公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)はこの度、SDGsの中でも最重要課題とされる気候変動問題へ取り組むため、「スポーツを通じた気候行動枠組み(Sports for Climate Action Framework)」に署名いたしました。
■「スポーツを通じた気候行動枠組み(Sports for Climate Action Framework)」
「スポーツを通じた気候行動枠組み(Sports for Climate Action Framework)」は、2015年のパリ協定を受けて、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)事務局とIOC(国際オリンピック委員会)との連携により、2018年12月のCOP24(第24回気候変動枠組条約締約国会議)において発足しました。
スポーツ団体やチーム、選手、ファンを結集するための啓発活動を推進しながら、下記5つの原則を約束するものです。
<スポーツ気候行動枠組み 5つの原則>
原則1:より大きな環境責任を担うため、組織的な取り組みを行う。
原則2:気候変動の全般的な影響を削減する。
原則3:気候変動対策のための教育を行う。
原則4:持続可能な責任ある消費を推進する。
原則5:情報発信を通じ、気候変動対策を求める。
署名団体には、各国・地域のオリンピック委員会の他、国際競技連盟、オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会やMLB(米メジャーリーグベースボール)等の世界的に有名なプロスポーツチームも名を連ねています。
世界的に大きな問題となっている気候変動問題は、日本国内においても重要と考えられ、東京2020大会では、「Towards Zero Carbon(脱炭素社会の実現に向けて)」を、その大目標とし、CO2の回避、削減、相殺の取組を進め、結果的にカーボンマイナス大会の実現に成功しました。JOCでは、これまでも将来にわたってスポーツが出来る環境を保つことを目的に『スポーツと環境』の分野で様々な環境保全のための啓発活動を続けてきました。
今回あらためて「スポーツを通じた気候行動枠組み」に署名することで、これまで以上にこの問題に真剣に取り組む姿勢を示し、今後もアスリートの皆さんをはじめ、多くのステークホールダーの方々とともに、スポーツ界を巻き込んでいけるよう行動に移し進めてまいります。
公益財団法人 日本オリンピック委員会
会長 山下泰裕
本会の運営等でのCO2排出量を計測し報告・公表すること及び気候変動対策等に関する啓発活動を実施することで、署名団体としての責務を果たします。さらに、JOCの掲げるVisionに基づく活動指針の一つである「スポーツで社会課題の解決に貢献」に向け、SDGsの中でも最重要課題とされる気候変動問題への具体的目標を掲げ取り組むことで、多くの子どもたちが将来に渡りスポーツを楽しみ、豊かな人生を送るための環境づくりを目指します。
【JOCの2019年度の排出量】
Scope1(直接排出):0.34 t-CO2e
Scope2(間接排出):138.01 t-CO2e
合計:138.35 t-CO2e/年
今後、SBT(Science Based Targets)水準の削減目標に準じて、2019年を基準年とし、2030年までにScope1およびScope2排出量46.2%削減を目指します。
【パリ協定について】
2015年12月にパリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において、世界共通の長期目標として、史上初めてすべての国が参加し、産業革命前からの地球温暖化を2℃未満に抑えることを目指す協定。
【UNFCCC(国連気候変動枠組条約)について】
UNFCCC (United Nations Framework Convention on Climate Change)は、国連の気候変動対策を遂行する組織で、1997年の世界が初めて温室効果ガス削減目標を設定した京都議定書、2015年のパリ協定の母体となった条約。現在、世界369団体が加盟。
【「スポーツ気候行動枠組み」について】
パリ協定を受けて、UNFCCCとIOCの主導のもと発足した、世界スポーツ界が連帯して「スポーツの力」を活用し気候変動問題に取り組むための枠組み。2023年12月6日現在、252団体が署名。
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32129/
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