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2026.07.25 オリンピック教室

千葉県でJOCオリンピック教室を開催

 日本オリンピック委員会(JOC)は、7月8日、9日と10日の3日間、千葉県の習志野市立第五中学校にて、「JOCオリンピック教室」を開催した。JOCオリンピック教室は、オリンピック・ムーブメントの普及・啓発を目的とした取り組みで、オリンピアン(オリンピック出場選手)を講師として招き、オリンピズム(オリンピック精神)オリンピックの3つの価値「オリンピックバリュー=卓越(Excellence)、友情(Friendship)、敬意/尊重(Respect)」を体験的に学ぶ授業だ。中学生を対象に、運動と座学を通して、オリンピックバリューを身近に感じてもらうことを目的としている。

結果よりも大切なことは、全力で挑戦、ルールを守って仲間と協力すること

海渕先生の運動の時間
海渕先生の運動の時間

1時限目は、カヌーの海渕萌先生(ロンドン2012大会出場)による運動の時間。準備運動では、上半身や背中、股関節周りを伸ばすストレッチを実施。次に、じゃんけん勝ち抜けゲームを実施。40秒間で何人が最後まで進めるかを競った。生徒たちは声を掛け合いながら制限時間ギリギリまで全力で取り組んだ。主運動では、8の字跳びを実施。カヌー競技のスタートからゴールまでの時間をイメージした90秒間で、何回跳べるかを競う。途中に作戦タイムを設け、生徒からテンポを合わせることや声掛けなど、記録向上のための工夫が紹介された。最後は、縄に1回でも引っかかった時点で終了となるルールで挑戦。生徒たちは一度の失敗も許されない緊張感の中で集中して取り組み、本番一発勝負のプレッシャーを体験した。

じゃんけん勝ち抜け
じゃんけん勝ち抜け
8の字跳び
8の字跳び

好きなことや夢を信じて努力を続けてほしい

海渕先生の座学の時間
海渕先生の座学の時間

2時限目は座学の時間。海渕先生がオリンピック出場を決めた時の映像を見ながら、90秒ほどでゲートと呼ばれる関門の間を通りながら約300mの激流を上流から下流に向けて進み、タイムを競うとルールの紹介をした。両親がアウトドア好きだった影響で、子供のころからカヌーに親しんでいた。特殊な競技であるため、練習環境や方法で苦労することも多く、国内に十分な練習環境がなかったため海外へ渡り、より厳しい環境の中で競技力向上に取り組んだ結果、ロンドン2012大会への出場を果たすことができた。グループワークでは、生徒たちが運動の時間を振り返り、仲間を励まし合うことや最後まで諦めずに挑戦すること、ルールを守ることなどをオリンピックバリューと結び付けて発表した。最後に、今持っている純粋な気持ちや夢を大切にしながら、自分を信じて挑戦を続けてほしいと生徒たちにエールを送った。

運動の時間を振り返る
運動の時間を振り返る
グループごとに発表
グループごとに発表

「一生懸命やる」、「ルールを守る」、「協力する」の3つを守って取り組んでほしい

小口先生の運動の時間
小口先生の運動の時間

3時限目と5時限目は、スケルトンの小口貴子先生(平昌2018冬季大会出場)による運動の時間。初めに生徒全員で、スケルトンの滑走姿勢を疑似体験した。準備運動では、じゃんけん勝ち抜けゲームを実施。1回目は全員で何人がゴールまでたどり着けるかに挑戦し、2回目はどうすれば1人でも多くゴールできるかをテーマに取り組んだ。生徒たちは積極的にアイデアを出し合って協力して取り組んだり、残り時間がわずかになっても最後まで走り切ったりする姿が見られた。主運動では、チーム対抗の8の字跳びを実施。90秒間で何回跳べるかを競った。縄に引っかかっても、生徒たちからは「どんまい」などの温かい声掛けが自然と生まれ、チームで励まし合いながら取り組んだ。

スケルトンの滑走姿勢に挑戦
スケルトンの滑走姿勢に挑戦
8の字跳び
8の字跳び

日々の中に感謝や思いやりがある

小口先生の座学の時間
小口先生の座学の時間

4時限目と6時限目は座学の時間。スケルトン競技の映像や、氷上を走るために足の裏に剣山のような突起が付いた競技用のシューズを通して競技の紹介をした。競技生活を続けていくなかで、一度競技から退いたがその後、選手のサポートとしてオリンピックに携わったことで、オリンピックの舞台に自分も立ちたいという思いが強くなったと振り返った。自らスポンサーを探し、練習方法を工夫しながらオリンピックを目指したが、出場が叶わなかったため、競技を辞めることをスポンサーに報告した際に、「夢を見させてくれてありがとう」と声を掛けられた。この言葉で、初めて誰かのために頑張りたいという思いに気が付くことができ、応援してくれる家族や仲間、スポンサーの存在を改めて感じながら競技を続けた結果、平昌2018冬季大会に出場することができた。周りの人の支え、感謝や思いやりに気づき、優しさを持って人を応援できる人になってほしいと生徒たちにエールを送った。

日々の生活の中で活かせるオリンピックバリューを考える
日々の生活の中で活かせるオリンピックバリューを考える
身の回りの様々な価値に気づいてほしい
身の回りの様々な価値に気づいてほしい

何かを変えれば結果も変わってくる

勅使川原先生の運動の時間
勅使川原先生の運動の時間

7月9日は、ショートトラックの勅使川原郁恵先生(長野1998冬季大会、ソルトレークシティー2002冬季大会、トリノ2006冬季大会出場)による運動の時間。ショートトラック競技について紹介し、片手を床につけて身体を大きく傾けながら回転する動きを行い、コーナーを滑走する際の姿勢を疑似体験した。主運動では、チーム対抗の雑巾がけリレーを実施。円形のコースに沿って雑巾がけを行い、チーム全員で10周した際のタイムを競う。コーンに触れた場合はペナルティが課せられる。2回レースを実施し、その間には作戦タイムを設けた。生徒たちはより良い記録を目指して話し合いを行い、走る順番やリレーのつなぎ方などについて工夫を考えた。結果、多くのチームで順位変動が起こり、自分たちで工夫を考えて実践することが、結果につながると生徒たちは実感していた。

ショートトラックのコーナーを疑似体験
ショートトラックのコーナーを疑似体験
雑巾がけリレー
雑巾がけリレー

夢があったら諦めずに思い続ける

勅使川原先生の座学の時間
勅使川原先生の座学の時間

4時限目と6時限目は座学の時間。日本でこれまでに4回オリンピックが開催されていることを紹介するとともに、映像を交えて自身の競技人生を振り返った。中学生の頃から大人に交じってレースに出場し、日本一になった経験を紹介。学校の友達がサポートしてくれたおかげで競技と学業を両立することができ、応援してくれる友達や仲間、家族のためにも頑張りたいという思いが競技への原動力になった。オリンピックではメダル獲得まであと一歩というところまで迫ったが、夢が叶わない一番の理由は諦めてしまうことと考え、悔いの残らない人生にしたいという思いで挑戦を続けた。また、家族や友人など多くの人の支えがあったからこそ挑戦できたことにも触れ、周囲への感謝の気持ちの大切さを伝えた。夢は叶うことで次の目標へと変わっていくものであり、だからこそ夢を持ち続けて、諦めずに挑戦してほしい。そして、周りの人が応援してくれるようになるため、夢があるなら積極的に口に出してほしい、と生徒たちに呼び掛けた。

運動の時間に感じたことをオリンピックバリューに当てはめて考える
運動の時間に感じたことをオリンピックバリューに当てはめて考える
何事も諦めずに、いろいろなことに挑戦してほしい
何事も諦めずに、いろいろなことに挑戦してほしい

みんなでやることで、達成感が強くなる

長谷川先生の運動の時間
長谷川先生の運動の時間

7月10日は、陸上/三段跳びの長谷川大悟先生(リオデジャネイロ2016大会出場)による運動の時間。日本人初のオリンピック金メダルが三段跳びで獲得されたことを紹介し、日本人にとって馴染み深い競技であると伝えた。準備運動では、指示された身体の箇所に素早く触れる運動を実施。スポーツでは瞬時に状況を判断して体を動かすことが求められるため、判断力と身体の反応速度を高めてほしい。主運動では、チーム対抗の混成リレーを実施。走者ごとに歩く、走る、スキップと異なる走法で折り返し地点を回り、タスキをつないでタイムを競った。レースの間に作戦タイムを設け、自分たちで考えた工夫を積極的に実践した結果、多くのチームで記録向上につながった。

判断力と俊敏性を高めるゲーム
判断力と俊敏性を高めるゲーム
混成リレー
混成リレー

何かを始めるのに、才能や時期は関係ない

長谷川先生の座学の時間
長谷川先生の座学の時間

4時限目と6時限目は長谷川先生による座学の時間。初めに自身の三段跳びの競技映像を紹介。その後、はじめの2歩を同じ足で跳ぶなど三段跳びのルールを解説。映像では16.88メートルを跳躍し、「電車1両を3歩で跳び越える距離」、「教室なら1歩少しで跳び越える距離」と説明した後に、改めて競技映像を視聴。生徒たちは競技の迫力や跳躍の距離を実感した。その後、自身の競技人生について振り返った。中学生で陸上競技を始めたが、当時から運動が苦手で思うように記録は伸びなかった。しかし、跳ぶことが好きだったため競技を続けた結果、大学生で全国優勝を果たした。大学3年生の頃に「オリンピックを目指したい」と決意し、周囲から「目指すには遅い」と反対されるなか、諦めることなく5年以上の歳月を要して挑戦を続けた結果、オリンピック出場の夢を実現することができた。授業の後半は、生徒それぞれが日常生活の中でオリンピックバリューが必要となる場面について考え、その後グループで意見を持ち寄り発表した。失敗した時も、勇気をもって続けてきたから今の自分がある。皆にも、続ける勇気を持つことを大切にしてほしいと生徒たちに伝えた。

オリンピックバリューが必要となる場面を考える
オリンピックバリューが必要となる場面を考える
グループワークの発表
グループワークの発表

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