日本オリンピック委員会(JOC)は4月21日、「TEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリート認定式」開催しました。
認定式には2025年〜2028年のTEAM JAPANシンボルアスリート、TEAM JAPANネクストシンボルアスリートのうち、海外遠征中の選手らを除くシンボルアスリート8名、ネクストシンボルアスリート9名が出席しました。
最初に主催者を代表して挨拶に立った三屋裕子JOC副会長は、これまで高い競技力と人間力を兼ね備えたアスリートをJOCシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリートとして認定してきたこと、そして2022年からはスポーツを切り口にJOCとともに社会課題の解決に取り組むアスリートを『TEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリート』として認定している旨を述べました。さらに、「昨年のパリ2024大会でも多くのTEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリートが、TEAM JAPANの代表として『一歩、踏み出す勇気』を日本中に届ける活躍を見せてくれました。また、パートナーの皆様にも様々な場面でご起用いただきましたが、オリンピックやTEAM JAPANに対する応援の機運醸成、JOCマーケティング活動の推進という従来からの協力に加え、昨年11月には日本生命様との能登半島復興支援イベントや、選手個々によるソーシャルアクション事業の実施など、アスリート自らが社会課題の解決に向けて積極的に取り組んでくれました」と、TEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリートのこれまでの活動や活躍について語りました。加えて、「第2次JOC中期計画では『アスリートとともに スポーツの力を 社会の力へ』を基本目標として掲げております。JOCはこれからもアスリートを支え、アスリートとともにスポーツの力を社会に届けてまいります。TEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリートの皆さんが、来年に迫ったミラノ・コルティナ2026冬季大会や自国開催となる愛知・名古屋アジア大会、そしてロサンゼルス2028大会など、様々な国際大会でも活躍してくれることを心より期待しています。この認定を一つの契機として、競技力、人間力の両面でさらに成長し、大きく飛躍されることを願っています」とメッセージを送りました。
続いて、星香里JOC常務理事による概要説明の後、TEAM JAPANネクストシンボルアスリート認定式が執り行われ、9名のネクストシンボルアスリートが登壇。ステージでは、⼀戸くる実選手(スキー/ジャンプ)や谷地宙選手(スキー/ノルディック複合)、角皆友晴選手(体操/体操競技)や松島輝空選手(卓球)に、認定された現在の心境や今後の意気込みなどをインタビューしました。
続けて執り行われた、TEAM JAPANシンボルアスリート認定式では、8名のシンボルアスリートが登壇し、認定された心境や今後の目標、オリンピックに向けての意気込みやアスリートとしての活動についてコメントしました。
<新たにシンボルアスリートに認定された現在の心境>
・藤波朱理選手(レスリング)
「シンボルアスリートに認定していただきありがとうございます。これからもレスリングを通して日本に元気や勇気を与え、そしてシンボルアスリートに相応しくなれるように頑張ります」
・坂本花織選手(スケート/フィギュアスケート)
「シンボルアスリートに選んでいただきありがとうございます。選ばれたことは非常に光栄ですし、これをきっかけにより良い演技を皆さんの前で披露できるようにこれからも頑張ってまいります」
・北口榛花選手(陸上競技)
「シンボルアスリートに認定いただきありがとうございます。やり投げという種目はまだ皆さんにとって馴染みのないスポーツだと思いますが、このようにアスリートのシンボルとして選んでいただいたことによってより多くの方々に知ってもらえるきっかけになればいいなと思いますし、興味を持って応援してくださると嬉しいです」
<ミラノ・コルティナ2026冬季大会に向けての意気込みや現在の心境>
・渡部暁斗選手(スキー/ノルディック複合)
「改めてシンボルアスリートに選出していただき非常に嬉しく思っております。時代の移り変わりとともに、どういうアスリートが象徴として理想とされるかというところは大きく変わってきていると思うので、何をもってシンボルなのかということを自分でも考えながら活動していけたらと思っています。ミラノ・コルティナ2026冬季大会に関しては、おそらく最後のオリンピックになるだろうと自分でも思っています。会場となる場所は自分がワールドカップで初優勝した思い出深い場所でもありますし、そこでまたメダル獲得という季節外れの桜を咲かせて、自分の競技人生というものを締めくくるように全力で取り組みたいと思っております」
<これまでもシンボルアスリートとして活動してきた中で印象に残っていることや周囲の反応>
・見延和靖選手(フェンシング)
「シンボルアスリートに選んでいただき、自分自身とても嬉しかったのは当然ですが応援してくださった皆さんが同じように喜んでくれたというのが非常に心に残っております。オリンピックのメダルを目指すのと同じぐらい、日本のアスリートを象徴するシンボルアスリートになれたらいいなという想いをずっと抱いていたので認定されて嬉しかったですし、応援してくださった皆さんが同じように喜んでくれたことは非常に嬉しかった思い出です」
<日本を代表することへの心構え>
・阿部一二三選手(柔道)
「日本代表として恥じないように、生活面もそうですし、練習やトレーニング、そして大会に挑むことを心がけています。シンボルアスリートに再び選出していただいたのは非常にありがたいことで、アスリートとして多くの人に尊敬されるような人間になりたいと思っております」
<日本のスポーツ界を象徴する存在と期待されることについて>
・橋本大輝(体操/体操競技)
「『体操ニッポン』と言われるように、昔から体操競技については日本のお家芸と言われて多くの国民の方から注目され、オリンピックでも数々の先輩方のおかげで多くのことを引き継いでくることができ、現在の結果があると思っています。一方で、パリ2024大会で金メダルを獲得してからも、新たな選手が出てきてどんどん日本のレベルが上がってきているところですので、日本の体操競技のレベルをより高くしていきたいと思います。ロサンゼルス2028大会の団体総合で連覇することと個人総合で再び金メダルを獲得することによって『体操ニッポン』の強さが続くことに繋がると思うので、それが達成できるように体操界にもどんどん還元していき、またさらに自分自身の演技で何か一つ皆さんの心を動かすことができればと思っています」
<スポーツを通した社会貢献について、考えていることや検討している取り組み>
・上野由岐子(ソフトボール)
「ソフトボールはオリンピックの正式種目としてはまだ採用されていない競技ですが、まずは底辺の拡大ということで、子供たちにソフトボールの楽しさを伝えソフトボールを長く続けてもらえるように、たくさんの子供たちと選手が触れ合う活動を広めています。試合の後に子供たちと一緒に交流したり、ソフトボール教室を行ってスキルや技術を伝えていけるような活動をこれからも続けていけたらと思っていますし、また海外のソフトボール選手とたくさん交流し、日本での国際試合がより多く開催できるようにと尽力しているところです」
<ビデオメッセージ>
・髙木美帆選手(スケート/スピードスケート)
「シンボルアスリートに継続起用していただき、非常に誇りに、また嬉しく思います。シンボルアスリートとしての自覚を持ち、責任ある行動をとりながら真摯にスピードスケートに向き合っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします」
TEAM JAPANシンボルアスリート認定式に続いて、スペシャルコンテンツとして『TEAM JAPANネクストシンボルアスリートが聞きたいTEAM JAPANシンボルアスリート”ココだけの話”』と題されたトークショーが行われ、シンボルアスリートからは北口選手、渡部選手、阿部選手が、ネクストシンボルアスリートからは玉井陸斗選手(水泳/飛込)と島田麻央選手(スケート/フィギュアスケート)が登壇しました。
ネクストシンボルアスリートからの質問にシンボルアスリートが答えるという形式のトークショーでは、まず玉井選手が「何を意識して練習や試合に取り組んでいますか」という質問をしました。その質問に対し渡部選手は「練習も試合も、常に自然体でいることを意識しています。練習だから、試合だからとならないように。スキーは屋外競技で、天候に左右されて自分のパフォーマンスを発揮できなかったり、試合自体が中止や延期になることもあります。常にそのような流れの中で、自分というものを見失わないために、自然体でいることや、自分が何を大切にしているかを常に考え続けることを大切にしています」と回答しました。
続いて島田選手からの「オリンピックは4年に1度の夢の舞台ですが、本番にピークを持ってくるために取り入れているピーキング法はありますか」という質問に対しては、阿部選手が「柔道の場合、年間3〜4大会に出場しますが、自分は減量で体重を少し落とさないといけません。約2か月かけて減量するのですが、その2か月間で大会に向けてのピーキングというか、コンディションを調整しています」と回答。さらに「この大会に向けて、何か月で一番のピーキングを持っていけるかというのをいろいろと試しながらやっていけばいいのかなと。期間を定めて大会に合わせるピーキングを行うのがいいのではないかと思います」とアドバイスを送りました。
トークショーの最後には北口選手が「本日このように様々な競技の方々とお話しするだけで色々な発見があり、自分の競技以外からでも自分に役立つことはたくさんあると感じました。スポーツをしている人もしていない人も、自分と違うなと感じる人と関わり合うことは大切だと思うので、子どもたちにも多くの方と交流してほしいなと思います」と子どもたちに向けてメッセージを送りました。
その後、シンボルアスリート・ネクストシンボルアスリート、JOC役員によるフォトセッションが行われ、TEAM JAPANシンボルアスリート・ネクストシンボルアスリート認定式が締めくくられました。
■TEAM JAPANシンボルアスリート一覧
・北口榛花(陸上競技)
・渡部暁斗(スキー/ノルディック複合)
・橋本大輝(体操/体操競技)
・髙木美帆(スケート/スピードスケート)
・坂本花織(スケート/フィギュアスケート)
・藤波朱理(レスリング)
・見延和靖(フェンシング)
・阿部一二三(柔道)
・阿部詩(柔道)
・上野由岐子(ソフトボール)
■TEAM JAPANシンボルアスリートとは
実力、知名度、人格などを総合的に評価し、JOCが「唯一無二のシンボル的存在」として認定するトップアスリートです。オリンピック・ムーブメント推進事業およびマーケティング活動に協力し、JOC Vision 2064の定める「高い競技力と人間力に加えて、社会に大きな影響力を持つキャリアを歩み、誰もが憧れるアスリ-ト」の象徴として、TEAM JAPANを代表する存在として活躍します。 そのため、日本代表選手の中において、「TOP of TOP」の存在であることを常に意識し、「高い競技力」と「高い人間力」を兼ね備えたアスリートであるとともに、より高みを目指し、スポーツ界・広くは社会への還元を目的とした活動を目指します。
■TEAM JAPANネクストシンボルアスリート一覧
・栁田大輝(陸上競技)
・玉井陸斗(水泳/飛込)
・一戸くる実(スキー/ジャンプ)
・谷地宙(スキー/ノルディック複合)
・上野真歩(ホッケー)
・角皆友晴(体操/体操競技)
・森重航(スケート/スピードスケート)
・島田麻央(スケート/フィギュアスケート)
・伊藤麻琴(アイスホッケー)
・小野正之助(レスリング)
・松島輝空(卓球)
・新井道大(柔道)
・宮崎友花(バドミントン)
・野畑美咲(ライフル射撃)
■TEAM JAPANネクストシンボルアスリートとは
シンボルアスリートに続き2013年に制定された次世代の日本スポーツ界を代表する存在として、JOCが認定する若手アスリートです。JOCのオリンピック・ムーブメント推進事業及びマーケティング活動に積極的に協力することを通じて、次期シンボルアスリートとして、TEAM JAPANをけん引する存在となることを目指します。
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