東京2020大会の自転車トラック女子オムニアムで銀メダルを獲得した梶原悠未選手が9日、記者会見に出席し、メダル獲得から一夜明けた心境、喜びを語りました
■「母とは『次のパリオリンピックでは絶対に金メダル』と話した」
――メダル獲得から一夜明けての感想をお願いします。
とても嬉しい気持ちでいっぱいです。夢の舞台でメダリストになることができて、とても感慨深いです。
――体が大きい選手ばかりの自転車トラック競技のオムニアムで金メダルを目指そうという思い、梶原選手を突き動かすものはどこから来るのでしょうか? また、2つ目の種目(テンポレース)でもう1ポイント取れるチャンスが序盤にあったと思いますが、後方の選手に差されてしまい、またその後もあまりガツガツ行かなかったのはどのような判断だったのか教えてください。
私も金メダルを目指してここまでやって来たので、勝てなかったのはとても悔しかったです。4年前にオムニアム種目が金メダルに最も近いと確信して、オムニアムに特化したトレーニングを積んできました。私自身としては、スピード、持久力、戦術全てが求められるオムニアム種目はとても奥深くて、世界のエース選手たちが集う種目なので、そこでオリンピック金メダリストになりたいという夢を抱きました。
昨日のレースでは、第2種目において1周前に先頭でポイントを狙いに行ったシーンで、ポイント直前に後ろの選手に追い抜かれてしまったことが、私自身としても一番失敗してしまった点であると振り返っています。やはり、あそこが後々の優勝選手とのポイント差にも響いたと深く反省しております。
――きのうのレース後、落ち着かれた後に改めてお母さまとどのようなお話をされたのか教えてください。
レースを終えてホテルに戻った後、母と電話をしました。レース直後は「おめでとう」と母も言ってくれて、涙を流していたんですけど、その本心について聞いてみたところ、母も「ものすごく悔しかった」と言っていました。二人でその悔しさを共有して、次のパリオリンピックでは絶対に金メダルをとろうと話をしました。
――梶原選手は学業と競技を両立して、今回は銀メダルを獲得されました。ご自身のやり方が上手くいったと評価していますか? また、今後も学業と競技を両立していく抱負を聞かせてください。
私の目標として「賢い自立したアスリートになりたい」という思いがあるので、今後も一生学び続けて、学んだことをトレーニング、レース、競技人生に生かしていきたいと考えています。
■「声援が私の背中を押してくれました」
――最終種目の落車の場面は一方で「気持ちがリセットできた」とも話されていましたが、どういった部分でリセットされたのでしょうか?
事前にコーチと「落車をしてしまっても5周以内にレースに戻ればルールで再乗できるので、焦らずに落ち着いていこう」と話をしていたので、転んでしまったときも一度深呼吸をして、気持ちと頭をリセットしてレースに戻りました。
――自転車のトラック種目は有観客で開催されましたが、観客の声援は梶原選手の力になりましたか?
会場に入った瞬間から、たくさんの観客の皆さんが集まってくださっていたので熱気がものすごく高まっていて、気温も普段の練習のときよりも2℃、3℃高い状態であるということを確認していました。また、レース前にも拍手と声援をたくさん送ってくださって、本当にレース中の苦しい場面、きつい場面で、声援が私の背中を押してくれました。
――オムニアムの前にマディソンにも出場されましたが、ものすごく速いスピード域の展開でした。オムニアムでもこのスピード域で走る覚悟、また対応できる自信があったのでしょうか。
オムニアムに関してはまた違った集団の形、違ったレース展開になると考えていまして、ずっと研究を繰り返してきて、トレーニングを積み重ねてきた種目でしたので、気持ちを切り替えました。
――エリミネーションでは外側を走って足を使っていたと思いますが、その際の消耗具合は?
後半になってから何度も後ろの方でスプリントを繰り返してしまったことは体力の消耗につながってしまったと思います。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS