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2016.11.07 選手強化

未来のオリンピアン候補が参加「平成28年度JOC地域タレント研修会」を開催

未来のオリンピアン候補が参加「平成28年度JOC地域タレント研修会」を開催
平成28年度JOC地域タレント研修会を実施(写真:アフロスポーツ)
未来のオリンピアン候補が参加「平成28年度JOC地域タレント研修会」を開催
星野JOC選手強化担当理事が開会のあいさつ(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は「平成28年度JOC地域タレント研修会」を10月22日、23日の2日間、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。

 この研修会は、JOCが支援する全国各地のタレント発掘・育成事業の受講生を対象に各種プログラムを提供し、将来世界で活躍できるトップアスリートを目指す意識を醸成するとともに、中央競技団体と各タレント発掘・育成事業との連携を図ることを目的としています。今回はJOCが支援する13事業のうち12事業から集まった小学4年生〜中学3年生の受講生66名と、指導者・引率者20名が参加。また、JOC加盟オリンピック実施競技団体(NF)の強化担当者、ナショナルコーチ、タレント発掘・育成担当者なども参加し、未来のオリンピアン候補たちに熱い視線を送りました。

 研修会の開会にあたり、星野一朗JOC選手強化担当理事が「ここ味の素トレセンは、リオデジャネイロオリンピックで活躍した多くの選手が練習していた施設です。ここで研修を受けることが出来るということに誇りを持って、この研修を通じて自分も世界で活躍するんだという意識を強く持ってください」とあいさつ。そして、受講生同士が積極的に交流し、卓球の伊藤美誠選手と平野美宇選手のような良きライバル関係を作ることを呼びかけました。

未来のオリンピアン候補が参加「平成28年度JOC地域タレント研修会」を開催
ゲーム形式のレクリエーションで交流を深めた(写真:アフロスポーツ)
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3グループごとにチームワークを競うゲームも(写真:アフロスポーツ)

■レクリエーションで交流

 開会式が終わると、いよいよプログラム開始です。今回の研修会では66名の受講生が3つのグループに分かれました。グループリーダーを務めるのは、2002年ソルトレークシティオリンピック、06年トリノオリンピック、10年バンクーバーオリンピックにリュージュで出場した小口貴久さん、元アイスホッケー女子日本代表の嶌遥さん、06年トリノオリンピックのスピードスケートチームパーシュートで4位に入賞した石野枝里子さん。世界を知る先輩アスリートたちの言動を身近に感じてもらうために、主にこの3名をグループリーダーとして行動しながら、それぞれのプログラムに参加しました。

 最初のプログラムはアイスブレイク。順天堂大学スポーツ健康科学部の中丸信吾先生が講師を勤め、拍手の数の人数でグループを作る、2人1組で握手をしながらじゃんけんをして勝った人が相手の手を強く握り負けた方は手を素早く引くゲーム、最初に作った3グループ内での伝達ゲームなど、様々なレクリエーションで受講生同士の交流を図りました。最初は初対面同士が多く、やや緊張気味の受講生でしたが、ゲームが進むにつれてすぐに意気投合。終了する頃には、各グループから大きな笑い声や歓声が起こるなど、すっかり打ち解けた様子でした。

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体力測定を実施(写真:アフロスポーツ)
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卓球ナショナルジュニア選手といっしょに卓球にチャレンジ(写真:アフロスポーツ)

■体力測定、卓球の合宿見学

 アイスブレイクが終わると、バレーボール場に移動してのスポーツプログラム。東海大学スポーツ医科学研究所の有賀誠司先生が講師を勤め、20m走、反復横跳び、握力、上体起こし、立ち幅跳び、リバウンドジャンプ、プロアジリティーテストの7種目によるコントロールテストと、シャトルランによる体力測定が行われました。

 たっぷり汗をかいた後は、日本代表選手を含むトップアスリートたちの練習を見学しました。今回見学したのは卓球ナショナルジュニア/ヨーロッパ選抜合同合宿。リオデジャネイロオリンピックの女子団体で銅メダルを獲得した伊藤美誠選手もこの合宿に参加しており、受講生は間近でメダリストの迫力あるラリーを見ることができて感激の様子。目を輝かせながら食い入るように練習風景を見つめていました。

 また、練習見学だけではなく、受講生が実際に卓球にチャレンジ。ナショナルジュニア選手からラケットの持ち方や球の打ち方を教わりながらラリーを楽しみました。

 卓球の合宿見学の後は再び3グループに分かれ、柔道場、レスリング場、体操場を見学。リオデジャネイロオリンピックでも多くのメダルを獲得した競技の専用練習場とあって、受講生たちは興味津々でグループリーダーに色々な質問をしながら、器具やマットに直接触れていました。

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栄養講座で習ったことをもとに夕食のメニューを考えた(写真:アフロスポーツ)

■スポーツ選手の食事を学ぶ

 次のプログラムは栄養講座です。「SAKURA Dining」で実際にトップアスリートに栄養指導をしている管理栄養士の梶原一美さんが講師を務め、「スポーツと食事」、「食事の基本」をテーマに講演しました。アスリートの食事の基本は主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品の6つを基本とし、それぞれどのような食べ物が適しているかを説明。受講生たちは熱心にメモを取りながら聞き入り、習ったことをもとにして、この日の夕食のメニューをそれぞれ考えました。

 栄養講座が終わると、アスリートヴィレッジ内「SAKURA Dining」へ移動し夕食。食事が終わると、各グループに分かれて座談会を行いました。座談会では、各グループリーダーが自分の経験を受講生に伝えたり、受講生同士で自分たちの目標を叶えるためにどんなことが必要なのかそれぞれ共有しました。また、リーダーたちのこれまでの経験や、苦難を乗り越えたときの話に真剣に耳を傾け、自分がその場に立つことをイメージし、改めて自分の練習に対する考え方などを見つめなおしました。

未来のオリンピアン候補が参加「平成28年度JOC地域タレント研修会」を開催
2日目最初のプログラムは走り方を学ぶトレーニング(写真:アフロスポーツ)
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リオ大会柔道銀メダリストの原沢選手が受講生にアドバイス(写真:アフロスポーツ)

■柔道・原沢選手からアドバイス

 2日目の最初は、クレーマージャパンの吉田謙介さんの指導の下で走り方トレーニングが行われました。基本的な姿勢や腕の角度、足の付き方など、走りのメカニズムに沿って、ラダーやマイクロハードルを使ったトレーニングが行われ、受講生は約2時間みっちりと汗を流しました。

 研修室に場所を移して行われたのは、リオデジャネイロオリンピック柔道男子100キロ超級銀メダリストの原沢久喜選手によるオリンピアン講話。受講生は、原沢選手が持参した銀メダルに実際に触れ、感激した様子でした。質疑応答の時間では、強くなる秘訣として、原沢選手から「小さいときは基本をしっかりやることが大事」というアドバスが送られ、自身の体験を交えて目標を持つことの重要性が話されました。

 その後、初日に実施されたコントロールテストの各部門、成績上位男女3名への表彰式が行われました。そして今回参加した地域タレント発掘事業の指導者と、各競技団体の強化担当者らによるコメントに続き、最後に主催者あいさつとして星野JOC選手強化担当理事が「ライバル関係、友情をさらに大事にしてお互いを尊敬し合えるように。それが選手としての成長につながります」と述べて、1泊2日の研修会を締めくくりました。

※この活動はスポーツ振興くじの助成金を受けて実施されました。

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