日本オリンピック委員会(JOC)は6月8日、都内で平成29年度「JOCスポーツ賞」の表彰式を行い、最優秀賞を受賞したスケート・スピードスケートの小平奈緒選手ら20名が出席しました。今年度は最優秀賞、優秀賞、新人賞、特別功労賞、特別栄誉賞の5つの年度賞で12名の個人と3チーム、さらにトップアスリートサポート賞5団体、女性スポーツ賞1団体が受賞しました。
表彰式で挨拶に立った竹田恆和JOC会長は、受賞した選手たちの功績を称えるとともに「日本代表選手団はリオに続き、この平昌冬季オリンピックでも大変素晴らしい成績を収め、勢いをつけてくれました」と祝福の言葉を送りました。そして、この日本代表選手団の活躍を、今年の8月にインドネシアのジャカルタとパレンバンで行われる第18回アジア競技大会、10月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催される第3回ユースオリンピック競技大会へとつなぎ、2年後に迫った東京2020大会へと継承していかなければならないと語ると、「大会を成功させるには日本代表選手団の活躍が不可欠であり、今後とも皆さま方のご協力をいただきながら、競技団体とともに全力で強化にあたって参りたいと思います」と、日本代表選手団のさらなる強化を誓いました。
続いて、来賓を代表して小池百合子東京都知事が登壇。受賞した選手たちに向けて祝辞と、ねぎらいの言葉を送るとともに、開催まであと777日となった東京2020大会に向けて「ともに盛り上げて、素晴らしい記録と記憶に残る大会にしてまいりましょう」と呼びかけました。
次に、遠藤利明東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長代行がお祝いの言葉とともに乾杯の音頭を取りました。続いて行われた表彰式では受賞者に竹田会長から賞状、トロフィー、メダルなどが贈られました。
特別栄誉賞を受賞したスケート・スピードスケートの髙木美帆選手は「初めてオリンピックに出させていただいたのが中学3年生のときで、その4年後のソチオリンピックは出場を果たすことができませんでした。その悔しさをバネにして、スケートにかけてきたその後の4年間という時間を平昌オリンピックで発揮することができたと思います」と、あらためて金、銀、銅メダルを1つずつ獲得した平昌オリンピックまでの道のりを振り返ると、今後に向けて「オールラウンダーとしてさらにもう一つ上のレベルに行きたいと考えているので、その中で目指していきたいところを一つ、一つクリアして、もっと最強のスケーターになれたらと思います」と気持ちを新たに述べました。
同じく特別栄誉賞を受賞したスケート・フィギュアスケートの羽生結弦選手は、ソチオリンピックに続き2連覇を達成した平昌オリンピックの演技を振り返り、「平昌オリンピックでは自分の一番高い難易度の構成ではなかったのですが、ただ、あのときの自分の実力の最高難易度のものを、そして最大限のことは出し切れたと思っています」と述べました。そして、挑戦するからこそ技術面のみならず人間としても成長するという自身の信念を語ると、「オリンピック2連覇という目標を達成することができ、達成感もすごくありますが、挑戦したいことがまだまだフィギュアスケートでは残っています。まだ磨き続けないといけないなと、あらためて思いました」と述べ、体と心の状態を見ながら目標の一つである4回転アクセルに挑戦していきたい気持ちを明かしました。
最後に、最優秀賞を受賞した小平選手は壇上で、喜びの言葉と今後に向けた決意を以下のように述べました。
「本日はこのような名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。日ごろより私たちをサポートしてくださる日本オリンピック委員会をはじめ、所属団体、スポンサーの方々、コーチ、チームメート、家族、そしてファンの皆さまのおかげでスポーツに全力で打ち込める環境をいただけていることに、心から感謝をしております。
素晴らしい成果を挙げたアスリートが多くいる中で、最優秀賞をいただけるということは本当に光栄に思います。アスリートを代表する存在でもあるということに、とても身が引き締まる思いです。
4カ月前に開催されました平昌オリンピックでは主将という大役を仰せつかり、選手として、そして人としても試される貴重な経験をさせていただきました。個人でのメダル獲得、そして日本代表選手団も冬季オリンピック史上最高の結果を残すことができました。2020年の東京オリンピックへしっかりとバトンをつなげることができたのではないかと思います。
今後は究極の滑りを磨いていくとともに、私自身がスポーツを通して得られる喜び、その一瞬、一瞬に心を動かしていけるような時間を、多くの人たちと共有しながら刻んでいけたらと思います。本日はありがとうございました」
また、会場内には今年度の受賞者がオリンピック、世界選手権などで実際に使用した競技用具、歴代優秀賞受賞者の写真パネルなどが展示され、式典に花を添えました。
<年度賞>
【最優秀賞】
■スケート・スピードスケート
小平奈緒
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)女子500m1位、1000m2位
【特別栄誉賞】
■スケート・スピードスケート
髙木美帆
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)女子1500m2位、1000m3位
※女子チームパシュート1位
■スケート・フィギュアスケート
羽生結弦
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)男子シングル1位
【優秀賞】
■スケート・スピードスケート
髙木美帆、菊池彩花、佐藤綾乃、髙木菜那
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)女子チームパシュート1位
■スケート・スピードスケート
髙木菜那
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)女子マススタート1位
※女子チームパシュート1位
■卓球
石川佳純
吉村真晴
2017世界卓球選手権ドイツ大会(個人戦)混合ダブルス1位
■バドミントン
奥原希望
第23回世界バドミントン選手権大会女子シングルス1位
【新人賞】
■水泳・競泳
小嶋美紅
第6回競泳ジュニア世界選手権大会女子200m個人メドレー・400m個人メドレー1位
■レスリング
熊野ゆづる
2017年ジュニア世界レスリング選手権大会女子59kg級1位
■ライフル射撃
島田敦、遠藤雅也、清水彰人
第1回世界ジュニアライフル射撃選手権大会男子10mエアライフル団体1位
【特別功労賞】
■陸上競技
荒井広宙
第16回世界陸上競技選手権大会男子50km競歩2位
■スキー・ノルディック複合
渡部暁斗
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)ノーマルヒル個人2位
■スキー・スノーボード
平野歩夢
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)男子ハーフパイプ2位
■カーリング
平昌冬季オリンピックカーリング女子日本代表チーム
第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)3位
<女性スポーツ賞>
■陸上競技
マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知組織委員会
<トップアスリートサポート賞>
【最優秀団体賞】
社会医療法人財団 慈泉会 相澤病院
【優秀団体賞】
自衛隊体育学校
日本体育大学
全日本空輸株式会社
学校法人了德寺学園
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