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2025.12.10 イベント

企画展「東京2025世界陸上&東京2025デフリンピック展」関連イベント「パブリックビューイング アスリートたちとともに、デフリンピック競技を観戦しよう!」を開催!

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「パブリックビューイング アスリートたちとともに、デフリンピック競技を観戦しよう!」を開催(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は11月24日(月・祝)、日本オリンピックミュージアム(JOM)で現在開催中の企画展「東京2025世界陸上&東京2025デフリンピック展」関連イベントとして、「パブリックビューイング アスリートたちとともに、デフリンピック競技を観戦しよう!」を開催しました。

 本イベントは、スポーツを通じた共生社会の実現を目指し、誰もがスポーツの魅力に触れる機会として、参加アスリートのオリンピアン、パラリンピアン、デフリンピアンがそれぞれの立場から競技の魅力を紹介し、東京2025デフリンピックを⼀緒に盛り上げることを目的としたイベントで、今回は栁田大輝選手、辻沙絵さん、設楽明寿さん(ともに陸上競技)の3名と一緒に陸上競技を観戦しました。

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栁田大輝選手(写真:アフロスポーツ)
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辻沙絵さん(写真:アフロスポーツ)
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設楽明寿さん(写真:アフロスポーツ)

 3名のゲストが登壇し、栁田選手は「短い時間ですが、各種目の面白さを伝えるお手伝いができたらいいなと思っています」と、辻さんは「皆さんと一緒に、デフリンピックの陸上競技を盛り上げていきたいと思います」と、設楽さんは「皆さんと一緒に応援を盛り上げていきたいと思います」と参加者に向けて挨拶をしました。

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観戦前にサインエールの練習(写真:アフロスポーツ)

 冒頭、『行け!』『大丈夫 勝つ!』『日本 メダルを つかみ取れ!』といったサインエール(日本の手話言語をベースに複数の動きを組み合わせた目に見える応援スタイル)をアスリートと参加者が一緒に練習し、観戦がスタートしました。

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バトンパスの実演をする栁田選手と設楽さん(写真:アフロスポーツ)

 パブリックビューイングでは女子4×100mリレー決勝、男子4×100mリレー決勝、女子4×400mリレー決勝、男子4×400mリレー決勝の4レースを観戦。3名のゲストによる分かりやすい解説とバトンパスの実演、それぞれの大会時のエピソードなどが語られ、充実した観戦のひとときを過ごすことができました。

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優勝が決まり喜ぶゲストと参加者たち(写真:アフロスポーツ)

 男子4×100mリレーおよび男子4×400mリレーで優勝が決まった瞬間には、大いに会場が盛り上がりました。

 男子4×100mリレー決勝後に栁田選手は「大きなミスなく、バトンを繋ぎきったことが結果につながったと思います」と、辻さんは「予選とはメンバーが変わって臨んだ決勝でしたが、さすが日本のチーム力だなと感じ、とても嬉しいです。おめでとうございます!」と感想を述べました。さらに、男子4×400mリレー決勝前には、3名のゲストからレース時におけるルーティンワークについて語られ、レースが始まると、緊迫したレース展開に息をのみ、アンカーの山田真樹選手が1着でゴールした際には、大きな歓声が上がりました。レース後に設楽さんは「初めての金メダル獲得に少しほっとしました。400mが専門ではない選手もいる中で、最後まで頑張ってバトンを繋いだことを誇らしく思い、おめでとうのエールを送りたいと思います」と選手を労いました。

 そして、レース間には3名によるトークショーが行われました。まずリレー種目の魅力や難しさを聞かれ、栁田選手は「トップ通過のチームがバトンパスの失敗で途中棄権したり、スムーズなパスができずに優勝候補が下位に終わったりとハプニングが起こりやすい種目です。最後までバトンを繋ぎきることが最も重要で、その大事なバトンパスをやり遂げたことが、日本チームが勝利できた最大の要因だと考えられます」と、辻さんは「今回金メダルを獲得した選手たちの姿を見て、この大きな舞台で走りたいという強い思いと、自国開催のプレッシャーがあったのではないかと想像しています。障害が異なる選手が走るユニバーサルリレーは、一般的なリレーと異なり、多様性の違いを楽しむ良い機会だと感じています」と、設楽選手は「今回、男子4×100mリレーが1位を獲得することができ、2021年のデフリンピックで途切れてしまったのが、2017年のデフリンピックから繋がってきたのがようやく戻ってきたなと感じます。デフリンピックに参加する時は、補聴器や人工内耳は一切使用できないルールで、音に頼らずに目だけで行うため、バトンパスも声をかけることはできません。その中でバトンパスをするということもデフリンピック陸上競技のリレー種目の魅力の1つだと思います」と語りました。

 そして、デフリンピック陸上競技特有のスタートランプについて、光刺激システムとは異なる方法を研究している設楽さんは「ランプによるスタートは、聴覚でのスタートよりも反応が遅く、記録に大きな影響を及ぼすという課題があり、この遅れを解消するため触覚によるスタート合図の方法を研究し始めました。体に反応が来ることで、聴覚と同じように体が反射的に動くことを目指すものです。記録争いにおいて、スタートのわずかな遅れが大きな違いとなるため、この研究は非常に重要だと感じています。今後は、さらに研究を進めて精度を高め、企業と連携しながら実用化を目指していきたいと考えています」と述べました。

 さらに、セカンドキャリアについて問われ、栁田選手は「競技生活は長くても30代後半であるため、設楽さんの話を聞き、引退後何をするかを早めに見つけておく必要性を感じ、引退後は陸上競技の発展や普及に役立つことができればと考えています」と、辻さんは「自身もセカンドキャリアに悩み、大学院で研究した経験から、同じ障害を持つ方々の将来や、より良い社会づくりに貢献したいという思いで活動しています」と述べました。

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参加者と記念撮影(写真:アフロスポーツ)

 観戦を終え、栁田選手は「どの国も金メダルを目指してやっている中で、複数の種目で金メダルを獲得したことは、応援していて素直にすごいなと思いますし、自身も次の愛知・名古屋アジア大会、世界陸上、オリンピックでメダルを獲得するために頑張っていきたいなと思います」と、辻さんは「皆さんとこのようにパブリックビューイングという形で、応援することができてすごく楽しかったですし、デフリンピック、オリンピック、パラリンピックのそれぞれの違いも知ることができ、新たな知識も増えたので、また応援する機会があれば、そういった知識をもっと増やして楽しみたいです」と、設楽さんは「2017年のデフリンピックで目標としていた、男子4×100mリレーと男子4×400mリレーの両種目での金メダル獲得を、今回達成することができ、本当に嬉しく思います。オリンピックやパラリンピックを合わせても両種目で同時に金メダルを取るということは、もしかしたら初めてだと思うので、この機会にお互いに切磋琢磨して、さらに競技力を高めていければいいなと思っています」と挨拶し、イベントが締めくくられました。

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