日本オリンピック委員会(JOC)は11月26日(土)、福島県いわき市のいわき市立総合体育館で「オリンピックデー・フェスタ in いわき」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、水泳・競泳の中村真衣さん(1996年アトランタオリンピック4位入賞、2000年シドニーオリンピック銀・銅メダル)、サッカーの小野寺志保さん(1996年アトランタオリンピック出場、2004年アテネオリンピック7位入賞)、バレーボールの齋藤信治さん(2008年北京オリンピック出場)、体操・体操競技の田中和仁さん(2012年ロンドンオリンピック銀メダル)、野球の大島公一さん(1992年バルセロナオリンピック銅メダル)の5人。いわき市内の小学生102名が参加し、運動会形式のスポーツプログラムで交流を深めました。
開会式では、オリンピアンを代表して中村さんが「今日は5チームに分かれたチーム対抗の運動会です。『スポーツから生まれる、笑顔がある。』というスローガンにあるように、笑顔を忘れずに1日楽しみましょう」と挨拶。続けて、開催地を代表して清水敏男いわき市長が「震災から5年8ヶ月、つらいことや悲しいことだけでなく、いいこともありました。今日のようにオリンピアンの皆さんが来てくださっています。いわき市でのフェスタは2回目。一生懸命汗を流して、今後は2020年の東京大会に今日の参加者の中からオリンピアンが誕生するよう期待しています。頑張ってください」と呼びかけました。
また、前回の郡山会場に続き、開会式で「東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー」で使用されているオリンピックフラッグ、パラリンピックフラッグの紹介セレモニーを実施。東京2020大会の成功を祈願して、オリンピアンと参加者はペアになってフラッグを大きく振りました。
準備体操を経てのスポーツプログラムでは、5人のオリンピアンが5つのチームに分かれ、各チームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「小玉まわし」「大玉転がし」「5色玉入れ」の4種目を行いました。
2人1組のペアで走る「大玉転がし」では、オリンピアンが中心となり勝つための作戦会議を実施。過去の大会に参加経験のあるオリンピアンは、その経験を活かしてチームメイトたちにコツを伝えるなど、チーム一丸となって勝利を目指していました。
最終種目の「5色玉入れ」では、さらに勝ちたい気持ちがヒートアップし、大きな掛け声とともに熱戦が展開。そして、どの種目においても子供たちとオリンピアンが勝つためにはどうすればいいかなど会話を重ねることにより親近感が生まれ、勝利にこだわり世界と戦ってきたオリンピアンのエッセンスが子供たちに注入されていました。
毎回好評のオリンピアンとのQ&Aでは、質問されたオリンピアンが「答えて終わり」ではなく、そこから質問した子供へ質問返しをするなど、双方間のコミュニケーションにより新密度がアップ。会話が弾み、両者の距離が近くなることで普段聞くことのできない質問をすることもでき、子供たちにとっても最高の思い出となりました。
閉会セレモニーでは、田中さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。最後のオリンピアン全員からの挨拶では、小野寺さんが「一生懸命作戦を立て、チームが1つになって楽しめた。本気になると様々な感情が生まれるが、その感情を忘れずに頑張ってほしい」とエールを送ると、今回初参加となった田中さんからは「今日は5位でしたが、諦めずに頑張りきれたことが今後につながると思います。志を高く頑張ってほしいです。今日は1日楽しかったです」と激励のメッセージが送られました。
オリンピアン退場の際の見送りハイタッチでは、中村さんがシドニーオリンピック銀・銅メダル、田中さんがロンドンオリンピック銀メダルを持参。子供たちはみんな、にこやかな笑顔で本物のオリンピックメダルに触れていました。
また、閉会式終了後には、会場内でサイン会を実施。子供たちは自身のチームリーダーではないオリンピアンとも会話を楽しむなど、密なコミュニケーションの場となりました。
フェスタ終了後、オリンピアンたちは被災地視察として、いわき市の観光物産センターの「いわき・ら・ら・ミュウ」を訪問。震災時からこれまでのいわき市について、震災の状況をまとめたビデオを視聴し、津波の被害にあったセンターの人たちからお話を伺いました。また、担当者から震災時の生々しい写真と合わせて説明を受け、当時の状況に思いをめぐらせるとともに、復興支援への気持ちを新たにしました。
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