第25回アスナビ採用企業情報交換会〜令和4年度新規採用企業編〜
日本オリンピック委員会（JOC）は12月9日、味の素ナショナルトレーニングセンター（味の素トレセン）で、「第25回アスナビ採用企業情報交換会〜令和4年度新規採用企業編〜」を行いました。
アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに216社/団体359名（2022年12月9日時点）の採用が決まりました。
今回の情報交換会では、令和4年度にアスリートを採用した企業から5社10名が参加。すでにアスリート採用をしている株式会社小泉の取り組みと、採用企業への留意点が紹介されました。
はじめに、水鳥寿思JOC理事がアスナビで選手を採用した企業へ感謝を述べた後、「多くのアスリートが皆様のご支援によって救われております。しかし課題もあると思いますので少しでも軽減させ、企業様、そして選手がよりよい環境を持てるように有意義な会になればと思います。また、皆さんのご意見も聞きながら何かできないか考える機会にできればと思います」と述べました。
次に、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがこれまでのアスナビの就職実績を紹介し、「アスリートの人間力育成、社会人としての基礎教育を是非ともお願いしたい」とアスナビ社員への教育を求めました。また、採用後の課題としてアスリートと採用企業向けに行ったアンケートから、「1.仕事の与え方が難しい、2.社内の応援体制作り、3.アスリート社員と一般社員の接点が少ない」の上位3つの課題を共有し、「企業とアスリートのwin-winの関係に向けて、お客様扱いせずにビジネススキルを身に着ける機会を設けていただきたいと思います」と語りました。
■採用企業の選手活用事例紹介
続いて、アスナビスタッフを含めた参加企業関係者による自己紹介の後、採用企業の選手活用事例として、株式会社小泉 経営企画部の大内博史部長より講演がありました。株式会社小泉はこれまでトライアスロンの玉﨑稜也選手、スキー・アルペンの相原史郎選手（2023年4月1日入社予定）を採用しており、アスリート社員の業務について詳しく説明されました。また、勤務形態や労務管理、活動予算の経費処理など、アスリート社員ならではの苦労も具体的に紹介されました。当初はアスリート社員を特別扱いしているという声が社内から出ることを懸念していたが、玉﨑選手が新入社員研修の時から積極的に学ぶ姿や、海外遠征の際も会社のマニュアルを持っていき移動時間に読み込んでいる姿を社員が知ることで、「本人の努力に対して社員は好感を持っており、ネガティブな声が一切無かった」「加えて、社員のモチベーションアップなどの相乗効果が得られた」と話しました。
また、社内での応援体制について「Twitterやブログは玉崎選手本人が更新しており、YouTubeでは応援チャンネルを設けました。競技の内容だけでなく、商品紹介なども行ってもらい、仕事にも繋がっているのではないかと思います」と話しました。
■JOCキャリアアカデミー事業からの情報提供とQ&A
続いて、JOCキャリアアカデミー事業の柴真樹アシスタントディレクターより、アスナビ採用企業からよくある質問についての共有と、アスナビ選手採用後の業務・労務関係と応援体制についての説明や他社の事例紹介がされました。また、「どういうバックアップが必要なのかということを選手が気軽に会社に相談できる関係性の構築がとても大切だと思います」と関係性の重要さを訴えました。
続いて、日本代表選手等の肖像使用について中森JOC強化部専任部長より説明が行われました。北京2022冬季オリンピック時に使われたJOCのマーケティングガイドラインを紹介し、オリンピックマーケティングの概要、オリンピックの知的財産並びにJOC及び日本代表選手団の知的財産、アンブッシュマーケティングの防止、注意事項、また、ルール40に基づく日本代表選手等の肖像権使用などについて、それぞれ解説しました。
最後にQ&Aの時間が設けられ、今年度初めてアスナビ選手を採用した企業担当者と選手活用事例を発表した企業間で活発な意見交換、情報共有が行われました。
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