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2025.03.19 選手強化

7名が新たな門出 2024年度JOCエリートアカデミー修了式

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2024年度JOCエリートアカデミー修了式が行われた(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月2日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「2024年度JOCエリートアカデミー修了式」を開催しました。JOCエリートアカデミーは、選手がオリンピックで活躍するとともに充実した人生を歩み、社会課題解決にも貢献しながら、憧れの存在となるアスリートの土台を築くことを事業理念に実施され、今年度で17年目。各競技団体から推薦された有望なジュニア選手が集まり、味の素トレセンを拠点にして集中的な指導の下で育成・強化が行われており、2024年度は6競技22名の選手が所属していました。

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修了式には家族や関係者、エリートアカデミー在校生らが参列しました(写真:フォート・キシモト)

 今年度は3競技7名が修了を迎えました。式には修了生をはじめ、その家族や関係者、エリートアカデミー在校生らが参列しました。JOCエリートアカデミー事業の小口貴久ディレクターより修了生が紹介されると、世界での活躍を目指して4月から次のステップへ向かう修了生たちが温かな拍手で迎えられながら会場に入場しました。

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主催者を代表して服部道子JOC理事が祝辞の挨拶(写真:フォート・キシモト)

 国歌斉唱の後、JOCナショナルトレーニングセンター専門部会副部会長でもある服部道子JOC理事が主催者を代表して祝辞の挨拶に立ち、「入校されてから今日まで、先輩や後輩、そして同期の仲間たちと共に数多くの経験をされてきたことと思います。国内外の大会で好成績を残したという喜びもあれば、コロナ禍での活動制限や競技成績の伸び悩みや怪我など苦しんだこともあったかと思います。また、学校やアスリートビレッジでの生活では時間を効率的に使いながら学業と競技を両立させ、TEAM JAPANとして、そしてエリートアカデミー生としての見本を示してくれました」と修了生を祝福。そして、ロサンゼルス2028大会やブリスベン2032大会など修了生の今後の期待にも触れ、「これから皆さんは大きな世界に一歩踏み出します。広い世界では、ときには自分自身を見失ってしまいそうになったり、光が見出すことができないこともあるかもしれませんが、勇気を持って一歩ずつ皆さんの人生を切り開いていってください」と激励の言葉を送りました。

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来賓代表としてスポーツ庁の⽇⽐謙⼀郎競技スポーツ課長が挨拶(写真:フォート・キシモト)

 続いて、来賓代表としてスポーツ庁の⽇⽐謙⼀郎競技スポーツ課長が挨拶。「ここに至るまでには予想を上回る厳しいトレーニングや、親元を離れた集団生活への不安、時には壁にぶつかることもあり、苦しく辛いことも少なからずあったと思います。しかしながら、仲間と切磋琢磨し、時には助け合い励ましあいながらそれを乗り越えてこられました。また練習だけでなく、食事や生活など環境面でのサポートも受けながら、トップアスリートとして必要な競技力、知的能力、生活力の向上を図り、考える力を身に付けた立派なアスリートとなられました。どんな時もここで頑張ったことを大切にし、修了生としての自信と誇りを持ち、これまで温かく見守ってくださった保護者をはじめ、多くの方々に支えられてきたということを忘れずに、今後もより一層励んでいただけたらと思います」と祝辞を述べ、エールを送りました。

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JOCエリートアカデミー在校生を代表して吉川華奈さんが送別の言葉(写真:フォート・キシモト)

 服部JOC理事が修了生に修了証を授与したのち、JOCエリートアカデミー在校生を代表して吉川華奈さん(レスリング)が登壇。修了生一人ひとりに向けて、一緒に過ごした日々の思い出や感謝の言葉を語ると、「先輩方には多くのことを学ばせていただきました。日々の何気ない会話や一緒に笑い合った時間、ときには厳しく指導していただいこと、全てが私たちにとって貴重な経験となりました。新しい環境でも先輩方らしく輝いてください。本当にありがとうございました」と送別の言葉を述べました。

 次に修了生が1人ずつ決意表明を行い、JOCエリートアカデミーで過ごした日々を振り返りながら、お世話になった方への感謝と新たな道へと進む意気込みを語りました。

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吉田アリヤ選手(写真:フォート・キシモト)

■吉田 アリヤ(よしだ・ありや)
競技:レスリング
学校:帝京高等学校
進路:日本大学 スポーツ科学部
主な競技成績:2023年東アジアユース競技大会 男子65㎏級優勝など

「私は6年前、JOCエリートアカデミーに入校しました。当時は毎日練習についていくのに必死だったことを覚えています。先輩たちのすごさを日々実感し、何もできない自分が嫌になることもありました。そのようなときでも、一緒に楽しく過ごしてくれた同期、多くのことを優しく、ときには厳しく教えてくれた先輩方、一緒に頑張って乗り越えてくれた後輩たち、みんなのおかげでここまで来ることができました。そしてここまで指導してくださった監督やコーチにはいくら感謝してもしきれません。自分たちが競技に専念できるように生活を支えてくださったスタッフ方々ありがとうございました。これから大学に進学し、競技のレベルは上がって勉強も難しくなるなど多くの困難にぶつかると思いますが、ここで得た経験を生かして困難を乗り越え、競技力だけではなく人間力も鍛えていきます。そして自分の目標であるオリンピックでの金メダル獲得という目標を叶えるために頑張ります。ここで過ごした6年間は自分にとって宝物です。ありがとうございました」

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髙根澤虎白選手(写真:フォート・キシモト)

■髙根澤 虎白(たかねざわ・こはく)
競技:レスリング
学校:帝京高等学校
進路:中央大学 法学部
主な競技成績:2024年関東高校選抜大会 男子71kg級優勝など

「私は6年前、夢と希望を胸にJOCエリートアカデミーに入校しました。最初の頃は何をすればいいのか分からず、私生活も練習も全てが大変でした。時には練習が厳しく、練習中や寝る前に泣いてしまうことが何度もありました。しかし、先輩たちの背中を必死に追いかけるうちに練習もこなせるようになり、現在の自分へと成長することができました。監督やコーチには技術だけではなく、人としての礼儀や大切なことをたくさん教えていただきました。今まで学んだことは決して忘れず、これからの生活に生かしていきます。本当にありがとうございました。私がこのアカデミーで生活できたのは、多くの方々の支えがあったからです。皆さんのおかげで、何の不自由もなく競技に集中することができました。6年間本当にありがとうございました。6年間楽しく過ごすことができたのは同期の仲間達のおかげです、ありがとう。ここでの6年間の生活で学んできたことを忘れずレスリングを続けていきます。常に結果を出していくことは簡単ではないかもしれませんが、諦めずに努力を積み重ねていき、オリンピックで金メダルを獲得してこれまで支えてくださった方々に恩返しできるように頑張ります。最後に、私がどのような状態でも一番の味方でいてくれた家族に心から感謝しています。これからもよろしくね」

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内田颯夏選手(写真:フォート・キシモト)

■内田 颯夏(うちだ・そわか)
競技:レスリング
学校:帝京高等学校
進路:日本大学 文理学部
主な競技成績:2024年U20世界選手権大会 女子57kg級優勝など

「私は5年前、コロナ禍という困難な状況の中、JOCエリートアカデミーに入校しました。小学生の頃から憧れていたこの場所に入校できたことは非常に嬉しかったですが、初めは物事があまり上手く進まないことも多くあり、期待を膨らませつつも若干の不安もありました。今の自分にできることはないかと、必死に考えながら少しでも先輩たちに追いつけるように全力を尽くしました。嬉しいことも辛いこともたくさんありましたが、少しずつ先輩方に追い付けている実感がわいてきて、喜びを感じながら頑張ることができました。最初は何もできなかった私がここまで成長することができたのは、監督やコーチのおかげです。本当にありがとうございます。嬉しいとき、辛いとき、どんなときも支えてくれた家族。同じ目標に向かって切磋琢磨した仲間。いつも美味しいご飯を提供してくださったサクラダイニングの方々。身の回りの生活をサポートしてくださったエームサービスの皆さん。多くの方々に支えられて、私はこの5年間成長することができたと思います。本当にありがとうございました。私の夢はロサンゼルス2028大会で金メダルを獲得すること、そして誰かに憧れられるような選手になることです。ここで培った技術、精神力、挑戦する姿勢、人間力を胸に自分で決めた道を信じて、もっと進化した内田颯夏を皆さんに見せられるようにこれからも努力していきます。5年間本当にありがとうございました」

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中島真央選手(写真:フォート・キシモト)

■中島 真央(なかしま・まお)
競技:ローイング
学校:成立学園高等学校
進路:立教大学 スポーツウエルネス学部
主な競技成績:2024年U19アジア選手権大会 女子ダブルスカル3位など

「私は高校1年生のときにJOCエリートアカデミーに入校しました。この3年間を振り返ると生活面や競技面で苦しいこと、辛いことがたくさんありました。オリンピアンや日本代表選手など高い志を持っている方々と共に生活することで、高いレベルを目指して練習することができました。一方で自分と比較してしまい、自信をなくしてしまうことがありました。しかし、それを乗り越えてこられたのは支えてくれる仲間がいたからです。他愛もない会話や競技についての相談ができるアカデミーの仲間。いつもおかえりと迎えてくださったり、美味しいご飯を作ってくださったりなど、様々な面で支えてくださった皆さん。サクラダイニングの皆さん。ありがとうございました。そしてどんなときも味方でいてくれて、自分のことのように喜んでくれたり励ましてくれた家族とコーチ。本当にありがとうございました。特にこの1年は1人で練習していたため、気分が乗らずに練習場に向かうこともありましたが、コーチはいつも明るく話しかけてくださり、そのおかげで励まされて練習を頑張ることができました。本当にありがとうございました。このような温かな方々なおかげで選手として、人として成長することができました。4月からは立教大学に進学しますが、ここで学んだことを生かし、ブリスベン2032大会に向けて日々努力を重ねていきますので、応援よろしくお願いします」

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松岡天丸選手(写真:フォート・キシモト)

■松岡 天丸(まつおか・てんまる)
競技:アーチェリー
学校:都立足立新田高等学校
進路:東京国際大学 人間社会学部
主な競技成績:2023年世界ユース選手権大会 U18男子団体6位など

「私は中学2年生のときにJOCエリートアカデミーに入校しました。この5年間を振り返ると、自分を支えてくれる方々がいつも近くにいました。その方々のおかげで、今日まで努力してくることができました。いつも正しい道を教えてくれた監督やコーチがいました。スポーツの楽しさを気づかせてくれた仲間やライバルがいました。アスリートビレッジに帰るとおかえりと言って迎え入れてくれ、生活を支えてくれた多くの方々がいました。そしていつも見守ってくれる家族がいました。未熟な僕は弱音を吐いたり八つ当たりすることもありましたが、それでも支えてくださった方々には感謝してもしきれません。これからの人生も困難なことが待ち受けていると思いますが、どんなに辛いことがあっても諦めなかった自分と、そして自分を支えてくれる方々を信じて、これからも夢に向かって努力していきたいと思います。5年間ありがとうございました」

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古庄日和子選手(写真:フォート・キシモト)

■古庄 日和子(ふるしょう・ひわこ)
競技:アーチェリー
学校:都立足立新田高等学校
進路:立教大学 スポーツウエルネス学部
主な競技成績:2023年関東高等学校選抜大会 女子個人2位など

「4年前の春、オリンピックでメダルを獲得するという目標を持って、JOCエリートアカデミーに入校しました。当時は親元を離れての寮生活、コロナ禍での行動制限や自粛生活によって、気持ちが沈んでしまうこともありました。しかし、東京2020大会に出場する選手たちを間近に見ることができた経験は非常に大きな刺激になりました。今思い返すとJOCエリートアカデミーで過ごした4年間はあっという間だったと感じます。私は試合で思うような結果が出たことはありませんでした。練習や日常生活で自分と他の人を比較し、落ち込むこともありました。それでもこれまで競技を諦めずに続けてこられたのは共に切磋琢磨する仲間、監督、コーチ、友人、そして家族の存在があったからです。様々な方々の支えのおかげでこれまで競技をやってこられたと実感しています。JOCエリートアカデミーで培った経験やアーチェリーを通して出会ったご縁に感謝し、これらを財産として今後も大切にしていきます。春からは立教大学スポーツウエルネス学部に進学します。目標に向かって競技者として、また一人の人間として必ず成長できるように、理想像を心に持ち、一日一日を一生懸命に過ごしていきます。これからも応援よろしくお願いします。本日はありがとうございました」

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五関晄子選手(写真:フォート・キシモト)

■五関 晄子(ごせき・あきこ)
競技:アーチェリー
学校:都立足立新田高等学校
進路:早稲田大学 スポーツ科学部
主な競技成績:2023年世界ユース選手権大会 U18女子団体5位など

「私は3年前の春、オリンピックでの金メダル獲得という目標を掲げ、JOCエリートアカデミーに入校しました。3年間という短い時間ではありましたが、競技力、人間力、生活面において、簡単には得ることのできない経験を数多くしてきました。入寮当初は慣れない寮生活や忙しい毎日で、練習についていくのがやっとでした。今思えば懐かしく感じ、チームの皆と充実したアカデミー生活を送ることができました。練習面ではありがたいほどのサポートを受け、不自由なく練習できたことに非常に感謝しています。また、アーチェリーはメンタルスポーツでもあるため、大学進学後はスポーツ心理学について学び、メンタル、フィジカル共に強い選手になります。3年間支えてくださった皆様、本当にありがとうございました」

 最後に修了生にむけた応援メッセージ動画が流れ、修了式は締めくくられました。

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