11月1日、日本オリンピック委員会(JOC)は、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)及び株式会社アシックスと合同で、第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)および、平昌2018パラリンピック冬季競技大会にて日本代表選手団が着用するオフィシャルスポーツウェアを、東京都渋谷区の表参道ヒルズ B3F スペースオーで発表しました。
アウター・インナーウェアをはじめ、シューズ、バッグ等のオフィシャルスポーツウェア一式は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のゴールドパートナー(スポーツ用品)であるアシックスが製作し、表彰式や選手村などで着用されます。
発表会では最初に、JOCの福井烈常務理事が挨拶し、11月1日が平昌オリンピック開会式100日前にあたることを紹介するとともに、「本日発表されるオフィシャルスポーツウェアをオリンピックとパラリンピック両大会の代表選手一人一人が誇りを持って身にまとい、国民の皆様、応援してくださる皆様の期待に応え、日本代表として堂々と平昌で戦ってほしいと思います」と期待を寄せました。
また、JPCの高橋秀文副委員長は、パラリンピック大会が来年3月9日から10日間開催され、11月1日時点で個人競技18名、団体競技では男子パラアイスホッケーが出場権を獲得したことを報告。そして、「今日発表されるアシックス様のウェアを着て、日本代表選手としての自信と誇りと責任感を持って、しっかり頑張ってもらいたいと思いますし、オリパラ一体となってチームとして日本を一つにする活躍を大いに期待しています」と述べました。
続いて、アシックスの西前学代表取締役社長が登壇し、昨夏のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックに続いてオフィシャルスポーツウェアを製作し、発表に至ったことについて、関係者に感謝の意を述べました。そして「開発チームは本年2月に現地平昌に参りまして、現実の耐寒性、快適性を自らが体験し、商品の開発に生かしております。(今回のウェアで)選手の皆様の活躍をサポートできること、また国民の皆様に愛されることを願っています」と語りました。
挨拶に続いて、オフィシャルスポーツウェアのプレゼンテーションが行われました。アシックスの製作チームから「PROUD OFJAPAN.」「日本を、誇れ。」をコンセプトに、ウェアのメインカラーには朝日が昇る力強さをイメージした鮮やかな「サンライズレッド」、サブカラーに日本を囲む蒼い海のような深い青色の「ジャパンブルー」を採用したことが説明されました。
ウェアは寒暖差が激しい平昌の環境に対応するため保温性に優れており、各競技会場や着用シーンに応じて着合わせることで機能の相乗効果が得られるように設計したこと。また、水使用量を約70%削減する特殊な工程で染色された生地、水を使用しない技術で染色されたファスナー、バイオマス由来やリサイクル素材など、環境へ配慮した材料を多く採用し、シューズではスポーツ用としては初めてエコマーク認定を取得したことが説明されました。
プレゼンテーションが終わると、公式ウェアを着用した8名のゲストアスリートが登壇。トークセッションでは実際の着心地やデザインの印象、コンセプトにちなんで日本代表選手としての誇りについて、平昌大会に向けての抱負などを述べました。
■葛西紀明選手(スキー・ジャンプ)
「サンライズレッドの名の通り、朝日が昇る、光が差すようなエネルギーと力強さを感じています。僕が何百着と着てきたウェアの中でも、こんなに輝かしい素敵なウェアは見たことがありません」
■小野塚彩那選手(スキー・フリースタイル)
「リオオリンピックの(陸上男子4×100メートル)リレーの感動を呼び覚まされるというか、私もそういう感動を与えたいなと思いますし、私が今まで見たユニホームの中でもシルエットもすごく好みですし、着心地もあまり重さを感じさせないのが印象的でした。私たちの競技は特にストリート目線、ファッション的な要素もあるのでしっかり着こなせる選手になりたいと思います」
■大澤ちほ選手(アイスホッケー)
「日本が誇れる一番のことはチームワークや団結力だと感じています。私たちアイスホッケーは団体競技ですが、団体競技だけでなく、日本選手団全員の一体感や、応援してくださる方、サポートしてくださる方全員の力を合わせての団結力がすごくあるので、そこが日本の誇りや強みではないかと思います」
■藤本那菜選手(アイスホッケー)
「シューズは履きやすくて、すごく足にフィットしています。また、中の素材がすごくふわふわしていて履き心地が本当にいいなという印象があります。競技的に足はすごく重要で、競技外でも靴の重要性はすごく感じています。(今回のシューズは)履いていても疲れなさそうで本当に履き心地がよく、普段から履いていたいシューズです」
■新田佳浩選手(パラリンピック・クロスカントリースキー、バイアスロン)
「東京2020大会が決まり、パラリンピックの環境は大きく変わりました。こういうふうに記者会見ができるのも新たな取り組みだと思います。オリンピックでの選手たちの思いをパラリンピックの各選手にもつなげて、その思いを東京2020大会に届けられるようなパフォーマンスを行いたいです」
■阿部友里香選手(パラリンピック・クロスカントリースキー、バイアスロン)
「私の中の誇りは、このウェアに袖を通すまでに多くの方々に支えられて成長できたという思いの強さだと思っています。今までにさまざまなことがありましたが、諦めずにその壁を乗り越えて、さらに挑戦し続けてこられたのは、周りの方々からの多くの応援があったからだと思っています」
■須藤悟選手(パラアイスホッケー)
「2010年バンクーバーパラリンピックで銀メダルを獲得した時は日本代表として誇りを胸に臨み、また皆さんに応援いただいて日本が一つになった感じがしました。平昌大会では皆さんに誇りを持って、応援していただきたいと思います」
■高橋和廣選手(パラアイスホッケー)
「車いすユーザー向けにジャンパーの丈が短かったり、車いすをこぐ関係でどうしても汚れてしまう袖の部分(の生地)が少し強くなっています。いつもはズボンのポケットは諦めていましたが、車いすに乗っていても使用できるところにポケットを付けていただいたので、非常にいろいろなものを入れたり、ストレスなく移動ができると思っています」
また、トークセッションの後半には、「アシックス 平昌2018 日本代表選手団スペシャルサポーター」で女優の土屋太鳳さんが登場。土屋さんは「オリンピック・パラリンピックを通して日本が一つになることは本当に素晴らしいことだと思います。一人の力が小さくても、みんなの思いを一つにすれば大きくなると信じて、私も全力で日本全国の皆さんと一緒に応援して行きたいと思います。がんばれ!ニッポン!」と力強くエールを送りました。最後に、葛西選手が「私たちアスリートのみならず、スタッフや応援してくださる方々と互いに支えあって平昌大会を盛り上げていきたいと思いますので、皆様応援をよろしくお願いいたします」と呼びかけて、発表会を締めくくりました。
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