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2018.04.27 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
プレゼンを行った6選手。左から宮嶋選手、野中選手、渡邉選手、菊池選手、野口選手、古谷選手(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は4月19日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに148社/団体220名(2018年4月27日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会は、板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部との共催で行われ、52社63名が参加しました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
星野一朗JOC理事(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
坂本健板橋区長(左)、依田園子北区副区長(写真:フォート・キシモト)

 最初に主催者を代表し挨拶に立った星野一朗JOC理事は、トップアスリートが世界の舞台で活躍するには、練習場や宿泊、食事施設のハード面だけでなく、経済面でも安心して競技に打ち込める環境が必要不可欠であることを説明。そして、2月の平昌オリンピックでは日本代表選手団として派遣したアスリート124名のうち、19名がアスナビを通じて各企業に採用された選手であったことを報告すると、「自分のためだけではなくて、誰かのために戦うということでさらに選手は競技力を向上することができます。その意味で、皆さま方のサポートがチームジャパンを作っていく一因だと思っています」と強調し、アスリートの支援を訴えました。
 続いて、共催者を代表して板橋区の坂本健区長が「アスナビは多くの区民の皆さまの夢と希望を作り出すような取り組みとして、大変大きな成果を挙げております。東京2020大会、そしてそれ以降も長い目でアスリートの皆さんの生活、経済的基盤の支援も含めて、皆さまにはお願いしたいと思っております」と挨拶。同じく共催者を代表して北区の依田園子副区長は「トップアスリートの街・北区として、東京2020大会を見据え事業を展開し、様々な特色ある取り組みを進めて、大会の機運醸成と地域の活性化、地域の絆作りを努めてまいりたいと思っております。今回参加されているアスリート、企業の皆さま方にはぜひ成果を挙げていただきたいと思います」と述べました。

 次に中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、資料をもとにアスナビの概要を説明。夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技、アスリート採用後の雇用形態や給与水準、勤務スケジュール、選手活用企業のポイントなどを紹介しました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
城北信用金庫人事部の小野裕美さんが採用事例を紹介(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
伊藤華英さんが応援メッセージ(写真:フォート・キシモト)

「アスナビ」採用企業の事例紹介では、2013年にフェンシングの森岡美帆選手、2015年に山田あゆみ選手、陸上競技の清水珠夏選手、カヌーの大村朱澄選手、2016年にテコンドーの山田美諭選手、フェンシングの久良知美帆選手、スキー・フリースタイルの鈴木沙織選手を採用した、城北信用金庫人事部の小野裕美さんが登壇。同金庫がアスリートを採用するに至った経緯や採用状況、雇用・勤務形態、地域貢献活動、応援体制などを紹介するとともに、アスリートマネージャーとして日々選手をサポートしている立場から得られる経験、課題などを共有しました。そして、7名のアスリート社員を採用した実績から、今後選手に期待することとして、「地域における『つながり』作り」「選手自身の人間としての成長」を挙げた小野さんは「何よりも大事なのは選手自身が人間として成長してくれること。それは競技を通じて自然とたくさん学べるはずです。私自身も、選手のマネジメントをしながら、その必要性を伝えることを心がけています。そうすることで結果的に競技成績を上げ、地域のお客さまにも職員からも愛される選手になってくれると思います」と説明しました。

 次に、競泳で2008年北京オリンピック、2012年ロンドンオリンピックに出場した伊藤華英さんが応援メッセージを送りました。伊藤さんは19歳のときにアテネオリンピック落選の挫折を経て、セントラルスポーツの社員としてサポートを受けながらオリンピックを目指した経験などを語りました。その中で伊藤さんは「アスリートが成果を出すためには、誰かに応援されることで責任感を持つことがとても大事。社会人としてどこかの企業に所属し、自分にやるべきことは結果を残すことだと思えることが、アスリートにとってチャンスなのではないかなと思います」と強調。そして「日々の業務や引退後のセカンドキャリアについて、アスリートと企業さんがいっしょに何かを作っていく関係性がとてもいいかなと思います」と自身が得た体験からアドバイスを送ると、「アスリートだけではなく、色々な人が一つになれるのがスポーツ。アスリートのサポートを機に会社自体を盛り上げて、その先に日本全体が盛り上がっていけるような感覚で選手を採用していただけたらと思います。選んでもらった選手はきっといい仕事をします」と、参加企業に採用への協力を呼びかけました。

 最後に、就職希望アスリート6名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介などで、自身をアピールしました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
古谷拓夢選手(左)、野口凌平選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
菊池小巻選手(左)、野中雅浩選手(写真:フォート・キシモト)

■古谷拓夢選手(陸上競技)
「私は陸上競技を小学校5年生から始めて、中学2年生のときに現在専門としている110メートルハードルに転向しました。高校時代は高校記録を更新するなど、敵なしで勝つことができましたが、大学に進学してからは怪我をしてしまうなど壁に当たることが多くありました。その時に役に立ったのが大学で学んだスポーツ科学の知識であり、意識していることがPDCAサイクルです。その結果、自己ベストを更新し、自己ベストに近いタイムで何度も走れるようになりました。このPDCAサイクルは社会に出てからも役に立つと思いますので、僕自身、陸上競技だけではなく社会人として企業に貢献できる人材になりたいと思っています。私の最大の目標は、東京オリンピックにおいて110メートルハードルのファイナリストに残り、世界で活躍できる選手になることです。そのためには、ここにいらっしゃる皆さまのご協力が必要となります。ぜひ、陸上競技に集中できる環境とサポートをしていただければと思います。よろしくお願いいたします」

■野口凌平選手(フェンシング)
「私は福岡県のタレント発掘事業で評価されてフェンシングに出会い、オリンピックをはじめとする国際大会で活躍できる選手になりたいという思いから、中学2年になると同時にJOCエリートアカデミーに入校しました。5年間の寮生活、高校3年生時にエリートアカデミー全体のキャプテンを務めた経験から得た責任感とコミュニケーション力、そして、競技生活で培ってきた考える力と、やり抜く力は私の強みです。これらの強みを組み合わせることで、さらに競技力を向上させていき、2020年の東京オリンピックに出場し、金メダルを取るという大きな目標を達成できると考えています。もし私を採用していただいたら、競技で結果を残して恩返しをするのはもちろんのこと、これまで培ってきたことを生かして、企業での仕事にも誠心誠意取り組ませていただきます」

■菊池小巻選手(フェンシング)
「私は競技経験者であった両親の影響で4歳からフェンシングを始め、テレビで見るオリンピックに憧れを持つようになり、私もこの舞台に立ちメダルを取りたいと思うようになりました。私の強みは負けず嫌いであり、自分の決めた目標達成に向け最後まで努力することです。また、試合では最後の1本が決まるまで粘り強いプレーができます。私をご採用していただけましたら、フェンシングを通し、会社というチームの一員として喜びや感動を共に分かち合っていただけるような関係性を築きたいです。そして、私ができることに精一杯取り組み、社会貢献していきたいと思っています。そのためには私が目標とするオリンピックでの金メダルを獲得するために、フェンシングに打ち込める環境を与えていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

■野中雅浩選手(ウエイトリフティング)
「私がウエイトリフティングと出会ったのは高校の時です。入学式の日に先輩方に勧誘され、体つきのいい選手たちが重いものを挙げている姿を見て、とても魅力を感じました。現在、私は日本ジュニア記録と日本大学記録を持っています。私の長所は、目標達成に向け取り組むことと、その目標に最後まで諦めずに取り組むことです。現在は東京オリンピック出場に向けて、その長所を実行しています。大学卒業後の競技生活を考えていく中でアスナビに出会い、社員の方々に応援される選手になれるように人間力を上げて行くことで、よりよい競技生活が送れるのではないかと思いました。私をご採用いただけましたら、社員の方々に夢や感動、希望を与えられるよう、一生懸命精進することを誓います。どうか私にウエイトリフティングに専念できる環境を与えてください」

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
渡邉えみ里選手(左)、宮嶋克幸選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区、北区、東京商工会議所文京、北、荒川、豊島、板橋、足立支部と説明会を共同開催
説明会終了後には選手と企業関係者が名刺交換などで交流を深めた(写真:フォート・キシモト)

■渡邉えみ里選手(カヌー)
「私は小学2年生の時に兄の影響で地元のカヌークラブに入りました。その翌年、兄が世界ジュニア選手権に出場し、その時から私の目標は兄のように世界で戦える選手になりたい、そして将来はオリンピックに出場したいというものになりました。現在は2020年東京オリンピック出場に向けて、日々練習に励んでいます。その中で弱点を1つずつなくしていくためにも、特に私が大切にしたのは小さなことでも継続していくことです。小学生の時に抱いたオリンピック出場の目標までもう一歩のところまで来ていると、今感じています。今後の私の可能性を信じ、夢の実現に向けて共に歩んでいただけないでしょうか。私の強みは、自ら考え、目標を設定し、ぶれずに信念を貫くことです。採用企業様の刺激となる存在になり、企業様の活性化に貢献したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします」

■宮嶋克幸選手(スケルトン)
「私は中学3年生の時、北海道で行われた新人発掘テストを受けたことからスケルトンを始め、大学入学を機に本格的に取り組みました。大学2年生の時に日本代表として国際大会に出場、3年生の時に国際大会優勝、全日本選手権優勝、ワールドカップに初参戦しました。4年生の時には平昌オリンピックに出場、世界ジュニア選手権5位入賞と、順調に成績を伸ばしてきました。私の強みは対応力と、常に挑戦する気持ちを持っていることです。平昌オリンピックでの挑戦は失敗に終わりましたが、挑戦したことで今の自分の限界を知ることができ、次の北京オリンピックでのメダル獲得のための課題を見つけることができました。もし私を採用していただけたら、競技はもちろんですが、仕事にも全力を注ぎ、周りの方に自分も頑張らなければいけないと思っていただけるような競技や仕事をしていきたいと考えています。どうか私にスケルトンに専念できる競技環境をください」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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