日本オリンピック委員会(JOC)は7月5日、東京体育館メインアリーナで第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)のTEAM JAPAN壮行会を実施しました。壮行会には選手393名、監督・コーチ等304名のTEAM JAPAN総勢697名(7月4日時点)のうち、海外での遠征・合宿等に参加している選手らを除く310名が出席、そして小・中学生など約6,000名の観客が参加しました。
壮行会のオープニングでは、TEAM JAPAN応援リーダーの松岡修造さん、応援副リーダーの高橋尚子さん、司会を務める平井理央さんが登場。先に行われていた結団式会場から壮行会会場へと向かっているTEAM JAPANを待つ間、3人のトークで会場を盛り上げます。オリンピアンであり、またキャスターやサポーターという応援する側の立場としての実績も豊富なお二人はそれぞれの経験から、松岡さんは「東京2020大会は無観客でした。しかし今回は違います。僕らの大きな力をしっかり届けていきましょう」と、高橋さんは「パリまでその都度皆さんの声を届けることはできません。だからこそ今日、大きな声で選手を応援しましょう。今日の応援が選手の心にずっと残って不安や恐怖に打ち勝てるようになるので、皆さんよろしくお願いします」と会場に呼びかけました。
続いて、壮行会中にTEAM JAPANに向けて行う激励エールの練習を行いました。エールを先導する渋谷区立鳩森小学校の生徒たちが登場し、激励エールのお手本を見せた後、参加者も一緒になってエールの練習を行います。その光景を見た高橋さんは「何回か練習しましたが、最後の方は単にやり方をなぞるだけでなく、選手に想いを届けようという気持ちが伝わってきたので、皆さん本番もぜひよろしくお願いします」と、松岡さんは「皆さんの声援を通して選手たちがここで日本中の想いを注入することで、自分は一人ではなくみんなが応援してくれているんだという気持ちに変わると思います」と会場に呼びかけました。
そしていよいよTEAM JAPANの入場が始まりました。最初に入場してきたのは東京2020大会公式マスコットであるミライトワとソメイティ。人気マスコットの登場に、会場の子どもたちから大きな声援が上がります。
次に、TEAM JAPANの江村美咲旗手、半井重幸旗手、尾縣貢団長、土肥美智子副団長、谷本歩実副団長、井上康生副団長が入場し、続けて競技ごとにTEAM JAPANが入場しました。大きな拍手や声援に包まれながら入場する選手たちは、ミライトワとソメイティや、松岡さん、高橋さんとハイタッチしたり、参加者に向かって手を振るなど、会場の雰囲気を楽しむ様子が見て取れました。
国歌斉唱が行われた後、主催者を代表して三屋裕子JOC副会長が登壇。「TEAM JAPANは、『一歩、踏み出す勇気を。』をコンセプトに、パリ2024大会に向けて取り組んできました。アスリートの皆さんは応援される存在だけではなく、素晴らしい成績を残すだけでもなく、目標に向かうアスリート自身の姿を通して多くの方に一歩踏み出す勇気を届けられる存在であってほしいと願っています。このような時代だからこそ、一歩踏み出すことで素晴らしい未来が待っているということを多くの方々、特に子どもたちに届けていただきたいと思っています。ここから開幕まで約20日間のTEAM JAPANの歩みは、焦ることなく着実に前進していかなければなりません。そして、スポーツの価値やオリンピックの価値をより高め、広めることは、スポーツに関わる私達1人1人の言動や姿にかかっています。選手、監督、コーチの皆様は、正々堂々と全力で競技に挑むことはもちろん、それぞれが日本代表としての自覚、憧れられるアスリートになるという自覚を持ち、行動してください」と挨拶しました。
次に、来賓挨拶として岸田文雄内閣総理大臣から「厳しい予選を勝ち抜き勝ち取ったオリンピックへの切符、これまで積み重ねてこられた努力に心から敬意を表します。いよいよ本番です。パリ2024大会は8年ぶりに観客を入れてのオリンピックです。日本選手の活躍を願っている日本中、そして世界中の観客の声援を力に変え、今までの練習で培った力を出し切り、最高のパフォーマンスを発揮してください。選手の皆さんのそれぞれの目標を達成されることを願っています。スポーツには大きな力があります。日頃から己の限界まで努力を積み重ね、オリンピックという大舞台で躍動する選手の皆さんの姿が子どもを始め、人々に大きな夢や感動を与えます。皆さんのどんな状況の中でも折れない心、負けない心、強い気持ちが、今困難に立ち向かおうとしている人々に勇気を与えてくれます。皆さんを心から応援しています。頑張れTEAM JAPAN!」と、ビデオメッセージにて激励の言葉が送られました。
続けて応援プログラムが行われました。まずは北区立稲付中学校の生徒たちが「オリンピックに出場する選手の皆さんが何度も挑戦する姿に、仲間を信じ自分を信じて全てを乗り越え躍動する姿に、私たちはいつも、一歩、踏み出す勇気をもらっています。だから今度は私たちから勇気を届けます。頑張れ!TEAM JAPAN!パリオリンピックへとどけ!勇気!」とリレーメッセージを贈りました。
次に会場のビジョンに応援映像が流れ、続けて激励エールが行われました。渋谷区立鳩森小学校の生徒たち、そして会場中が事前に練習したとおりの大きな声で「とどけ!勇気!頑張れ!ニッポン!」というエールを選手たちに向けて贈りました。
リレーメッセージ、応援映像、そして激励エールを受けて、馬瓜エブリン選手(バスケットボール)は「皆さんの応援のおかげで、一歩踏み出す勇気をいただきました。今日いただいた声は、間違いなくパリで思い出すはずです」、見延和靖選手(フェンシング)は「勇気がたくさん届きました。オリンピック開幕まで1ヶ月を切って普段の練習も緊張感が高まっていますが、あともう一歩踏み出す勇気をもらいました」、四十住さくら選手(スケートボード)は「一生懸命頑張ってくれている子供たちの姿を見て、本当に勇気をいただきました。パリ2024大会は東京2020大会と違って観客もたくさんいると思うので、連覇を目指してがんばります」とコメントしました。
続いてスキマスイッチの大橋卓弥さんと常田真太郎さんが登場し、アーティストライブが行われました。1曲目に披露したのは『ガラナ』、そしてアスリートを周囲に呼び寄せてから2曲目に『全力少年』を披露しました。
スキマスイッチの演奏を聴いた藤波朱理選手(レスリング)は「『全力少年』を間近で聴けて、『世界を開くのは私だ!』という気持ちになりました」と、本多灯選手(水泳/競泳)は「東京2020大会のときはまだ学生で少年の気持ちで泳げていたのですが、最近は不安や緊張が大きくなってしまう部分がありました。しかしパリ2024大会では、少年の心を取り戻して全力で楽しみたいと思います。パリでは世界を灯します」と、梶原悠未選手(自転車/トラック)は「東京2020大会で銀メダルを獲得してからこの3年間で、地球一周分、約4万キロ以上のトレーニングを積んできました。本番に全力を発揮して金メダルを獲得できるように、パリに行ってからも『全力少年』を聴いて頑張ります」と感想と意気込みを述べました。
また大橋さんは「皆さんに少しでも勇気を届けられたらと思って一生懸命演奏しました。日本で応援していますので、くれぐれも怪我に気をつけて頑張ってください。日本を元気にしてください」と、常田さんは「皆さんも準備もだいぶ仕上がっていると思うので、僕から言えることはほとんどないかと思います。頑張れニッポン!」とTEAM JAPANに向けてメッセージを送りました。
その後、TEAM JAPAN代表挨拶として、尾縣団長、江村旗手、半井旗手が登壇。尾縣団長は「パリ2024大会で私達は最高のパフォーマンスを皆さんに届けます。そしてもう一つ、スポーツの新しい価値を創り、多くの人たちに伝えたいと思っております。そのために私たちは『一歩、踏み出す勇気を。~ともに更なる高みへ~』というコンセプトを設けました。皆さんの声援を受けながら躍動するアスリートを観て、多くの人たちが一歩踏み出そうという気持ちになってくれれば嬉しいです。私達TEAM JAPANのエネルギーは皆さんの応援です。皆さんの想い、そして温かい声援をお願いいたします。選手の背中を押してください。行ってきます」と、江村旗手は「これまでつらいことや苦しいことの方が多かったのですが、皆さんのエールをいただいてここまで頑張ってきてよかったなと思いましたし、大会前なのに涙が流れそうになりました。やはりどれだけ準備をしていても怖い気持ちはあります。ただ、皆さんの応援をいただいて、自分を信じることはすごく難しかったですが、皆さんも信じてくれているのだからあとはもうもらったエネルギーを試合でぶつけるだけだと思うことができました。悔いのないように全部出し切って、戦う姿を皆さんに届けたいと思います。その姿にまた皆さんが力をもらってくれれば、私達もすごく嬉しいです」と、半井旗手は「皆様のパフォーマンス、そして音楽、言葉。本当に我々全員が勇気づけられましたし、皆さんが今日私達にエールを送ってくださったように、我々はパリ2024大会を通して皆さんに感動や元気を与えていけたらと思います。ですので、パリ2024大会が終わるまで、引き続き応援のほどよろしくお願いします」と語りました。
最後に小学生2名から江村旗手、半井旗手に記念品としてパリ2024大会TEAM JAPAN オフィシャルスポーツウェアの端材を再利用し制作された「TEAM JAPANミサンガ」が贈られました。続けてセンターサークルにアスリートが集まり「GO!TEAM JAPAN!」の掛け声と共に高く腕を掲げ、壮行会が締めくくられました。
退場時にはアスリートたちが会場を一周しながら観客席にサイン入りボールを投げていき、最後まで参加者を盛り上げていきました。
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また、壮行会前後には、6月6日〜20日に実施された「TEAM JAPANと一歩、踏み出そうキャンペーン 第一弾」の当選者15組が、バックヤードツアーに参加しました。
壮行会前はバックヤードにて、壮行会会場へ到着するアスリートをお出迎え。バスケットボール女子チームやブレイキン、スポーツクライミングなどの選手たちの会場入りを間近で見届けました。
壮行会をスペシャルシートで観覧した後は囲み取材が行われているバックヤード付近へ移動。取材終了後の藤波選手、本多選手、鈴木聡美選手(水泳/競泳)、玉井陸斗選手(水泳/飛込)から直接メッセージを頂いたり記念撮影をするなど、充実した時間を過ごしました。
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