ナショナルトレーニングセンター設立10周年記念式典が3月28日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で執り行われました。味の素トレセンは日本初のトップレベル競技者用トレーニング施設として東京都北区西が丘地区に建設。2008年から正式にオープンし、今年で10周年を迎えます。式典には国会議員、競技団体等関係者ら約140名が出席しました。
2004年アテネオリンピック、08年北京オリンピックの柔道女子63kg級金メダリスト谷本歩実さんの司会のもと、最初にオープニング映像として味の素トレセンの10年の歩みが紹介されました。
続いて国歌斉唱の後、主催者・共催者を代表して、日本スポーツ振興センター(JSC)の大東和美理事長が「日本スポーツ振興センターは、文部科学省、スポーツ庁、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会、日本パラリンピック委員会、日本体育協会(現日本スポーツ協会)、競技団体とさらに連携を強化していきます」とあいさつ。そして「2019年7月に竣工予定のナショナルトレーニングセンター拡充棟を活用することにより、東京2020大会、北京2022大会、その先を見据えオールジャパン体制で当センターのさらなる発展に努めてまいります」と誓いました。
次に竹田恆和JOC会長が登壇し、味の素トレセン開設までの歩みを振り返り「10年前の本施設の開設は、まさに我々スポーツ界にとって夢の実現でした。本施設の開設にご協力いただいたすべての皆さま方に改めて心から感謝を申し上げたいと思います」と、感謝の言葉を述べました。続けて、味の素トレセンが果たした役割と成果について、2016年リオデジャネイロオリンピックで最多41個のメダルを獲得、また平昌オリンピックでもソフト面から日本代表選手団を支えたことを挙げると、「いよいよ次は東京2020大会です。ここで培われた人間力と競技力は、選手たちが自己の可能性にチャレンジする飽くなき姿となって、国民の皆さまに夢、感動、そして希望を届けてくれると確信しています。その発信基地として味の素ナショナルトレーニングセンターは、今後もさらに進化していかなければなりません」と、気持ちを新たに東京2020大会に向けての抱負を述べました。
続いて、あいさつに立った日本障がい者スポーツ協会の鳥原光憲会長は、パラリンピック競技も共同利用できる拡充棟に触れ「ナショナルトレーニングセンターは10年という大きな節目を越えて、オリンピック・パラリンピック共同利用化による新たな発展の段階に入ることになり、我が国のスポーツの総本山としてますます役割が期待されます」と話すと、「日本障がい者スポーツ協会、日本パラリンピック委員会としては、東京2020大会の成功のみならず、長期的な国際競技力向上を目指して、ナショナルトレーニングセンターを最大限活用すべく努めていく所存です」と述べました。
次に、来賓を代表して、水落敏栄文部科学副大臣が登壇。味の素トレセンが10周年を迎えたことに対し、選手、指導者、関係者に敬意の言葉を送ると、「文部科学省としましては、オリンピック競技とパラリンピック競技のトレーニング環境の充実や、各競技団体の日常的、継続的な強化活動への支援の充実、ナショナルトレーニングセンターと国立スポーツ科学センターの機能を一体に捉えたハイパフォーマンスセンターの基盤整備に取り組んでおります。今後、引き続き関係者と一丸となって、東京2020大会に向けた我が国の国際競技力の向上はもとより、2020年以降を見通した強力で持続可能な支援体制の構築に努めてまいります」と、文部科学省が目指すアスリート支援の展望を述べました。
鈴木俊一東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣から寄せられた祝電の紹介に続き、これまでナショナルトレーニングセンターの活動に多大な支援をしてきた味の素株式会社に感謝状が贈呈されました。
大東JSC会長から感謝状を贈呈された味の素株式会社の代表取締役 取締役社長最高経営責任者である西井孝明氏は、2003年からJOCのオフィシャルパートナーとして取り組んできたアスリートの強化支援事業「ビクトリープロジェクト」、また、09年にナショナルトレーニングセンターのネーミングライツを取得した経緯を振り返りました。そして、「国民の皆さまに大きな希望を与え、そして日本を元気にしてくれるトップアスリートの活躍のために、私どもの100年以上にわたる最先端のアミノ酸研究で培った成果と、食と栄養のノウハウを生かしたご支援ができることは、私どもの会社にとっての使命であると考えております」と述べ、「東京2020大会に向け、そしてその先も見据えて、国際競技力向上のためのサポートをしっかり行ってまいりたいと思います」と、今後も引き続きアスリート支援に協力していくことを誓いました。
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