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2018.06.27 イベント

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
「オリンピックコンサート2018」が開催された(写真:フォート・キシモト)
平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
オーケストラの音楽と平昌オリンピックの映像が融合、感動がよみがえる演出がなされた(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月8日、東京国際フォーラムで「オリンピックコンサート2018」を開催しました。

 オリンピックコンサートは全世界で行われているオリンピックデーイベント(オリンピックデーは6月23日)の一環として日本独自に開催しているイベント。感動的なオリンピック映像と壮大なシンフォニーオーケストラの共演は、毎年多くの方にご好評いただいています。
 今年は「つなげよう感動!輝こうTOKYOで!」をテーマに、指揮は梅田俊明さん、演奏は「THE ORCHESTRA JAPAN」が担当。オリンピアン(水泳・競泳/1988年ソウルオリンピック、1992年バルセロナオリンピック出場)で俳優の藤本隆宏さんが7年連続でナビゲーターを務めました。

 平昌オリンピックファンファーレで幕を開けた今年のオリンピックコンサート。続くレナード・バーンスタイン作曲の『キャンディード序曲』では、疾走感のある音楽に乗せて、映像では平昌オリンピックの聖火リレー、開会式の様子が次々と展開されました。これを受けて演奏された3曲目はアントニン・ドヴォルザーク作曲の『スラブ舞曲 第1集から第1番』。ここでは平昌オリンピックのテーマでもある「Passion. Connected. ひとつになった情熱」をテーマに、冬季競技の魅力でもある美しさ、スピード感を演出。平昌オリンピックの名シーンと多彩なリズムで構成された曲が組み合わさることで、会場はたちまち、日本中、そして世界中が沸いた平昌オリンピックの興奮と感動を思い出すムードに包まれました。

 この余韻を残したまま、“応援をありがとう!”の気持ちをオリンピアンが伝えるトークコーナーでは、平昌オリンピックのメダリスト7名が登壇。一人ひとりが感謝の気持ちを言葉にしました。

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
左から小平奈緒選手、原大智選手、ナビゲーターの藤本隆宏さん(写真:アフロスポーツ)
平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
左から髙木菜那選手、菊池彩花選手、髙木美帆選手(写真:アフロスポーツ)

■原大智選手(スキー・フリースタイル)
「まさか自分がメダルをとれるとは思っていなかったんですが、子供のころからの夢舞台だったので金メダルがほしいと思っていましたし、せっかくだから楽しめたらいいなと思っていました。そうしたら本当に楽しんでメダルがとれたので、最高のオリンピックになったと思います。でも、銅メダルだったので目標は70%達成。次は頑張って金メダルをとりたいと思います。また、東京2020大会は、自分の実家が東京なのでまさに地元開催のオリンピック。ぜひとも東京を目指す選手には頑張ってほしいと思います」

■小平奈緒選手(スケート・スピードスケート)
「本当にたくさんの方々に応援していただいたんだなということを、オリンピックから帰ってきて感じることができたので、まずはここにいる皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。三度目の正直という形だったのですが、私としては1回、1回のオリンピックをその時の状況で全力で駆け抜けてくることができたので、またこれからも駆け抜け続けられる毎日を過ごせたらいいなと思います。今後もまだスケート競技に打ち込んで、夢を追い続けたいという気持ちがありますので、どこかでまた皆さんの心を揺さぶる滑りができるといいなと思っています。今後も応援よろしくお願いいたします」

■髙木美帆選手(スケート・スピードスケート)
「中学3年生のときに初めてオリンピックに出場することができて、その次のオリンピックでは出場を果たせなくて、やっと本気でスケートに全てをかけたいと思って過ごすことができた4年間の結果が、平昌オリンピックの結果につながったのかなと思っています。私にとってオリンピックは、スケートに対する向き合い方をその時々で変えてくれる存在だったので、自分にとってとても偉大な大会だと思います。東京2020大会は私と同年代の選手たちが活躍してくれると思うので、その背中を見てまた頑張りたいなと期待している大会でもあります。なんらかの形で東京オリンピックを応援することができたらいいなと思っていますので、皆さんといっしょに楽しめたらと思います」

■菊池彩花選手(スケート・スピードスケート)
「私たちはナショナルチームを結成してから、年間の300日ほど、ほぼいっしょに生活してきました。トレーニングも他の国よりも長い時間いっしょに滑ってきたんじゃないかなと思います。そのかけてきた時間の分だけのチーム力ができて、本番でもあのような滑りができたと思います。東京オリンピックを目指している選手たちは、一人ひとりが特別な思いをもって目指していると思います。今できること、一瞬、一瞬というのを楽しんで、取り組んでいただきたいと思いますし、また、そこに関わっている方々やファンの皆さんの力が選手のためになるので、皆さんもぜひ一緒に盛り上げていただきたいと思います」

■髙木菜那選手(スケート・スピードスケート)
「チームパシュートでは3年前から結果が出始めて、金メダルを狙える位置にどんどん近づいていけたので、本当にみんなで力を合わせてとりたい金メダルでした。マススタートでは、パシュートの金メダルがあったからこそ落ち着いてレースができましたし、金メダルをとれればいいなという気持ちで臨んだら、とることができました。東京オリンピックは選手からすると、日本で開催するということで期待やプレッシャーがすごくかかってくると思うのですが、日本のファンの皆さんの応援の力によって、選手は最大限のパフォーマンスを発揮してくれると思います。自分もいちファンとして応援していきたいですし、皆さんと力を合わせて東京オリンピックに出る選手の皆さんを支えていきたいと思います」

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
左から鈴木夕湖選手、吉田夕梨花選手(写真:アフロスポーツ)
平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
羽生結弦選手からビデオメッセージが寄せられた(写真:アフロスポーツ)

■吉田夕梨花選手(カーリング)
「オリンピックはすごく不思議な場所で、カーリング自体は自分のためだったり、チームが勝つためにやってきたつもりでした。でも、オリンピックが終わってから、こんなに応援されていたんだという思いがすごくたくさんあって、私たちの夢にたくさんの人が乗っかってくれたんだと、皆さんの思いをすごく感じたオリンピックでした。また、微力ながら私も2020年の東京オリンピックに向けて、何か協力できたらいいなという思いがあって、応援の力って本当にすごいパワーを持っているので、私も一人のファンとしてたくさん応援したいですし、皆さんといっしょに東京オリンピックを盛り上げていけたらと思います」

■鈴木夕湖選手(カーリング)
「平昌オリンピックはたくさんの応援していただいた方々や、チームのトレーナーさん、メンバーに支えられて乗り越えられたオリンピックだと思いました。平昌オリンピックではメダルをとれましたが、メンバー誰も納得するパフォーマンスができたわけではないですし、まだまだ私たちもこんなものではないと思っているので、さらに強くなっていきたいと思います。また、今回のオリンピックで皆さんの応援がとても力になることを実感したので、私たちも東京オリンピックでは応援して、少しでも出場する選手の力になれればと思います」

 また、平昌オリンピックで2連覇を達成したフィギュアスケートの羽生結弦選手からビデオメッセージで、「平昌オリンピックでは自分自身が小さいころから夢として思っていた、オリンピックで2連覇を達成するということをすごく大切にしてきました。また、本当に勝つことが大事だと感じていた試合でしたし、それを何よりも達成することができて良かったと思います。国内外のみならず、テレビでも観戦してくださった方、本当に皆さんの応援の気持ちが僕の演技を支えてくださったと思います」と、感謝の言葉が寄せられました。

 トークコーナーに続いて演奏された、この日の4曲目はアマンダ・マクブルーム作曲の『The Rose〜愛は花、君はその種子』(インストゥルメンタルバージョン)。ベット・ミドラーが歌った1979年公開のアメリカ映画「Rose」の主題歌であり、日本では高畑勲監督のアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」の主題歌としても知られる同曲の温かなメロディーに乗せ、映像では小平選手や髙木美帆選手、スキー・ジャンプの髙梨沙羅選手、スキー・ノルディック複合の渡部暁斗選手らが苦難を乗り越えてオリンピックを目指す、アスリートたちの夢への道のりを紹介。そして、続く5曲目のピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲『交響曲第4番 ヘ短調 作品36から第4楽章』では一転、華やかで力強い音楽とともに原選手やフィギュアスケートの宇野昌磨選手、カーリング女子日本代表などメダリストを中心に、日本代表選手団の努力が結実した歓喜の瞬間がダイナミックに演出され、第1部の幕が閉じました。

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
ゲストアーティストの森山直太朗さんが歌でエール
平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
小嶋美紅選手(中)、荒井広宙選手(右)(写真:フォート・キシモト)

 第2部のオープニングを飾ったのは、ゲストアーティストの森山直太朗さんによるスペシャルステージ。オーケストラの演奏に乗せて、代表曲である『さくら』を歌い上げると、最新曲である『人間の森』を情感たっぷりに披露しました。そして、「過去でも未来でもない、今こそが人生のときなんだという思いを込めた人間賛歌」という『今が人生』をNHK東京児童合唱団といっしょに歌い、会場を盛り上げた森山さん。自身も学生時代にサッカーをはじめ、スキー、マラソンなどに打ち込んでいたことから、「小学校から大学までずっと体育会系にいたので、スポーツをするのも見るのも大好きです。やはりスポーツも音楽もやり切ると必ず“境”がなくなる。例えば国境だったり、性別だったり、人間同士の“境”がなくなると思うんです。そこにきっと、いろいろなものが進化している中で、スポーツと音楽というものが人間にとってまだまだ必要な不可欠な部分であり、壁や境をなくすものとして共通しているのではと思います」とメッセージを送りました。

 続いて行われた“輝け!東京2020大会で!”と題したトークコーナーには、平成29年度「JOCスポーツ賞」において特別功労賞を受賞した陸上競技の荒井広宙選手、新人賞を受賞した水泳・競泳の小嶋美紅選手が登壇。それぞれ、感謝の言葉とともに東京2020大会への意気込みを述べました。

■荒井広宙選手(陸上競技)
「ここ数年間、調子を上げて結果も出して来られていますので、東京オリンピックは本当に楽しみだなと思っています。2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルをとり、そのオリンピックが終わってから気持ちが少し切れた瞬間はあったのですが、そんなときに応援してくださる皆さんが本当に力になって、今ではやる気をもって競技に取り組めています。2020年の東京オリンピックでは、結果も大切ですが、応援をしてくださっている皆さんの心に残るようなレースがしたいと思います。最高の金メダルを目標に頑張っていきます」

■小嶋美紅選手(水泳・競泳)
「専門競技は個人メドレーで、東京オリンピックに向けてたくさん泳いで練習しています。2020年はやっぱり私たちの世代が引っ張っていかないといけないという自覚がありますので、頑張っていきたいです」

平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
コンサートの後半では東京2020大会に向けた映像もふんだんに盛り込まれた(写真:フォート・キシモト)
平昌の感動と興奮を東京へ「オリンピックコンサート2018」を開催
フィナーレでは恒例の『オリンピック賛歌』を合唱、金のテープが華やかに舞った(写真:フォート・キシモト)

 トークコーナーが終わり、オリンピックコンサートも残すところ3曲。9曲目には、リヒャルト・ワーグナー作曲の『歌劇「ローエングリン」から第1幕への前奏曲』が演奏されました。この曲では、先人が道なき道を切り開き、そして未来へと受け継がれてきた日本人オリンピアンの系譜をテーマに、過去から現代へとつながる各競技の日本人アスリートたちの戦いの記録と記憶を、美しい弦楽器の響きに乗せて展開。さらに、続く10曲目で全ての人たちが輝くことを願い演奏されたのは同じくワーグナー作曲の『歌劇「タンホイザー」序曲』。壮大なスケールの音楽と夏季オリンピック史上に残る世界のオリンピアンたちの名場面が融合し、東京2020大会への期待がいっそう高まる雰囲気の中、会場からは大きな拍手が送られました。

 最後は森山さん、ナビゲーターを務めた藤本さんが、NHK東京児童合唱団の皆さんと一緒にスピロ・サマラ作曲の『オリンピック讃歌』を合唱。クライマックスでは客席前方から金のテープが勢いよく飛び出し、華やかにフィナーレを迎えました。

 鳴り止まない拍手の中、アンコールではNHK東京児童合唱団が再びステージに登場し、4曲目に演奏した『The Rose〜愛は花、君はその種子』を合唱。美しい歌声のハーモニーを響かせながら、平昌の興奮がよみがえり、またその感動が東京へとつながっていく2時間半のコンサートの幕が下りました。

 終演後、ゲスト参加したオリンピアン、アスリートにあらためてコンサートの感想を聞きました。

■荒井広宙選手(陸上競技)
「本当にすばらしいコンサートでした。森山直太朗さんにも初めてお会いして、歌を聴かせていただきました。『さくら』を初めて聞いたのは中学校くらいだったのですが、当時のことを、そして競技者としての初心を思い出させるような、そんなコンサートでした」

■小嶋美紅選手(水泳・競泳)
「オーケストラの演奏を聴くのは初めてだったのですが、迫力があってびっくりしました。平昌オリンピックはゆっくり見られなかったのですが、映像を見てすごく感動しました。平昌オリンピックから東京オリンピックに良い流れをそのままつなげて、(今度は)私達が活躍していきたいなと思います」

■原大智選手(スキー・フリースタイル)
「オリンピックコンサートは初めてでしたが、とても大きなイベントでした。森山直太朗さんの『さくら』が聴けて、すごくうれしかったです。小学校の頃にずっと聴いていましたし、それを生で聴ける機会もなかなかないので本当に感動しました。自分は平昌から早く帰国してしまいましたが、あらためていろいろなストーリーがあったんだなと思いました」

■小平奈緒選手(スケート・スピードスケート)
「オリンピックコンサートは何度も参加をさせてもらっていますが、今回は平昌のときの映像、夏の競技の選手たちの映像と、音楽がすごくリンクしていて感動しました。自分のシーンはすごく客観的に見ていて、自分ではない誰かを見ているような感じがしました」

■菊池彩花選手(スケート・スピードケート)
「初めてこのコンサートに参加させていただきましたが、生で聞くオーケストラに鳥肌が立ちました。オリンピックの映像との競演という素晴らしい機会に呼んでいただき、とても感激しています。(平昌オリンピックの)映像を見ると体が思い出して、また鳥肌が立ってしまって、体の奥底に刻まれているものなのだなとあらためて感じました」

■髙木菜那選手(スケート・スピードケート)
「オーケストラを生で聴いたのは初めてでしたが、音楽とスポーツがつながって、言葉なしでも感動できるものというのは本当にすごいんだなと思いました。自分ももっと人を感動させられることができるのではないかと思ったので、もっと努力して、また皆さんに勇気や感動を与えられる選手になれるように頑張ろうと思いました」

■髙木美帆選手(スケート・スピードケート)
「初めてオリンピックコンサートを見させていただきましたが、音楽のおかげでスポーツがさらに素敵なものになるということを感じられた時間でした。また音楽の演奏を含めて、いろいろな人たちの力があって、自分たちの頑張りなどがこのように素敵に映ったりするのはありがたいことだなと思いました。短い時間ではありましたが、あらためてオリンピックを思い返し、自分の思いも少し整理されたのかなと思います」

■吉田夕梨花選手(カーリング)
「音楽と映像とがすごくリンクしていて、すごく感動しました。あらためてオリンピックを思い出しました。クラシックの演奏を聴くのは初めてだったのですが、すごく聴くやすかったです」

■鈴木夕湖選手(カーリング)
「映像も感動的で、音楽も感動的で、それが合わさって本当に良かったです。全部のシーンが印象的でしたが、あらためて『オリンピックっていいな』って思いました」

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