日本オリンピック委員会(JOC)は2017年11月12日、岩手県一関市の一関市総合体育館で「オリンピックデー・フェスタ in 一関」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
一関市では初めてのフェスタ開催となり、今回の参加オリンピアンはサッカーの宇津木瑠美さん、スキー・ノルディック複合の荻原健司さん、バレーボールの齋藤信治さん、ソフトボールの馬渕智子さん、トライアスロンの井出樹里選手、バイアスロンの小舘操さんの6名。一関市内の小中学生及び平泉町、陸前高田市、宮城県気仙沼市内の小中学生87名が参加し、運動会形式のスポーツプログラムや文化プログラムで交流を深めました。
開会式では、オリンピアンを代表して荻原さんが「今日はオリンピアンから様々な技術・コツを聞き出しながら、全力で楽しみましょう」と挨拶。また、開催地を代表して、一関市の長田仁副市長より「スポーツが盛り上がってきている今、岩手県からも優秀なアスリートを輩出したい。みなさんの活躍に期待しています」と激励の言葉が送られ、一関市体育協会の佐山昭助会長は「多くのオリンピアンと笑顔で運動を楽しんでください。そして、オリンピアンと触れあいをすることで東京2020大会に興味を持ちましょう」と子供たちに呼びかけました。
準備体操は開催地からの要望で地元開発の「いちのせき体操」を実施。じっくりと体をほぐした後、スポーツプログラムでは6名のオリンピアンが5色のチームに分かれ、「手つなぎ鬼」「小玉まわし」「デカパン競争」「5色玉入れ」の4種目を行いました。オリンピアンがリーダーとなり、各種目の作戦会議などでチームが一つになるなど、笑顔が絶えないスポーツプログラムとなりました。
文化プログラム「オリンピアンとのQ&A」では、まず事前に子供たちから質問を募集した中から回答し、次に参加者全体から質問を募集。元気な声で「はい!」と挙手する参加者が数多くあり、オリンピアンも真剣に答えて会場は大盛り上がりでした。
閉会セレモニーでは、宇津木さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。「一関」から次の会場である「ざおう」へつなげることを誓いました。
最後のオリンピアン全員からの挨拶では、馬渕さんが「今日は2位という結果で悔しかったです。これからも様々なことに全力で取り組んで、いろんな感情を味わってください。そしてまた『次も頑張るぞ!』という気持ちを持ってチャレンジし続けてください」と子供たちにエール。また、齋藤さんからは「自分も様々なスポーツをしてきました、皆さんもいろんなスポーツにチャレンジして目標を見つけてください」とアドバイスが送られました。
閉会セレモニー後は、オリンピアンが参加者を見送るハイタッチ。その際、馬渕さんが北京オリンピックの金メダルを持参。参加した子供たちはオリンピックの本物のメダルを間近で見て、また直接触れるなど感動の時間を共有しました。
ハイタッチ終了後は、オリンピアンとのふれあいサイン会を実施。一人ひとりと会話を重ね、最後まで交流を楽しんでいました。
フェスタ終了後、オリンピアンは、気仙沼在住で震災時は障害児通園事業施設マザーズホームで園長を務めていた内海直子さんをお招きし、当時の話を伺いました。震災当時、非難していた内海さんが状況を海外在住の息子にメールしたところ、息子がツイッターを通じて救助を依頼。そのツイートが猪瀬直樹東京都知事(当時)の目にとまり、猪瀬都知事の指示で東京消防庁により数十人が救出されたという話をはじめ、内海さんの言葉にオリンピアンが熱心に耳を傾け、また質問をするなど、濃密な対話となりました。
■参加オリンピアン
・宇津木瑠美(サッカー)
2008年北京オリンピック 4位入賞
・荻原健司(スキー/ノルディック複合)
1992年アルベールビルオリンピック 金メダル
1994年リレハンメルオリンピック 金メダル
1998年長野オリンピック 4位入賞
2002年ソルトレークシティオリンピック 8位入賞
・齋藤信治(バレーボール)
2008年北京オリンピック 出場
・馬渕智子(ソフトボール)
2008年北京オリンピック 金メダル
・井出樹里(トライアスロン)
2008年北京オリンピック 5位入賞
2012年ロンドンオリンピック 出場
・小舘操(バイアスロン)
1988年カルガリーオリンピック 出場
1992年アルベールビルオリンピック 出場
1994年リレハンメルオリンピック 出場
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