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2019.02.18 キャリア支援

「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催

「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催(写真:アフロスポーツ)
「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがあいさつ(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月13日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに172社/団体263名(2019年2月13日時点)の採用が決まりました。

 アスナビでの陸上選手の採用は全競技の中で最多44名にのぼり、本情報交換会の陸上競技編は2017年6月に行われたのに続き、2回目の開催。今回は日本陸上競技連盟(日本陸連)から4名、陸上選手を採用した企業から17社28名が参加し、それぞれ情報を交換、交流しました。

 はじめに主催者を代表して、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがあいさつに立ち、アスナビがスタートしてから8年間で263名が採用され、そのうちの半数以上がここ3年での採用であることを紹介。このような近年の実績を強調した上で、「企業さまにとってのWin、アスリートにとってのWinを実現していきたい。また、本当の意味でアスリートが企業さまのお役に立てているというWinが成立しないと、後が続きません。その意味でもこの場が有効に機能すればと思います」と情報交換会の主旨、目的を説明しました。

「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
日本陸連の風間明事務局長(写真:アフロスポーツ)
「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
同じく日本陸連から事業部強化育成課の平野了課長が強化方針などについて情報共有(写真:アフロスポーツ)

■日本陸連から情報提供

 次に「競技団体からの情報提供」として、日本陸連の風間明事務局長が登壇。陸上競技はトラック、フィールド、ロードなど多彩な種目がある分、それだけ様々な特徴を持った選手がいることを挙げると、参加企業に向けて「その特徴を分かっていただいて、いかに彼ら、彼女たちが伸び伸びと競技や生活ができるように環境を整えていただくことが、とても大事なことかと思います」と、選手の個性に合わせたサポート体制の確立を呼びかけました。一方で、「もちろん競技成績も大事だと思いますが、皆さまの会社での日常の働きぶり、人とのコミュニケーションなどがその後の人生にとって最も大切だと思っております。それらのことを生かしていけるように、我々もサポートさせていただきますし、競技で得た色々な経験もお話できるのではないかと思っております」と、日本陸連からの支援も約束しました。

 続いて、同じく日本陸連から事業部強化育成課の平野了課長が登壇し、東京2020大会へ向けた強化方針、IAAF(国際陸上競技連盟)ワールドランキング制度導入の経緯・目的などを説明。それらをもとに、どのようにして2019年世界陸上競技選手権大会(ドーハ)、東京2020大会の代表選手が決まるのかという情報が共有されました。また、スタジアムでの広報活動、応援についての注意事項についても、改めて説明がありました。

「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
城北信用金庫の小野裕美アスリートマネージャー(写真:アフロスポーツ)
「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
内田建設株式会社の内田眞代表取締役(写真:アフロスポーツ)

■2社から選手活用事例紹介

 次に行われた「採用企業の選手活用事例」では2社が登壇。まず、2015年に走幅跳の清水珠夏選手を採用した城北信用金庫の小野裕美アスリートマネージャーがプレゼンテーションを行い、アスリートの採用状況、サポート体制、業務内容、社内での交流・スポーツ体験イベントなどをはじめ、実績に応じたインセンティブ面についても言及しました。なお、城北信用金庫はアスリート採用を開始してから7年目となり、清水選手を含め5競技6名の女性アスリートが所属。これまでに得た様々な経験をもとに「企業アスリートとして、選手自身の人としての成長にも期待しています。そうすることで結果的に競技成績を上げ、地域のお客さま、職員からも愛される選手になってくれると思っています」と、アスリート社員のさらなる活躍に期待の言葉を送りました。

 続いての選手活用事例紹介として、2017年に三段跳の森本麻里子選手を採用した内田建設株式会社の内田眞代表取締役が登壇。森本選手が作成したという資料をもとに、採用に至った経緯、勤務状況、応援体制などを説明しました。森本選手を採用してからもうすぐ2年となり、アスリート採用の効果として強調したことが社外へのPR、企業のイメージアップ。同社では10数年ぶりに技術職の女性が新規採用で入社し、「森本選手の存在が大きかった」と振り返りました。また、今後の課題として、さらなる応援体制の強化、自己プロモーション活動、選手としての強化支援、社会貢献活動を挙げる一方、森本選手が目標としている総合地域型スポーツクラブ設立へ向け、内田代表取締役は「自分に何ができるのか、競技生活で得たものが生かせないか、それに関する新しい事業を考えてみよう。また、そのための勉強を今から進めていこう」と、セカンドキャリアを視野に入れたアドバイスをしていることを明かしました。

「第12回アスナビ採用企業情報交換会(陸上競技編)」を開催
「陸上競技選手の活用について」をテーマにグループワークを実施(写真:アフロスポーツ)

■「選手の活用について」グループワーク

 最後に、参加企業は4班に分かれてグループワークを実施。「陸上競技選手の活用について」をテーマに、日本陸連、JOCキャリアアカデミーのスタッフを交え、気になる事(不安、不明点など)、自社の工夫・他社の事例、担当者の考え・アイディアなどを共有しました。各班からは「社内コミュニケーションに関してまだ手探りな部分がある」「より良い練習環境やコーチをどのように確保するか」「インセンティブの金額の設定が難しい」といった課題点が挙げられたほか、「アスリート社員を社内に浸透させることが大事で、発信の場を用意している」「出勤時間が少なくても主担当となる仕事を任せる」といった、すでに実践しているアスリート社員の活用方法が紹介されるなど、活発な意見交換の場となりました。

 まとめとして、中村JOCキャリアアカデミー事業ディレクターは「企業・選手・競技団体のトリプルWinが大きくなるよう、JOCとしてサポートしていきたい」と改めて述べると、「今回をきっかけにさらにコミュニケーションを深めていただければと思います」と、企業、競技団体の連携強化を呼びかけ、交流会を締めくくりました。

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