日本オリンピック委員会(JOC)は2月18日(土)、宮城県白石市の白石市文化体育活動センターで「オリンピックデー・フェスタ in しろいし」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、水泳・競泳の岩崎恭子さん(1992年バルセロナオリンピック金メダル、1996年アトランタオリンピック出場)、スキー・ノルディック複合の三ケ田礼一さん(1992年アルベールビルオリンピック金メダル、1994年リレハンメルオリンピック出場)、バレーボールの大山加奈さん(2004年アテネオリンピック5位入賞)、体操・体操競技の鹿島丈博さん(2004年アテネオリンピック金・銅メダル、2008年北京オリンピック銀メダル)、体操・新体操の稲田亜矢子さん(2000年シドニーオリンピック5位入賞)、同じく田中琴乃さん(2008北京オリンピック出場、2012年ロンドンオリンピック7位入賞)、柔道の海老沼匡選手(2012年ロンドンオリンピック銅メダル、2016年リオデジャネイロオリンピック銅メダル)、同じく杉本美香さん(2012年ロンドンオリンピック銀メダル)の8人。白石市内在住小学生と第8回アジア冬季競技大会(2017/札幌)視察団の合計154名が参加し、運動会形式のスポーツプログラムで交流を深めました。
開会式では、オリンピアンを代表して三ケ田さんが「今日、元気な子どもたちと会うことが楽しみでした。明日から札幌でアジア冬季大会が開催されます。大会に参加する選手に負けないようにみんなにも楽しんで元気になってもらえればと思います」とあいさつ。続けて、開催地を代表して山田裕一白石市長より「8名のオリンピアンの皆さんが白石にお越しくださっています。震災からまもなく6年。白石は津波の被害はありませんでしたが震度6強の地震があり、学校・道路・下水道、様々なインフラが使えなくなりましたが徐々に復興してきています。また、2020年の東京大会ではベラルーシの新体操ナショナルチームの事前キャンプ地に白石市が決まりました。オリンピックデー・フェスタも100回以上を積み重ねてきてみんなの笑顔を作り出しています。普段オリンピアンと触れ合う機会がないからこそ汗を流して楽しいたくさんの思い出を作ってください」とメッセージが送られました。
また、昨年の福島県郡山といわき会場に続き、白石市においても東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグの紹介セレモニーを実施。オリンピアンと子供たちはペアになってフラッグを大きく振り、東京2020大会の成功を祈念しました。
準備体操を経てのスポーツプログラムでは、8人のオリンピアンが5つのチームに分かれ、各チームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「小玉まわし」「綱引き」の3種目を行いました。
杉本さんの所属チームで取り入れている準備体操を一部変更して新しく開発した「小玉まわし」の種目では、オリンピアンが子供たちをサポートしながら、ボールを早く運ぶコツを伝えるなど作戦会議を実施。また、最終種目の「綱引き」は、白石市で力を入れている種目でもあり、綱を引く子供と応援する子供たちが一体となって優勝目指して団結していました。
毎回好評のオリンピアンとのQ&Aでは、「大事な大会の前で緊張しないようにするためにはどうしたらいいですか?」「新体操をやっているのですが、チーム力を高めるにはどうしたらいいですか?」といった質問が寄せられました。普段会うことのできない世界で活躍したオリンピアンだからこそ聞いてみたい質問の答えをもらい、子供たちにとって心に残る時間になりました。
閉会セレモニーでは、海老沼選手がオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。また、今回特別ゲストとして2014年ソチオリンピック視察団に参加した中山大輝君がフェスタに参加。閉会式で札幌アジア冬季大会視察団員へ視察団として経験することの貴重さを自身の経験から語り、フェスタに参加していた視察団員にエールを送りました。
最後のオリンピアン全員からの挨拶では、岩崎さんが「今日はみんなの笑顔が見られて嬉しかった。スポーツだけでなく、嬉しいことを増やしていけるように頑張ってください」と激励し、大山さんは「一生懸命頑張ることは周りを元気にします。これからも頑張ってください」と子供たちに呼びかけました。
オリンピアン退場の際の見送りハイタッチでは、海老沼選手がリオデジャネイロオリンピック銅メダルを持参。昨年の夏を盛り上げたリオデジャネイロオリンピックのメダルを目の前で見て、実際に触れたり持つことができたことで、子供たちからは笑顔があふれていました。
閉会式終了後には、会場内でサイン会を実施。子供たちはサイン会終了後も握手や、記念写真を撮るなど、最後までオリンピアンと思い出を作っていました。
また、新体操が盛んな白石市。そのことが縁で、東京2020大会事前キャンプにおいて、ベラルーシ共和国新体操チームが今回の会場となった白石市文化体育活動センターを利用することが決定しました。新体操での機運醸成も含め、フェスタ終了後に同会場で新体操教室を1時間開催。演技指導コースには田中さん、初心者コースには稲田さん、男子の体操教室には鹿島さんを講師として実施しました。体操・新体操競技以外のオリンピアンは子供たちと一緒に初心者コースに参加し、「普段やることがないため、とても新鮮で楽しかった」と感想を述べました。
新体操教室の終了後、オリンピアンたちは被災地視察として、白石城を訪問。白石城の被害状況や、そこからの修復の様子などを伺いました。
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