日本オリンピック委員会(JOC)は11月22日(月・祝)、岩手県下閉伊郡山田町の船越小学校で「オリンピックデー・フェスタ in 船越」での開催を予定していましたが、同日早朝に東北地方で発生した地震により運動会形式のフェスタは中止。参加オリンピアンは船越小学校を訪問し、同校の佐々木計校長、教職員と交流の場を持ちました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、スキー・ジャンプの原田雅彦さん(1994年リレハンメルオリンピック銀メダル、1998年長野オリンピック金・銅メダル)、スキー・アルペンの古川年正JOC理事(1972年札幌オリンピック出場)、バレーボールの大山加奈さん(2004年アテネオリンピック5位入賞)、ソフトボールの佐藤理恵さん(2004年アテネオリンピック銅メダル、2008年北京オリンピック金メダル)、同じく馬渕智子さん(2008年北京オリンピック金メダル)、柔道の杉本美香さん(2012年ロンドンオリンピック銀メダル)の計6人です。
フェスタ当日の早朝5時59分、福島県沖で地震(M7.4)が発生し、岩手県から茨城県の沿岸に津波警報・注意報が発令。午前10時までに注意報が解除されなかったため、山田町ルールにより町内全ての小・中学校が休校となりました。このため「オリンピックデー・フェスタ in 船越」の運動会は中止とし、学校訪問へと急遽変更となりました。
船越小学校は2年前の2014年4月、ソチオリンピック終了直後にも葛西紀明選手、梨沙羅選手らスキー・ジャンプの選手5名と日本代表選手団副団長を務めた古川理事を含めた6名が参加し、数多くの子どもたちの笑顔が生まれた会場でもありました。今回も古川理事が参加し、当時の参加オリンピアンのメッセージを預かっていたので「子どもたちにメッセージを伝えられなかったことが残念です」と話していました。
佐々木校長からは「今回、このような状況になり子どもたち、職員一同、すごく残念です。いろいろな夢や頑張る気持ちを持たせてもらえ、これから希望に向かって行くこと、歩んでいくことを話してもらえるいい機会だと思っていました。また、機会がありましたらぜひ、子どもたちに会ってもらって、ふれあいの機会を持っていただきたいと思っています」と挨拶。その後、2011年の震災後、今日までの子どもたちの様子、町の状況などについて、佐々木校長から話があり、オリンピアンも真剣に耳を傾けていました。
一方、オリンピアンを代表して、古川理事が「今日は、ここにいるオリンピアン全員が子どもたちに笑顔と元気を届けようと張り切って来ましたが、このようなことになってふれあうことができなかったので、次回機会があったら、是非、このメンバーで訪問したいと思っています。子どもたちにぜひ伝えて下さい」と再訪問を誓うと、各オリンピアンも「船越小学校にまた訪問したい。子どもたちと一緒に体を動かしたい」と、強い想いを先生方へ伝えました。
フェスタ102回目にして、プログラムの中心として実施してきた運動会がはじめて中止になりました。ですが、佐々木校長が話していた「子どもたちとオリンピアンがふれあうことの意義や必要性」、また教職員とのふれあいにより、オリンピアンにはこの復興支援事業について新たな想いが生まれた様子でした。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS