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2018.04.18 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
プレゼンを行った6選手。左から佐久間選手、野口選手、宍戸選手、狩野選手、前田選手、長谷川選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
星野JOC理事(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月9日、日本工業倶楽部(東京都千代田区)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに今春入社予定選手含め141社/団体211名(2018年3月12日時点)の採用が決まりました。

 説明会は公益社団法人経済同友会の会員を対象に行われ、9回目となる今回は35社45名が参加しました。

 最初に主催者を代表し挨拶に立った星野一朗JOC理事は、トップアスリートが世界の舞台で活躍するためには、ハード面のみならず経済的にも安心して競技に打ち込める環境が必要であると説明。そして、平昌オリンピックに出場した日本代表選手124名のうち19名がアスナビで採用された選手であることを報告すると、「トップアスリートは誰かに応援していただくことで、競技力向上に最も大切な要素の一つを頂戴しているのだと思います。そうした意味で、皆様方に日々のサポートをしていただくことがトップアスリートの明日を作ってまいりますので、本日お集まりいただきました皆様方もチームニッポンの一員であると思っております」と述べ、引き続きアスリート支援の協力を求めました。

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
経済同友会の横尾副代表幹事・専務理事(左)、同じく大西東京オリンピック・パラリンピック2020委員会委員長(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
荒木田JOC選手強化本部副本部長が応援メッセージ(写真:アフロスポーツ)

 同じく主催者を代表して、経済同友会の横尾敬介副代表幹事・専務理事が登壇し「一人でも多くの選手が生活、練習環境を改善させて、大きくレベルアップしていくとともに、引退後も社会で活躍できる環境づくりを同友会としても支援していきたいと考えています」とコメント。また、同じく経済同友会から大西賢東京オリンピック・パラリンピック2020委員会委員長が挨拶し、「折りしも今日は平昌パラリンピックの開幕日。そして、パラリンピックが終了すると、いよいよ東京2020大会です。今日はぜひ色々な選手とお話いただいて、いっしょに発展していきたいと思うような選手を見つけていただきたいと思います」と呼びかけました。

 次に中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、資料と映像をもとにアスナビの概要を説明。夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技、アスリート採用後の雇用形態や給与水準、勤務スケジュール、選手活用企業のポイントなどを紹介しました。

 オリンピアンからの応援メッセージでは、バレーボールで1976年モントリオールオリンピックに出場し、金メダル獲得に大きく貢献した荒木田裕子JOC選手強化本部副本部長が登壇。高校卒業後に現・日立製作所に入社し、その翌年に全日本代表入り、そして1974年世界選手権、1976年モントリオールオリンピック、1977年世界選手権を優勝した中で得た経験、学びなどを語りました。
 全日本時代には当時の山田重雄監督から「人間としての深さ」を教えられ、現役引退後から今につながる人生の土台を作ったのは「日立製作所時代の経験があったから」と語った荒木田副本部長。続けて、東日本大震災の復興支援を通じてアスリートたちはスポーツには社会をも動かせる力があることを学び、東京2020大会では世界中から来るアスリートたちにそうした思いをシェアすれば、オリンピック・パラリンピックの本来の目的である世界平和への寄与に結びつくと語ると、「きょうは、そこまでの覚悟が大丈夫かな? という若いアスリート6人ですが、皆さんの社会の中でも役に立つようなアスリートになるように、私たちもしっかりと支えていきますので、どうぞよろしくお願いいたします」と、参加企業へアスリート採用を訴えました。

 最後に、就職希望アスリート6名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介や競技のデモンストレーションなどで、自身をアピールしました。

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
佐久間選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
野口選手(写真:アフロスポーツ)

■佐久間滉大選手(陸上競技)
「陸上競技の走幅跳をしています。私は失敗を恐れず、果敢に挑戦できる強さがあります。挑戦することで学びを増やし、仕事においても積極的に取り組むことによって企業に貢献したいです。オリンピックの参加標準記録まで、あと33センチです。世界ジュニア選手権では5位とメダルが取れず、とても悔しい思いをしました。なんとしてでも東京オリンピックに出場し、結果を残したいです。2020年の東京オリンピックまで競技を続けられる環境とご支援のほど、よろしくお願いいたします」

■野口宣裕選手(ラグビーフットボール)
「私は高校からラグビーを始めました。専修大学でもラグビーを続け、昨年5月に7人制ラグビー、セブンズの日本代表候補の練習生として呼んでいただき、9月に行われたラグビーセブンズアジアシリーズ韓国大会で初めて日本代表に選出していただきました。私が代表チームに選ばれるために磨いているものはステップワークです。そして私がもう一つ自信を持っていることは、物事がうまく行かないときに耐える力、逆境を打開する力です。逃げない、失敗を恐れない、何事にも挑戦する、これが私の信条です。私を入社させていただきましたら、社員の皆様から心から応援してもらえる選手になり、必ずオリンピックに出場し、あいつを応援して良かったと思われる存在になることをお約束します。どうぞよろしくお願いいたします」

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
宍戸選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
狩野選手(写真:アフロスポーツ)

■宍戸美華選手(カヌー)
「私は小学校2年生のときにカヌーと出会い、現在まで14年間継続してきました。大学2年生の2月から3月にクラウドファンディングを行い資金を集め、カヌー強豪国であるオーストラリアに約50日間、単身武者修行に行きました。そこで何よりも心から確信したことは、私はカヌーが好きだという気持ちです。私の一番の目標は2020年の東京オリンピックに出場することです。オリンピック選手になることは、私がカヌーを始めたときからの夢でした。その夢は現在、明確な目標へと変わっています。この目標の実現に向けて、ともに戦い、サポートしてくださる企業様を探しています。採用企業様の仕事場の士気向上や認知度アップに貢献できるよう、お仕事のときも笑顔と努力で精一杯頑張らせていただきます。よろしくお願いいたします」

■狩野愛巳選手(フェンシング)
「フェンシングを始めたのは7歳のころで、フェンシング経験者であった父に勧められて始めました。私の強みは、目標を達成するまで努力を続け、絶対に最後まで諦めないことです。私は様々なことに好奇心と向上心を持って取り組みます。また、1%でも可能性があれば、その可能性を信じ、絶対に最後まで諦めずに戦います。私をご採用いただけましたら、皆様のお仲間に入れていただけるよう、私のできることは精一杯取り組みます。その上で私の目標であるオリンピック金メダル獲得を社員の皆様といっしょに目指してまいりたいと思っています。可能性を信じ、最後まで諦めない私の姿を社員の皆様に見ていただけたら嬉しいです。そして、その姿を見ていただくことで、フェンシングに関心を持っていただいたり、社員の皆様の活力になれればと思っております」

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
前田選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
長谷川選手(写真:アフロスポーツ)

■前田寿隆選手(テコンドー)
「私の強みは、闘争心と集中力からなる粘り強い精神力を持っていることです。6歳のころからフルコンタクト空手を習い、小学4年生でテコンドーを習い始め、中学校卒業と同時にオリンピックで金メダルを取ることを目指しテコンドーの道一筋で行くことを決意しました。空手で培った闘争心と、テコンドーで培った集中力を合わせた粘り強い精神力は競技、そして競技以外の面でも最大の強みである誇りとしています。私の一番大きな目標は2020年の東京オリンピックで金メダルを取ることです。残り2年と数カ月、やるべきことを全て行い、目標達成のために人事を尽くします。就職後は業務、また競技において、闘争心あふれる熱意と、最後までやり切る集中力を持って、また得意のリーダーシップを発揮し、いかなる壁をも乗り越えて活躍してみせます」

■長谷川大悟選手(陸上競技)
「私は三段跳で2016年のリオデジャネイロオリンピックに12年ぶりの日本代表として出場することができました。食や睡眠、また練習の効率化など、その一つ一つの工夫を線でつなげ、それを積み重ねる作業の連続が、12年ぶりの三段跳の日本代表としてオリンピックに出場するという結果につながったと思っております。私は業務においても、様々な能力を持った人たちが協力して、一つになることで大きな結果を生み出せると信じています。そして、私自身も従業員として皆様の士気を高揚させられるような存在になりたいと思っております。私の目標は、競技人生の全てをかけて東京オリンピックでメダルを取ることです。私は従業員の一人として、その過程での成長や感動を皆様と共有したい、そして、それに向けて全力を尽くしたいと思っております。ぜひ、ご支援をいただければ幸いです」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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