『活躍中の社員アスリート』
【会社概要】
城北信用金庫
本部:東京都北区
創立:1921年5月
預貯金残高:2兆6770億円
貸出金残高:1兆3076億円
店舗数:90店舗
常勤役職員数:1816人
社員アスリートのSNS発信で「地域とつながる」
これまで9名のアスリートをJOCアスナビで採用し、6名が引退(うち、4名が社業に専念)。現在は3名のアスリートが競技を続けております(注:2025年1月現在)。また、4月には新たに4名のアスリートが加わる予定です。
当金庫は、東京北部と埼玉南部を商業エリアとしています。本業の金融業により、地域の信用と信頼を得ることが大切であるのと同時に、非金融の領域で「地域とつながっていく」ことも重要であると考えています。この地域とつながるための非金融の取り組みを担うのがコミュニケーション開発事業部で、地域情報サイトの運営や地域毎のイベント開催の企画運営を行ったり、他部署と協力してインターネットラジオによる情報発信も行っていて、社員アスリートの活動もその一環と位置づけています。イベントの運営や情報発信コンテンツを外注することなく、すべて自前で運営しているのが特徴の一つです。
アスリートの雇用は2014年から開始しました。元々は、女性アスリートの就労環境を良くしたい、という思いからのスタートでしたが、現状では地域と当金庫がつながっていくための重要な役割を選手が担っており、その武器の一つがSNSというわけです。
SNSの運用は、アスリート個人による発信と、当金庫公式アカウントによる発信の二軸です。現状ですと、選手のフォロワー数の方が多いですね。やはりアスリートの魅力がダイレクトに発信されるので、「当金庫の公式アカウント」といった瞬間、アスリートの生の声と比べると見劣りがしてしまうのかもしれません。ただ、法人アカウントであっても、アスリートの人間性や競技者としての魅力を出来るだけそのまま発信していくことで、当金庫のアスリート支援の姿勢が地域に伝わっていきます。その積み重ねが、結果的には企業のブランディングにつながっていくと考えます。
選手のインスタによる発信は、基本的には本人の意思に任せ、自由に発信してもらっています。ただ、ネガティブ発言やイメージダウンにつながりかねない言動には注意が必要なので定期的に確認するようにはしています。このあたりは入庫の際、最初に「アスリートとしての立ち位置」を明確にして各選手に要望することでクリアできると思います。
当金庫公式のアカウントは、InstagramやYouTubeにブログなど、ツールを使い分けています。
共通して心がけているのは企業のPRではなく、選手の魅力を伝えることにこだわること。ですからできるだけ選手の言葉をそのまま使うようにしていますし、写真や動画も選手が自分で撮影したものを使うようにしています。競技情報の発信や結果報告などが発信内容の柱となりますが、競技以外の選手の素顔が見えるような発信も交えるなど、内容のバランスにも配慮をしています。
また、「地域とつながる」ことが目的ですので、それに応じたコンテンツを発信する必要もあります。例えば、地元の神社にお参りする選手を撮影してアップしたり、荒川の河川敷で撮影してみたり。全国的な観光名所でなくても、地域の皆さまにとっては大切な場所です。そうした「親しみやすさ」は常に意識しています。
今後は、フォロワー数の増減やコメントを見ながら、選手と一緒に内容を考えていきたいですね。例えば、グッズやオリジナルカレンダーを使ったファンコミュニケーションイベントなどは、多くの方が興味をもって見てくださっていますのでこの取り組みの頻度を増やしたいと考えています。
同時に、発信することによるリスクも考えなくてはなりません。昨今、アスリートに対する誹謗中傷が問題になっていますが、選手個々人に対してダイレクトに問合せや意見、特にネガティブな声が届かないように配慮する必要があります。今後さらに注目されるようになった場合でも、ある程度のことは仕組みで守れると思っています。
効果測定を重ねつつ、リスクを踏まえ、また選手の本業である「競技で結果を出すこと」に最大限の配慮をして、これからも社員アスリートによるSNS発信は続けていきます。地域に愛される信用金庫を、選手と一緒に目指していきたいと思います。
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