東京五輪で表彰台との差はわずか11センチ。陸上男子走り幅跳びの橋岡優輝(富士通)は6位だった3年前の悔しさを忘れたことはない。パリでの雪辱へ「あの差は埋められる。今なら覆せる自信がある。脚がちぎれてでも全てを悔いなく出し切りたい」と闘志を燃やす。
この種目で日本勢の入賞は37年ぶりだったが「五輪の借りは五輪で返す」と無念さだけが残った。2022年世界選手権では入賞も逃し、大きな決断を下す。同年秋にサニブラウン・ハキーム(東レ)が所属する米フロリダ州のタンブルウィードTCに拠点を変えた。
合流初日にコーチから「スプリンターになれ」と言われた。驚きもあったが、助走の走力強化の必要性は自分でも感じていた。世界トップの短距離選手にまざって練習する日々。細かい脚の軌道まで指摘されながら「何を言われようと、受け入れる覚悟で行った」と必死に食らい付いた。
渡米からの1年半で助走スピードは格段に上がり、22年世界選手権と助走の歩数は同じ20歩でも、距離は約7メートル短縮した。(共同)
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