機は熟した。バレーボール男子は優勝した1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりのメダル獲得を狙う。「この大会には勝ちに来た」。主将の石川祐希は言葉に力を込める。
「目標は金メダル」と石川が掲げても、決して夢物語には聞こえない。3年前の前回の五輪経験者は1人だったが、今回は8人。フィリップ・ブラン監督がコーチに就任した2017年から屋台骨は変わっておらず、成熟度は増した。
海外勢に気後れしていた過去とは違う。海外リーグでプレー経験がある選手は代表メンバーのうち半数の6人。3年前は石川だけだった。当時19歳で出場した高橋藍は「パリでは僕が引っ張るぐらいにならないといけないと思った」とイタリアへ渡り、昨季は準優勝したチームで活躍。いまや世界屈指の選手になった。
22年世界選手権。前年の五輪王者のフランス相手にマッチポイントを握ったが、逆転で屈した。「勝負どころでの経験値の差」(石川)を埋めるべく、各自が力を磨いた。それは23、24年とネーションズリーグで2年連続のメダルとして結実した。(共同)
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