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2018.03.22 キャリア支援

「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催

「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
「第2回アスナビ選手研修会」を開催(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月19日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「第2回アスナビ選手研修会」を開催しました。アスナビを通じて採用されたトップアスリートを対象にした研修会は、昨年に続き今回が2回目。2018年度の新卒採用選手9名を含む、夏季競技の選手26名が参加し、「アスナビ選手として自覚を持ち、企業に何が貢献出来るのか?」というテーマのもと、グループワークを中心としたプログラムを通じて、企業の一員として自身に求められる役割を果たすために何が必要かを考える場となりました。

「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター(写真:アフロスポーツ)
「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
「アスナビ選手としての自覚を持つ」をテーマにグループワーク(写真:アフロスポーツ)

■「アスナビ選手としての自覚を持つ」

 はじめに、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが挨拶に立ち、アスナビ選手への“お願い事”を2つ挙げました。1つは、広義の意味でのアスナビファミリーとして、アスナビのブランドを高めていくこと。中村ディレクターは「アスリートを採用して良かったなと企業さんに実感していただいてこそ、この制度が社会に根付いていくと思っています。皆さんにはロールモデル、先駆者として後輩にバトンをつなげるような活躍をしてほしいと思います」と呼びかけました。そしてもう1つは、アスナビ選手が会社のために何ができるかを考えること。今までは、どちらかと言うと企業側がアスリートに対して「何をしてくれるのか」と考えるスタンスでしたが、「これからは皆さんが会社にどう貢献できるのか、そのようにパラダイム(支配的なものの見方・考え方)を変えてほしいと思っています」と、中村ディレクターは期待感を込めながら参加アスリートに語りました。

 今回のセミナーは2部構成で行われ、第1部は「アスナビ選手としての自覚を持つ」をテーマに、所由紀JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターが講義を実施。まず、6つのグループに分かれた選手たちはそれぞれ自己紹介し、自分が思う「理想のアスナビ選手像」を語った上で、「アスナビ選手として周囲からどのように思われ、期待されているのか?」を考えました。最初にワークシートを使って個人で考え、各自の意見をグループ内で共有。その後、共有した意見をまとめて「アスナビ選手として何を自覚すべきか」を話し合った選手たち。最後にグループ内でまとまった意見を「宣言」として発表し、各グループからは「応援レセプションパワー」「競技成績だけじゃない」「プロ意識」「感動を与えられる選手になる」などのキーワードが出てきました。

「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
上田春佳さん(写真:アフロスポーツ)
「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
大坂昂さん(写真:アフロスポーツ)

■先輩アスナビ社員からアドバイス

 第2部では「企業に何が貢献できるのか?考える」をテーマに、2人の先輩アスナビ社員が登壇し、それぞれの体験談を語りました。

 1人目は、アスナビ1期生として2011年4月にキッコーマン株式会社に入社し、ロンドンオリンピック競泳女子4×100mメドレーリレーで銅メダルを獲得した上田春佳さん。恩師でもある日本水泳連盟の平井伯昌競泳委員長から勧められてアスナビにエントリーしたこと、入社後の仕事内容や大会での企業の応援の力、引退後の業務などを説明しました。「会社の皆さんの応援が力になった。頑張ろうという気持ちになった」と振り返った上田さんは、「応援される選手になるために、挨拶と笑顔を大事にすること。そして、人間力のアップに努めてください」とアドバイス。また、選手である以上は結果が全てであり、「練習・競技への覚悟というものをもう一度考えてください」とメッセージを送りました。

 2人目は、レスリングのグレコローマン96キロ級で2012年全日本学生選手権優勝、2016年国民体育大会優勝などの実績を持ち、2014年4月にアスナビを通じて三菱電機株式会社に入社した大坂昂さん。実際の体験談として、自身が競技に打ち込むことで、周囲の社員が禁煙、食生活の改善、運動の習慣を取り入れるようになったという変化があったことから、アスナビ社員の会社への貢献方法の一例として「アスリートによる運動セミナーの開催」を挙げました。
 また、引退後の次のキャリアを考える際、「競技を通して得た強みと経験が道しるべになります。自分も『競技をしていたときはどうしていた?』と考えながら仕事をしています。競技とキャリアを1つに結びつけると、“次”に進むのも早くなるのではないかと思います」とセミナー参加選手にアドバイスを送りました。

「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
「企業に何が貢献出来るのか」について意見を共有(写真:アフロスポーツ)
「企業に何が貢献出来るのか?」をテーマに「第2回アスナビ選手研修会」を開催
グループでまとめた意見を発表した(写真:アフロスポーツ)

■「企業に何が貢献出来るのか」活発に意見交換

 2人の先輩アスナビ選手の体験談を踏まえた上で、次に行われたのはすでに社員として働いているアスナビ選手と、2018年度の新卒採用選手が2つに分かれてのグループワーク。社員のアスナビ選手は「企業に何が貢献出来るのか」を個人で考え、付箋に記入し、それらをグループ内で他のメンバーと共有。そして、共有した意見をまとめた上で発表しました。一方、新卒採用選手はその発表内容や現時点で抱えている不安などを先輩のアスナビ社員に質問。アスナビ選手同士で活発に意見が交わされ、「企業に何が貢献出来るのか」をより深く考える時間となりました。

 最後に「どのようなアスナビ選手になりかたいか」を、各選手がグループ内で宣言。セミナー終了後には選手同士、また上田さん、大坂さんと名刺交換をし、意見を交し合うなど、選手としてだけでなく社会人としての交流も深めました。

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