日本オリンピック委員会(JOC)は2016年12月24日(土)、福島県福島市のあづま総合体育館で「オリンピックデー・フェスタ in ふくしま」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、水泳・競泳の中村真衣さん(1996年アトランタオリンピック4位入賞、2000年シドニーオリンピック銀・銅メダル)、体操・体操競技の鹿島丈博さん(2004年アテネオリンピック金・銅メダル、2008年北京オリンピック銀メダル)、バスケットボールの永田睦子さん(1996年アトランタオリンピック7位入賞、2004年アテネオリンピック出場)、スケート・ショートトラックの勅使川原郁恵さん(1998年長野オリンピック4位入賞、2002年ソルトレークシティーオリンピック4位入賞、2006年トリノオリンピック出場)、カヌーの海渕萌さん(2012年ロンドンオリンピック出場)の5人。うつくしまスポーツキッズ及びジュニア65名が参加し、運動会形式のスポーツプログラムで交流を深めました。
開会式では、オリンピアンを代表して鹿島さんが「チーム一丸となって笑顔で優勝目指してがんばろう」とあいさつ。続けて、開催地を代表して福島県企画調整部文化スポーツ局の遠藤均スポーツ課長が「5名のオリンピアンを迎えたデー・フェスタを開催できて嬉しく思います。スポーツは希望や感動を与える大きな力を持っています。東京オリンピックに向けて精一杯がんばろう」と呼びかけました。
準備体操を経てのスポーツプログラムでは、5人のオリンピアンが5つのチームに分かれて各チームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「小玉まわし」「大玉転がし」「5色玉入れ」の4種目を行いました。
今回参加した子供たちは、福島県がジュニア選手の発掘・育成事業として力を入れている「うつくしまスポーツキッズ」の卒業生が中心ということもあり、運動神経が抜群。「手つなぎ鬼」では子供たちの逃げ足が素早く、オリンピアンも本気で走って捕まえようと限られたスペースを走り回りました。また、オリンピアンも子供たちも真剣に種目に打ち込む中で、少し硬かった表情もいつの間にか打ち解け、自然と笑顔が生まれていました。
そして、全競技の前に作戦会議の時間を設けることにより、オリンピアンと子供たちが会話の中で多くのコミュニケーションを取ることができました。特に「大玉転がし」ではチームごとに「どのような組を作ると早く走ることができるか?」「掛け声をかける」など、一生懸命練った作戦を実践。1回目の最下位から、2回目には1位に上がるチームもあるなど、オリンピアンは勝利に向かってみんなで協力していく大切さを伝えていました。
毎回好評のオリンピアンとのQ&Aでは、「オリンピックと世界選手権などの世界大会の違いを知りたい」というオリンピアンにしか聞くことができない質問もあり、本気でオリンピックを目指す子どもたちの意識の高さにオリンピアンも驚いていました。
閉会セレモニーでは、勅使川原さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。最後のオリンピアン全員からの挨拶では、永田さんが「スポーツは楽しいものです。同じ場所で同じことをやり、世代を超えて友達になることができます。これからも周りの人と協力してがんばってほしいです」とメッセージを送り、海渕さんからは「一生懸命やることの楽しさを分かち合えた1日となりました。どのチームも素直で輝いていました。諦めそうなときに一生懸命になることができるか。これからもそれを楽しんでほしいと思います」と激励の言葉が送られました。
オリンピアン退場の際の見送りハイタッチでは、中村さんがシドニーオリンピック銀・銅メダル、鹿島さんがアテネオリンピックの金メダルを持参。子供たちは憧れのメダルに触れ、最後まで思い出を作っていました。
また、閉会式終了後には、会場内でサイン会を実施。子供たちは自身のチームリーダーのオリンピアンとはもちろんのこと、違うチームになったオリンピアンとも触れ合い、会話を楽しんでいました。
フェスタ終了後、オリンピアンたちは被災地視察として、環境省と福島県が情報提供を行っている福島駅前の「除染情報プラザ」を訪問。担当者から福島県における原発・放射線・除染の状況に関する講義を受けたオリンピアンは、被災地の当時から今に続く「原発」による被害について学びました。最後にプラザ内にある除染などに使う機材などを興味深く見学しました。
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