リオデジャネイロオリンピックの柔道男子100キロ超級で銀メダルを獲得した原沢久喜選手と同女子78キロ超級で銅メダルを獲得した山部佳苗選手が13日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。
――昨日メダルを獲得し、一夜明けての率直な感想を伺いたいと思います。まずはオリンピック初出場で、同階級ができた2000年シドニー大会以来の連続メダルを引き継いで銅メダルを獲得した柔道女子78キロ超級、山部佳苗選手から感想をお願いしたいと思います。
山部選手 一夜明けてやっぱり、朝起きたときには金メダルじゃないんだなという実感の方が大きかったです。悔しい気持ちの方が強く、準決勝でなんであのとき奥襟をつかんでしまったのかなという後悔の方が朝起きたらだんだん強くなりました。でも4年間やってきた結果なので、メダルが取れて良かったなと思います。
――続きましてオリンピック、世界選手権を通じて世界大会初出場の、柔道男子勢全階級メダル獲得の最後の階級で、見事銀メダルを獲得しました柔道男子100キロ超級、原沢久喜選手、お願いいたします。
原沢選手 昨日試合が終わった後はすごく悔しい気持ちで、金メダル欲しかったなというのがあったんですけど、今日朝起きてからは本当に自分自身すべて出し切って戦うことができたなと思っていますし、また4年後に向けて新たにスタートしていきたいなという気持ちで今います。
――お2人に質問します。山部選手は昨日スタンドにご両親だったり先生だったり、いろんな方が応援に来られましたが、今ご両親や先生にどのような思いを抱いているか、また試合後にご両親と何か話したことがあれば教えてください。原沢選手には決勝の試合について改めて伺いたいんですけれど、あの試合は本当に出し切れたのかどうか。また会場がリネール選手に対しての大ブーイングに包まれましたが、どのように感じられたか聞かせてください。
山部選手 遠いこのリオの地まで応援に来てくれたのはすごくうれしく思うし、試合場でも試合中に声が聞こえるほど大きな声で応援してくれたことにすごい感謝しています。試合が終わった後は会場で少ししゃべったんですが、本当に家族はみんな笑顔で、メダルが取れて良かったと言っていたので、最低限の仕事はできたのかなとすごくうれしく思いました。
原沢選手 決勝戦のときの自分を振り返ってみると、もっとこうできたんじゃないかなとかいろいろ考えることはありますけど、あの場面ではすべて出し切ったんではないかなと思っています。ブーイングについてですけど、リネール選手の消極的な姿勢というのはありましたが、やっぱりそれは勝ちに対するリネール選手の執着心の強さだとか、勝ちへのこだわりだとか、そういうものを強く感じましたし、たとえあのような感じになっても勝ちを取ったということで、僕はすごいなと率直に思います。
――今一番食べたいものは何でしょうか? 4年間我慢していたもの、何かしたいことは? そして会いたい人は誰でしょうか?
山部選手 今一番食べたいのは、昨日はラーメン食べたいなと思ったんですけど、今日は焼肉を食べたいなと思っています。やりたいことは、今はとりあえず本当に時間を気にせず、時間に追われることなく、ゆっくりした時間を過ごしたいなと思います。会いたい人は、これまでたくさん支えてくれた方々がいるので、その人たちに1人1人会いに行きたいなと思います。
原沢選手 食べたいものは、とにかく体に悪いものを摂取したいと思います(笑)。脂っこい焼肉だとか、揚げ物とか、食べたいと思います。やりたいことは、本当にこの何カ月間か、柔道のことだけを考えてやってきたので、柔道を忘れて普通の生活がしたいなと思います。会いたい人は、地元の方々もすごく応援してくれましたし、会社の方、大学関係の方、その人たちにお礼を言いに行きたいと思います。
――山部選手にお伺いします。4年後の東京オリンピックに向けてはどのようなお気持ちでしょうか。
山部選手 まずはこの結果を自分自身でしっかり受け止めて、もっと苦しい4年になると思うので、その苦しい4年に耐えられるかどうかを自分自身と向き合って、できると思ったときから一歩踏み出していきたいなと思います。
――日本の子どもたち、もしくは柔道をしている、スポーツをしている、オリンピックを目指す子どもたち、青年たちにメッセージをお願いします。
山部選手 オリンピックはやっぱり夢のある舞台だと思うので、その舞台でしっかり戦える姿を私たちは見せていかなきゃいけないので、それを見て自分もしたいと思って、練習に励んでいただけたらな思います。
原沢選手 今回のオリンピックを見て、本当は子どもたちには柔道をやってほしいんですけど。本当にいろんな競技を通して、人間的にも成長してほしいなと思いますし、またオリンピックを目指してみんな頑張ってもらいたいなと思います。
――原沢選手に伺います。男子は全階級でメダルを獲得したということで、実際の男子チームの雰囲気はどういうものだったのか。また全階級でメダルを取れたのは、どういったところに要因があると考えますか?
原沢選手 チームの雰囲気としては1日1日みんながメダルを取ってきて、次の日の選手にはすごくプレッシャーがあったと思うんですけれど、それが逆にいい刺激になって、こういう結果につながったのかなと思います。また今回、全階級メダルを取れた要因はやっぱりコーチ、監督、選手がお互いを信じて、いい関係を築けてきたことが、こういう結果につながったのではないかなと思っています。
――柔道会場は、ブラジルの応援がとてもすごい会場になっていました。国際大会は何度も体験されていると思いますが、このブラジルの応援の雰囲気、もしくはリオの雰囲気などについて感想があれば教えてください。
山部選手 リオの試合会場の雰囲気は、やっぱりブラジルの選手が出るとすごい盛り上がっていて、東京でやるグランドスラム東京の試合とはちょっと違うなという印象を受けました。たくさんのブラジル選手への声援だったり。でも試合場に入ってしまうと自分たちも聞こえなくなるので、そこはあまり試合のときには影響はないと思いました。リオの街はすごい危ないとか、そういうニュースを見てきたんですけど、実際来てみるとそういう目に遭ったわけでもないし、そんなに危ない街なのかな? という印象を受けました。
原沢選手 ブラジルの柔道ファンの方は、すごく熱狂的だなという印象を受けました。ちょうど僕の試合の前がブラジル選手がやる試合で、ちょっとうるさいな(笑)と思いながら試合に僕は挑んでいました。リオの街は、車から覗いた感じはそんなに危なさは感じなかったですけれど、実際柔道選手には襲われた選手がいると聞いて、危ないのかなと思いました。
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