日本オリンピック委員会(JOC)は6月13日、東京都新宿区のJapan Sport Olympic Squareにおいてプライドハウス東京(事務局:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表)と包括協定締結調印式を行いました。
JOCは、2021年8月、東京2020大会を契機とし、誰もが自分らしく生きられる共生社会の実現にむけた「東京2020 D&I アクション」として、人種、肌の色、性別、性的指向及び性自認、障がいの有無、宗教、国籍、年齢など、それぞれの個性を尊重しながらお互いに認め合い、各自がそれぞれ個性を生かし、自分らしく活躍できる組織を目指すことを宣言しました。そして、東京2020大会のレガシーとなる「東京2020 D&I アクション」で示した目標に対する具体的なアクションとして、本協定を締結することとしました。
はじめに籾井圭子JOC常務理事による今回の「包括協定」概要説明の後、調印式を実施。挨拶に立った山下泰裕JOC会長は契機となった東京2020大会について、「大会に参加した多様な個性のある人々が自分らしさを発揮し、お互いを認め合い、違いを生かしながら協力することの素晴らしさを改めて認識する場となったと思います。また、LGBTQ+を公表したアスリートも過去最多と伺っています。このような経験を引き継ぎ、レガシーとしていくためには、まずスポーツ界がLGBTQ+について理解を深めていくことが重要だと思っております」と説明。また、「この締結を機に、JOCはもちろん、加盟団体を巻き込んでいき、誰もが自分らしく生きられる共生社会を目指して、プライドハウス東京様のお力添えをいただきながら取り組んでいきたいと思います」と連携を深めていくことへの期待の言葉を述べました。
続いて、プライドハウス東京(認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表)の松中権代表はまず、「東京2020大会を契機にスポーツ界にとどまらず、日本社会全体で誰もが自分らしく過ごしていけるような社会を目指して活動をしています」と活動の経緯を紹介。また、今回の協定締結について「皆さんと協力してスポーツ界に、そして日本社会にアクションを起こしていけることを大変心強く思っております」と述べ、「加盟団体の皆さんとも協力をしながらLGBTQ+当事者の方、そしてすべての方々が安心安全にスポーツを楽しめることや、より多くの方々が想いを持ってつながり合い、社会を変えていくために個人としても、プライドハウス東京としても全力で取り組んでいきたいと思っております」と決意を語りました。
次に挨拶に立った元フェンシング選手でもある杉山文野JOC理事は、LGBTQ+の当事者として「当時は日本のスポーツ界において、LGBTQ+に関する情報はほぼ皆無に等しい状況でした。その中で自分らしくなりたいと思えば、競技者としての人生はなく、競技を続けたいと思えば自分らしくいられず、カミングアウトできないまま引退してしまいました。今回、こういった日を迎えることができたことは非常に感慨深く、大変嬉しく思っております」とコメント。また、「この協定がスポーツで社会課題解決に貢献するというJOCのビジョンを進めていく良い事例の一つとできるように、私自身も邁進してまいりたいと思います」と述べました。
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