜友名諒選手(空手道)、紀平梨花選手(スケート/フィギュアスケート)ら、「平成30年度JOCスポーツ賞」の各賞を受賞した選手たちが入場しました。

 コンサートの本格的なスタートとなる3曲目はジュゼッペ・ヴェルディ作曲の歌劇『運命の力』序曲。オペラの傑作としても人気が高い名曲に乗せて、スクリーンでは日本が東京1964大会を通して世界に示した戦後からの真の復興の様子を当時の映像で紹介。高速道路や新幹線に代表される高度成長期の社会、旧国立競技場、聖火リレー、そして東京1964大会で活躍した日本人アスリートたちが次々と映し出されました。

 4曲目は、東京1964大会以降のメキシコオリンピックから前回のリオデジャネイロオリンピックにかけて世界中を熱狂させたアスリートたちの夢の軌跡をテーマに、映画『E.T.』からジョン・ウィリアムズ作曲『地上の冒険』が演奏されました。映画で描かれた異星人と地球の子供たちの時空を超えた交流のストーリーをなぞるように、映像でも歴代のアスリートたちによる名シーンが時を超えて共演。かつてのオリンピックの興奮がよみがえる演出で、第1部が終了しました。

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
小林陵侑選手(写真:フォート・キシモト)
東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
吉岡美帆選手(左)、吉田愛選手(写真:アフロスポーツ)

 第2部は、東京2020大会での日本代表選手の飛躍を願い書き下ろされた渡辺俊幸作曲『セレブレーション・ファンファーレ2020』でスタートしました。続いて、「平成30年度JOCスポーツ賞」受賞者表彰が行われ、受賞したアスリート等が登壇。代表して特別栄誉賞を受賞した小林選手が竹田恆和JOC会長より正賞・副賞を授与されました。また、続いて行われたアスリート/オリンピアントークでは、登壇した選手たちが受賞の喜び、今後の目標などを語りました。

■小林陵侑選手(スキー/ジャンプ)特別栄誉賞
「このような特別な賞をいただけて光栄な気持ちです。ワールドカップを4年間回ってきた中で自分に足りないところも分かっていたので、それが今年のレベルアップにつながったと思います。北京オリンピックが皆さんに一番注目していただける大会だと思いますので、そこで金メダルをとれるように今後も頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」

■吉田愛選手(セーリング)優秀賞
「本日はこのような素晴らしい賞を受賞することができて本当に嬉しく思っています。ありがとうございます。まずは今年は東京オリンピックの代表になることが目標で、代表になれたら金メダルを獲得できるように、しっかりと準備していきたいと思います。応援よろしくお願いします」

■吉岡美帆選手(セーリング)優秀賞
「一歩、一歩焦らず、レベルアップをして東京オリンピックで金メダルをとれるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
喜友名諒選手(左)、大塚健選手(写真:フォート・キシモト)
東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
紀平梨花選手(左)、金谷拓実選手(写真:フォート・キシモト)

■喜友名諒選手(空手道)優秀賞
「素晴らしい賞をいただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。今年の1つ1つの試合が来年の東京オリンピックにつながる大切な試合なので、1つ1つ集中して、来年のオリンピックに向けて盛り上げていけるように頑張ります。応援よろしくお願いします」

■大塚健選手(スキー/スノーボード)新人賞
「ありがとうございます。今回は新人賞という素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しく思っています。5月にひざの手術をして、今はリハビリに専念しているところですが、復帰してからもまたこのような賞をいただけるように頑張りたいと思います。今回のけがもあって北京オリンピックまであまり時間がないのですが、ゆっくり焦らずけがをしっかり治して、ちゃんと調整できるように頑張りたいと思います」


■紀平梨花選手(スケート/フィギュアスケート)新人賞
「このような大きな賞をいただけて、本当に嬉しく思っております。これからも世界選手権、北京オリンピックを目指して精一杯頑張ります。北京オリンピックで優勝することが夢ですので、これからも1年1年成長できるように頑張りたいです」

■金谷拓実選手(ゴルフ)特別功労賞
「このような素晴らしい賞をいただけて、大変嬉しく思います。これからもこのような賞をもらえるように引き続き頑張ります。東京オリンピックに向けて、まずランキングを上げて出場できるように、そして(東北福祉大学の先輩である)松山英樹選手とともに世界のトップで戦えるように頑張っていきたいと思います」

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
左から小笠原悦子さん、伊藤華英さん、宮下純一さん、大林素子さん(写真:アフロスポーツ)
東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
大坂なおみ選手からビデオメッセージが寄せられた(写真:アフロスポーツ)

■大林素子さん(バレーボール)特別貢献賞
「私自身は引退して22年経ちまして、オリンピック自体は出場したのが3回なのですが、解説者として5回行っています。現役時代に応援していただいた分、色々な恩返しができるようにと思って頑張ってきたことが今回表彰されることになり、本当に嬉しく思っています。ありがとうございます」

■宮下純一さん(水泳/競泳)特別貢献賞
「僕は北京オリンピックに出させていただきましたが、現役で1回、解説でロンドン、リオデジャネイロオリンピックと行かせていただきました。現地に行って思うのは、やはりオリンピックは生で見るものだなとすごく感じています。東京にオリンピックがやってきますので、生で選手の息遣いや水しぶきの音、そういったものを見て聞いていただいて、子どもたち、そしてたくさんの方々に夢を描いていただけるように、OB、OGとして頑張っていきたいと思います」

■伊藤華英さん(水泳/競泳)特別貢献賞
「私は北京、ロンドンと競泳でオリンピックに出場させていただきました。引退して8年目を迎えまして、このような賞をいただけるのは一生に1度という思いでこの舞台に立たせていただいています。来年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて少しでも選手の皆さんの努力、輝きを一人でも多くの人に知っていただきたい、そして努力をすることの大切さ、素晴らしさをぜひ知っていただきたいという思いで、選手たち、スポーツを支えていきたいと思っています」

■小笠原悦子さん 女性スポーツ賞
「このたびはこのような名誉ある賞をいただきまして本当にありがとうございます。今現在、女性スポーツ研究センターというものを順天堂大学で立ち上げていますが、女性スポーツに関わるすべての方々に対していただいた賞だと思っています。本当にありがとうございます」

 また、最優秀賞を受賞した大坂なおみ選手(テニス)から、ビデオメッセージで「表彰式に出られなくて申し訳ありません。でも、この賞を頂けたことを光栄に思っています。2020年のオリンピック、みんなとても楽しみにしています。誰もがみんな金メダルを目指しています。私もメダルがとれるように頑張って練習に励みます」と感謝の言葉が寄せられました。

東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
ゲストアーティストの藤巻亮太さんが歌でエールを送った(写真:アフロスポーツ)
東京2020大会と輝く夢に向かって「オリンピックコンサート2019」を開催
フィナーレでは恒例の『オリンピック賛歌』を合唱、金のテープが華やかに舞った(写真:アフロスポーツ)

 表彰式、トークコーナーが終わると、ゲストアーティストの藤巻亮太さん(レミオロメン)によるスペシャルステージが開演。ヒット曲の『粉雪』、2008年北京オリンピックのために書き下ろした『もっと遠くへ』、そして代表曲の『3月9日』を、オーケストラの演奏とともに熱唱。藤巻さん自身も体力づくりのために始めたサッカーがもう10年も続いているなど、普段からスポーツに親しんでいることを明かすと、東京2020大会を目指すアスリートに向けて「元号が変わり、新しい時代で初めてのオリンピックとなります。選手の皆さんには4年間の努力に次ぐ努力が報われますことを期待しています。また世界からお見えになる選手の皆さんにも同様の気持ちでおります。素晴らしい大会になるように、みんなで思いを一つにできればと思います」とエールを送りました。

 オリンピックコンサートも残すところ3曲となり、9曲目に演奏されたのはピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲の幻想序曲『ロメオとジュリエット』から。ここでは力強い調べの音楽とともに、陸上競技、サッカー、柔道、競泳、レスリングなど、夢を諦めなかった日本人アスリートのレジェンドたちにスポットを当てた映像が展開していきました。続く10曲目は東京2020大会を目指すアスリートをはじめ、すべての人たちの夢が輝くようにという願いを込め、映画『ミッション』からエンニオ・モリコーネ作曲のメインテーマを演奏。情感あふれるオーボエの旋律とNHK東京児童合唱団の歌声、そして、卓球、バレーボール、バスケットボール、スポーツクライミング、サーフィン、フェンシングなど、東京2020大会に向けて懸命に努力するアスリートたちのシーンがドラマチックに融合し、会場からは大きな拍手が送られました。

 最後は藤巻さん、ナビゲーターを務めた藤本さんが、NHK東京児童合唱団の皆さんと一緒にスピロ・サマラ作曲の『オリンピック讃歌』を合唱。クライマックスでは、東京2020大会まで「406Days to go」の映像とともに、客席前方から金のテープが勢いよく飛び出し、華やかにフィナーレを迎えました。

 鳴り止まない拍手の中、アンコールで演奏されたのはモリコーネ作曲の映画『ニュー・シネマ・パラダイス』から。ピアノの美しいメロディーとともに、映像は陸上競技の小出義雄さん、アーティスティックスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチ、バレーボール女子日本代表の中田久美監督ら指導者、および家族の視点で展開。東京2020大会はアスリートのみならず、それを支えるすべての人たちの輝く夢であるという余韻を残し、2時間半に渡るコンサートは盛況のうちに幕を閉じました。

 終演後、ゲスト参加したオリンピアン、アスリートにあらためてコンサートの感想を伺いました。

■小林陵侑選手(スキー/ジャンプ)
「僕も音楽に興味があり、普段から色々なジャンルの音楽を聴いているので、オリンピックコンサートはすごく楽しかったです。音楽とオリンピックの映像が合わさることで感動がより一層増しました。来年は東京オリンピックで日本中が盛り上がると思いますし、僕も楽しみにしていますが、冬季競技も盛り上げていけるように頑張っていきたいと思います」

■吉田愛選手(セーリング)
「昔のオリンピックの映像と、オーケストラの演奏の両方が重なって、すごく感動的でウルウルしてしまいました。オリンピックでメダルをとった選手のシーンは自分自身に重なって、自分も絶対にメダルをとりたいと思いました」

■吉岡美帆選手(セーリング)
「こういったコンサートは初めてでしたが、すごく感動しました。これからも頑張っていこうという勇気をもらえました」

■喜友名諒選手(空手道)
「生でオーケストラの演奏を聴くのは初めてなので、バンドとはまた違った迫力があって、かっこいいなと思いました。(映像を見て)来年のオリンピックが近づいているなと感じましたし、もっと頑張ろうと思いました」

■大塚健選手(スキー/スノーボード)
「生で演奏を聴くと、普段携帯で聞いているのとは違った感じで、すごく心に刺さりました。(現在リハビリに励んでいるが)挫折しても(競技に)戻ってきている選手はものすごく努力していると思いますし、自分がこれからそれをやることになるのですごく大変だと思いますが、今日聴いた音楽を思い出して、自分も頑張りたいと思いました」

■金谷拓実選手(ゴルフ)
「今回がコンサートを見るのは初めてでしたが凄かったです。コンサート内の映像で、オリンピックの前の年にけがなどで挫折を味わった選手が、それを乗り越えてメダルを獲得するシーン、倒れても立ち上がっていく姿は感動しました。2020年、2024年にオリンピックに出場することができれば、金メダルを獲得したいです」

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