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2016.08.16 オリンピック

【リオ・リポート】バドミントン奥原選手と山口選手、メダル以上に輝く最高の試合を

【リオ・リポート】バドミントン奥原選手と山口選手、メダル以上に輝く最高の試合を
「完ぺきな試合ができた」と奥原選手(写真:アフロスポーツ)

 リオデジャネイロオリンピックの大会11日目。バドミントン女子シングルス決勝トーナメント1回戦が行われ、世界ランキング6位の奥原希望選手、同12位の山口茜選手がそろって勝利し、現地時間16日19時40分(日本時間17日午前7時40分)から行われる準々決勝で奥原選手と山口選手が対戦することが決まりました。

■「完ぺきな試合ができました」

 同時刻からスタートした両選手の決勝トーナメント初戦。まず流れをつかんだのは奥原選手でした。

「今日は結構、完ぺきな試合ができましたね。このパフォーマンスが決勝でできたら良かったんですけど(笑)」

 対戦相手の世界ランキング17位ペ・ヨンジュ選手(韓国)から第1ゲームでいきなり連続6ポイントを先制すると、難なく21-6で奪取。第2ゲームに入っても相手を全く寄せ付けず21-7で取り、2-0のストレート勝ち。試合時間わずか33分の圧勝でした。

 予選リーグでは「負けられないプレッシャー」から動きが硬かったという奥原選手。決勝トーナメントを迎え、「誰が勝ってもおかしくない。他の競技でも波乱が起きている」という思いから、プレッシャーからも解放されたと言います。また、体の軸のブレを改善したことも、この日の抜群の動きの良さにつながっていました。

「(これだけ相手の動きが見えるのは)海外での試合で言うと(今年3月の)全英オープン以来。今の方が手応えが上がっていますし、上がっていてほしいですね(笑)。自分が勝負できるフィジカルを鍛え直してきて、それに対しては誰が相手でも負けない自信があります。そこが大きいですね」

【リオ・リポート】バドミントン奥原選手と山口選手、メダル以上に輝く最高の試合を
山口選手は奥原選手との準々決勝に向けて「楽しく、後悔しないように」(写真:アフロスポーツ)

■「次にまた試合できるのが楽しみ」

 一方の山口選手は、世界ランキング4位で2013年の世界王者ラチャノック・インタノン選手と一進一退の攻防を展開。朴柱奉監督が「レシーブが良かった」と振り返ったように、第1ゲームで山口選手は相手の攻撃を粘り強く拾い続けると、17-17から3連続ポイントを取るなど終盤で突き放して奪取します。第2ゲームでは、第1ゲームで苦しめられたインタノン選手のスマッシュを封じるために弾道の低いショートサービスを多用。この戦術が流れを山口選手へと運び、5-10から5連続ポイントで追いつくと、13-14から今度は7連続ポイントなどで一気に勝負を決めました。

「勝てたことはもちろん嬉しいんですが、次にまたもう1試合できるのがすごく楽しみです」

 このリオ大会では、メダルもしくは何回戦まで進むといった目標ではなく、「できるだけたくさん試合ができれば、自分のオリンピックがより楽しいものになると思っています」と山口選手。格上選手を倒したこと以上に、その願いがまた1つ叶ったことに満足そうな表情を浮かべていました。

■選手村では同部屋の2人

 ただ、その次の試合というのが奥原選手と山口選手による日本人対決。できれば決勝戦で見たかったカードですが、両選手ともにすでに気持ちの準備は整っているようです。

「茜ちゃんも私も色んな人の思いを背負ってこの場所に立っている。お互いにベストパフォーマンスで、ガチンコでぶつかり合えたらと思います」(奥原選手)

「1度も勝てたことがないんですが、楽しく、後悔しないよう試合ができればいいなと思います」(山口選手)

 21歳の奥原選手と19歳の山口選手。日本バドミントン界の未来を世界に示すような、メダル以上に輝く最高の試合を期待したいです。

 なお、この2人は今回の選手村では同部屋です。決勝トーナメントの組み合わせも予選リーグの段階から分かっていただけに、いずれ直接対決する可能性のある選手同士、ぎこちなくなったりはしないのかな……と心配してしまいますが、普段のツアーでもよく同部屋になるらしく、「それぞれゲームしたり、テレビ見たり」(奥原選手)、「いつも通りです」(山口選手)と、特に外野が気をもむようなことはないとのことです。

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